戦車が公道走行、訓練で30キロ 5年ぶり 北海道
陸上自衛隊第7師団(北海道千歳市)は26日夜、東千歳駐屯地から苫小牧市の苫小牧港までの公道約30キロを戦車が自走する「長距離機動訓練」を実施した。同区間を戦車が走行するのは、2011年11月以来約5年ぶり。戦車4両のうち1両は苫小牧市内の国道36号上で立ち往生するトラブルがあった。
訓練に参加したのは第7師団第73戦車連隊の90式戦車4両と戦車回収車1両。路面を保護するため無限軌道にゴム製のカバーを掛け、午後9時ごろ駐屯地を出発した。騒音に配慮して時速10〜20キロの低速で進み、午後11時半ごろ苫小牧港に到着。ただ戦車1両が途中で機械トラブルにより動けなくなり、トレーラーに積まれて駐屯地に戻った。沿道では訓練を歓迎する自衛隊関係団体と、「有事を想定した軍事的な訓練だ」と反対する市民グループがそれぞれ横断幕を掲げた。
戦車は27日、民間の定期貨物船で釧路港に向けて出発する。矢臼別演習場(別海町など)で隊員約650人、車両210台により実施される総合訓練に参加する。【三股智子】