エスカレーターの右に立つか、左に立つか――。大阪など関西は「右立ち」、東京などは「左立ち」で、反対側を急いでいる人のために空けるのが慣行だ。では、諸外国・地域ではどうだろうか。訪日外国人でにぎわう大阪・ミナミで、各国・地域の人たちに聞いてみると、大部分、大阪と同じ「右立ち」という回答が返ってきた。日本では、大阪周辺だけが「右立ち」で、東京など東日本をはじめ九州や中国地方でも「左立ち」が主流になっているが、エスカレーター文化や大阪文化に詳しい研究者らは「大阪の乗り方が世界標準」と口をそろえる。なぜ大阪がグローバルスタンダートとなったのか。(張英壽)
大阪ミナミの道頓堀。いまや、「爆買い」の中国人だけでなく、韓国、台湾、東南アジア各国、欧米などさまざまな国・地域の人たちが入り乱れて歩いている。
「エスカレーターは中国では『右立ち』です。左に人を通すことがルールになっています」
中国・北京市出身で、本国の友達を案内していた日本語学校に通う大阪市浪速区の女性(23)はそう流暢(りゅうちょう)な日本語で話した。大阪と同じだ。だが、なかなかルールが徹底されていないようで、「朝の北京のラッシュアワーでは、みんな右に立つのは不可能で、全然動けない」と、現地の様子を教えてくれた。
青島市出身で金沢市に住む女性の楊婉榕さん(25)も「基本、大阪と同じだけど、守っている人も守らない人もいる」と明かした。このほか、ドラッグストアで中国語で呼び込みをしていた長春市出身の男性店員(20)も「中国は大阪と同じ」と回答した。
台湾・台中市から来た女性(26)は「台北では大阪と同じ『右立ち』だけど、台中は『フリースタイル』。左もOKです」。
韓国はどうか。ソウル市の男性会社員、朴宣泰(パク・ソンテ)さん(30)は「右側に立ちます。左の人もいるけど、右側が多いですね」。ただ韓国は右が基本だが“揺れ”があり、「基本『右立ち』だけど、状況に応じてかな」と仁川市の19〜20歳の男子大学生3人。釜山市の無職男性、キム・キョンスさん(24)は「基本、『右』だけど、2人で並んで立つ人もいるし、いろいろ。急いでいるとジグザグに歩かないといけない」という。
米ニューヨークから来た20〜30代の女性3人組のうちの1人は「米国でも右立ち。ほかの国もそうではないか」、カナダ・オタワの22歳の男女2人も「大阪と同じ」という。
一方、ノルウェーの20代エンジニアの男性は「ルールはない」。チェコからやってきた女性も「ノールール」という回答だった。
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