サイゼリヤ役員側 請求棄却求める
両親が会長、社長ら取締役6人に9792万円賠償求める
外食産業大手「サイゼリヤ」(本社・埼玉県吉川市)の店舗で契約社員として働いていた20代女性が自殺したのは、同社がセクハラを防止する体制の構築を怠ったことが原因として、両親が同社創業者の正垣(しょうがき)泰彦会長、堀埜(ほりの)一成社長ら取締役6人全員に9792万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が27日、東京地裁であった。役員側は請求棄却を求めた。
訴状によると、女性は2013年4月から働き始めたが、指導役の副店長が後ろから抱きしめるなどのセクハラを繰り返し、性的関係も強要。14年末には嫌がる女性に「一緒に死のう」と迫り、女性は翌日に自殺したとしている。両親は昨年7月に同社と副店長らを提訴。さらに今年4月、「多くの非正規職員が働き、深夜営業もあるのに、セクハラ防止体制を取らなかった」として役員を相手取り提訴した。サイゼリヤは「係争中の事案のためコメントは差し控えたい」としている。【伊藤直孝】