民主指名争い、クリントン氏が勝利宣言
【ロサンゼルス長野宏美、ニューヨーク國枝すみれ】米大統領選で民主党候補の指名を確実にしたヒラリー・クリントン前国務長官(68)は7日夜(日本時間8日午前)、地元ニューヨークで支持者を前に演説し、「みなさんのおかげで、私たちは歴史的な節目に達した。米国史上、女性が初めて主要政党で指名候補になる」と、2月に始まった指名争いでの勝利を宣言した。7月の党大会で正式に指名される。
クリントン氏は、「私たちは傷つけ合うのではなく、共に協力し合うべきだ」と11月の本選に向けた党の結束を呼びかけた。米国では女性の進出を阻む「ガラスの天井」があるとされるが、クリントン氏は「障壁は取り除ける。すべての人にとって(ガラスの)天井や限界がないことを示す選挙戦だ」と訴えた。
また、共和党候補の指名を確実にし、本選で戦うことになる実業家のドナルド・トランプ氏(69)について「人格の面で大統領には不向きだ」と批判した。
民主党は7日、6州で予備選・党員集会を実施。クリントン氏は東部ニュージャージー、西部ニューメキシコで勝ち、全米最大の票田であるカリフォルニアでもバーニー・サンダース上院議員(74)をリードしている。サンダース氏は中西部ノースダコタを制した。
民主党の総代議員数は、予備選・党員集会の結果に左右されない特別代議員を含め4765人で、指名獲得に必要な過半数は2383人。米メディアの独自の集計で、クリントン氏の代議員獲得数は既に過半数に到達している。特別代議員は党大会で投票先を変えることができるとして、サンダース氏は選挙戦継続の意向を示している。
一方、共和党の指名争いは7日、西部カリフォルニア州など5州で予備選が実施され、すべて終了した。全5州で勝利したトランプ氏は同日、ニューヨーク郊外で演説し、「今夜、歴史の一章を閉じ、新たな章を始める」と宣言した。また、「共和党の予備選・党員集会で最多の票を獲得した」と誇り、「国民が本物の変革を望んでいる証拠だ」と述べた。