体調の変化が始まる妊娠初期の流れ
妊娠期間は「十月十日(とつきとおか)」といわれ10ヶ月程度を要することが昔から伝えられてきましたが、
その後、WHO(世界保健機構)により「正常な妊娠持続日数は280日」とすると定めされました。
そのなかでも「妊娠初期(うち妊娠超初期が含まれる)・妊娠中期・妊娠後期」と3つの期間に分けられています。
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妊娠初期は、妊婦の実感は薄いことが多いのですが、ホルモンのバランスが大幅に変化し、
胎児が急速に成長していることには違いありません。そのため、非常に重要な時期とされ
薬の服用にも注意が必要となります。ちなみに、妊娠超初期(妊娠0〜3週)でも
妊娠中に起こる不快症状を感じはじめる人もいるとのこと。
妊娠初期の頭痛は何故起こるの?
妊娠による不快症状は、女性のカラダが妊娠によって大きく変化することから生まれます。
人によって様々な症状がありますが、なんとなく下半身に違和感を覚えはじめ、
頭痛や吐き気、お腹の張りに腹痛、腰痛、下痢、そしてイライラなどの症状が起こりだします。
なかでも「頭痛」は、妊娠すると頻繁に感じるといわれている困った症状。
そして、その頭痛の原因は時期によって少し変化します。
妊娠初期の頭痛の原因とは?
妊娠初期に起こる頭痛の原因は、以下の通り。
そして、妊娠初期に起こる頭痛はだいたいが片頭痛(偏頭痛)です。
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- ホルモンバランスの変化
妊娠すると、女性ホルモンの一種、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され続け
胎盤を完成させます。そして、それにより月経をストップさせるので、
月経がこないことが妊娠の合図になるというわけです。
このように、黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加することで、
必然的にホルモンバランスが乱れてしまうという状況が起こります。
それによって自律神経がうまく働かなくなり、
血管の拡張や収縮が乱れることで頭痛が起きます。
- 鉄欠乏性貧血
妊娠すると、お腹の赤ちゃんを成長させるために血液の量が妊娠前よりも増加します。
しかし、それに赤血球の増加が比例しないために、血液が薄まったような状況になります。
そのように、血液が薄まった状態を「水血症」と言います。
そして、その赤血球をつくるために必要になってくるのが鉄分です。
それをお腹の中の赤ちゃんと、お母さんが必要になるのですから、
必然的に鉄分不足となるわけです。
そのような流れで、鉄欠乏性貧血を引き起こし、
それが原因となって頭痛を発症します。
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
妊娠するとホルモンバランスが崩れたり、栄養分を赤ちゃんにもっていかれることにより、
免疫力が低下します。そのために、副鼻腔炎(蓄膿症)にかかりやすくなるようです。
副鼻腔炎(蓄膿症)がひどくなると、激しい頭痛をともなうことがあります。
- 脱水症状
妊娠すると、ホルモンバランスが崩れることでカラダがついていけず”つわり”を起こします。
そのために、水分が不足して脱水症状を起こすというような状況に陥ることがあります。
それが原因で血液循環が悪くなります。すると、血管が拡張してそれを
回復しようとするために神経を刺激し頭痛を起こします。
- ストレス
体調の変化は大きなストレスとなります。そのために血行を悪くしてカラダが冷え、
筋肉をこわばらせて肩こり、頭痛を起こします。
また、ストレスがかかっているときは、神経伝達物質セロトニンが減少している状態。
セロトニンは、拡張した脳の血管を正常にしてくれる働きがあるので、その物質の減少が
頭痛の原因となっている可能性も考えられます。
妊娠初期の頭痛はいつから起こるの?
頭痛に限らず、妊娠してすぐに症状が出る人はほとんど居ません。
しかし、妊娠超初期である「妊娠3週頃」から頭痛を含めた不快な症状を感じ始める人が多いようです。
いわゆる、妊娠超初期(〜3週)から妊娠初期(4〜15週)へと移行するあたりから、
頭痛症状が起こると考えられています。
妊娠初期の頭痛症状に加え、吐き気や寒気が起こるのは何故?
妊娠初期はざまざまな症状が起こります。しかし、頭痛とともに起こる吐き気や寒気は、
それぞれの症状をより不快なものにしてしまうようです。
※そもそも、妊娠初期は妊娠によるホルモンバランスの変化で”つわり”が起こったり、
カラダが赤ちゃんをまだ認識できないことで拒否反応を起こすので、それが吐き気の
症状としてあらわれます。
頭痛にともなう吐き気の症状は嘔吐中枢が関係している
妊娠初期はあらゆる原因で脳の血管が拡張して神経を刺激し、片頭痛(偏頭痛)を引き起こします。
刺激を受けた神経が大脳へとその刺激を伝えるとき、嘔吐中枢までもが刺激を受けてしまうことから
吐き気の症状が生まれると考えられています。嘔吐中枢は、脳幹内に存在し、吐き気などの
症状をコントロールする中枢です。
また、ホルモンバランスの崩れで乱れた自律神経の影響で、なんだか胃がムカムカすることも。
頭痛にともなう寒気の症状にはあらゆる要因が絡んでいる
妊娠中は胎盤を形成するために高い体温を保つ必要があります。
また、妊娠中に起きやすい症状や病気が寒気を起こす場合があります。以下が考えらる要因。
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妊娠初期の頭痛が起こったら薬は飲んでいいの?
妊娠初期(0〜15週/妊娠1月〜4ヶ月)は赤ちゃんの大切なカラダが形成されている時期です。
胎児への影響が懸念されるので薬の服用は非常に慎重になる必要があります。
ただ、激しい頭痛でストレスの度合いが高くなる場合も胎児への影響が心配されます。
妊娠初期を過ぎたら、医療機関と相談しながら薬の服用も視野に入れて良いかもしれません。
なお、アセトアミノフェンが妊娠中の服用でも一番安全と言われていますが、
100%安全と言い切れるわけではありません。副作用については
明確なリスクは確認されていないにしても、不要な服用は避けた方が良いでしょう。
医師より処方せんを受け取った際は、以下のサービスよりお薬を宅配してもらえますので、外出が辛い際などは是非ご利用ください。
おしまいに
妊娠初期は、お腹の赤ちゃんがカタチづくられていくという大切な期間なので、
それにともなうお母さんの不快症状も大変なものです。
しかし、かわいい赤ちゃんのために、いろいろと工夫を重ねながら、この症状を乗り切るしかありません。
なお、カラダの調子を整えてくれるカフェインフリーの「ハーブティー」や「タンポポ茶」「タンポポコーヒー」などを
飲んでリラックスすることもおススメですよ!