円高、一時９９円台…２年７カ月ぶり

　２４日の東京外国為替市場は、英国の欧州連合（ＥＵ）離脱を問う国民投票で離脱派が優勢との見方が強まり円が急騰、円相場は一時１ドル＝９９円００銭まで円高・ドル安が進み、２０１３年１１月以来、約２年７カ月ぶりに１ドル＝１００円の大台を突破した。英国のＥＵ離脱による欧州経済の先行きへの懸念から、投資家が英ポンドやユーロを売り、比較的安全な通貨とされる円を買う動きが急拡大した。

　英国での国民投票で離脱派が優勢との見方が伝わると、午前８時過ぎに円相場は１ドル＝１０３円０１銭まで上昇。その後、離脱派がリードを広げると、午前１１時半過ぎに一気に３円超も急伸し、１ドル＝１００円を突破した。市場では「１ドル＝１００円を突破したことで、日本経済への悪影響が懸念される。政府による円売り・ドル買い介入への警戒も広がっている」との声が出ている。

　円は対ユーロでも上昇しており、東京市場では一時、３年６カ月ぶりの円高・ユーロ安水準となる１ユーロ＝１０９円５７銭をつけた。対ポンドでは一時１ポンド＝１３５円２４銭と、前日比２０円超の円高・ポンド安となった。

　円が急伸していることについて、財務省の浅川雅嗣財務官は２４日午前、記者団の取材に「（為替相場の）動きが荒いと思う。大臣と相談しながら必要な対応を考える」と話した。為替介入の実施については、「ノーコメント」とした。

【和田憲二、片平知宏】