米原発子会社、インドで6基建設着手へ
【ワシントン清水憲司】米印両政府は7日、東芝の米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が、インドで原子炉6基の建設計画に着手すると発表した。ワシントンでの首脳会談後の共同声明で明らかにした。
声明によると、WHとインド原子力発電公社が計画策定を開始し、2017年6月までに最終的な契約を結ぶ。米政府が米輸出入銀行を通じ資金を融資することでも合意した。同社の最新鋭原子炉「AP1000」を設置する予定。受注額などは明らかにされておらず、融資条件も今後協議するという。
インドは経済成長に伴う電力不足への対応に加え、温暖化対策として30年までに総発電量に占める非化石燃料の割合を40%に引き上げる目標を掲げる。太陽光などの再生可能エネルギーとともに原発の増設を重視しており、ロシア勢のほか、フランス勢も参入を目指している。
米国は核不拡散の観点から原発輸出の際、相手国と原子力協定を結ぶことを条件にしている。インドとは08年に協定を結んだが、インドには事故などが起きた場合、原子炉を供給した企業の責任を厳しく問う世界でも珍しい国内法があり、これまで実現しなかった。だが、今年2月にインドが電力会社が賠償責任を負う国際ルールを批准したことで、今回の合意につながった。