2016-06-18

LGBTだけどふつうバイト落ちた

お金もないし夏休みもあるしアルバイトをしようと思った。

落ちた。

「こちらはシュレッダーにかけておきますので」

大手カラオケ店でのアルバイト面接。店の部屋で先方が用意した履歴書に記入し、1シート800円の証明写真1部を添えて面接官の店員に手渡す。面接には決まった手順があるようで、最初の「志願理由確認」にチェックが入ったあと、店員は言った。

「当店には服装規定がありまして……身だしなみとして、男性の方の長髪では働くことができないんですね。……もちろん個人の価値観等はあるでしょうから無理強いはしませんけども、飲食物を扱いますし、耳が出るくらいに……改善が見られないのなら、面接をしてもお互い時間無駄ですが……」

ぼくの履歴書は、のりの付いていない顔写真は、カラオケ店のシュレッダータンクの中に細切りの状態存在するのだろう。

肩に付かないくらいの短いボブカット美容院だって2カ月に1回だけど行っているし、ボサボサってことはないと思う。ワックスでかためたりもしてないし、こんな感じの髪型をした女性しょっちゅう見る。でも、それは男性がするには奇抜でふさわしくないらしい。

18年間生きてきて、耳が出て襟足の短い髪型をずいぶんとしていないことに気がついた。中学高校も通わず高卒認定センター試験だけで大学受験をしたので、その間のNEET時代髪型を気にすることはなかった。大学に入って髪型についてあーだこーだ言われることはない。16歳で始めた性ホルモン剤で、黙っていれば男物の服を着ていても相手はぼくのことを女性だと認識する。

NEETな、本来高校生であるべき時代に同年代トランスジェンダー診断書名前変更について話していた。そんなこと気にせずに自由自分らしく生きればいいと、自室のPCの前でTwitterを眺めていた。

社会に出ようとして、働こうとすると髪を切らないといけない。当たり前のことに、ようやく気がついた。かけずに耳が隠れない長さまで髪を伸ばすのはぼくには無理だ。当時のTwitterフォロワーはそれを知っていて、診断書学校への理解を求めていたのだ。

自分ジェンダーとかよくわからないし、戸籍変更とかどうでもいいかなって思っていた。日本MtFが戸変するには、膣に類似したものを手術で作らないくてはならない。新車が買えるくらいの費用がかかって、生殖機能なくなるんだけど、日本ではそこまでして裁判したいと戸籍性別を変えることはできない。

茶髪OKなバイトだけど、性別変更しないとふつうアルバイトさえできない。就職のことを考えたら憂鬱になった。髪のことをトレードオフしても求められるような技能を持つ人材にぼくはなれるのだろうか。

団地11階と12階のあいだの踊り場で、下を向いて立っていた。救命される未来が見えて、やめた。

吉祥寺に住んでいるから、吉祥寺の男の人を見ていたけれど、みんな耳の下まであるような髪型はしていなかった。

まれときに決まった性別ですべて決まる。

グラデーションを生きるのはしんどい

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