肩書きひとつ変わったくらいですべてが変わる――
こんにちは、氷太よ。
今日は緒川千世先生の
『カーストヘヴン1』
を頂いていくわね。
表紙だけじゃ全然分からなかったんだけど、「誤算のハート」と同じ作家さんだったのね。
このカーストヘヴン、購入しつつも読むのを後回しにしていた作品だったの。
学生時代におけるイジメを描く事をコンセプトにしていて、正直言うと昔流行った「おめーの席ねーからー!!」でおなじみの少女漫画ライフの要素を、BLに取り入れただけなんだろと。
・・・・甘かった。
・・・・まだまだ甘ちゃんですわ氷太は。
この漫画は単なるイジメを描いている作品ではないの。
カーストとは古来インドで形成された身分制度の事で身分の強弱がピラミッド形式で構築されている制度ってわけね。
学生であっても例外ではなくクラス単位でも強弱の人間関係があり、こういった関係式をスクールカーストとも呼ぶみたいね。
この漫画で特筆すべき点は、そのスクールカーストの形成が「自然に形成されるもの」ではなく「強制的に身分が割り振られる」ものであるという所よ。
この点がいかにドロドロとした人間性を作り出していくのか・・・。
あらすじ
梓はカーストゲームで最上級の札【キング】を手にし、クラスの頂点に君臨していた。 だが、懐柔していたつもりの取り巻きに欺かれ、最底辺の【ターゲット】(いじめの標的)に落ち、プライドは粉々に。 しかも奴は、新キングの座を手にしたのだ。 【カーストゲーム】 手にしたトランプの札によって、クラス内での自分の階級が決まる。 これは教師は絶対知らない、生徒だけの秘密のゲームなのだ――。
こんな感じね。
クラスの頂点に君臨するのも、いじめの標的になるのも、全てが役割なのよ。
なるべくしてなったではなく、強制的にその役割を負わなければならないの。
なにこれ?BLなの?ってなるかもしれないけど、そういう描写もしっかりあるわ。
登場人物
梓@受(表紙の子)
傍若無人な元キング。
新たに行われたカーストゲームでジョーカー、つまり最底辺の権利であるターゲットになってしまう。
ぶっちゃけ自業自得、そらそうなるわな
刈野@攻
新たなカーストゲームでキングの座を手にする。
元々はキングである梓の付き人の役割を負うワナビーというポジションだった。
う~ん・・カレ、中々良い味出してるね☆
あつむ@受
新たなカーストゲームにより、クラスの中で上位の権利を手に入れる元ターゲット。
オドオドとした性格で、レベルの高い権利を手に入れても中々変われずにいる。
久世@攻
心優しく、ニコニコとしている人。
元々クラスの上位から3番目の権利を持つジャックであった。
カーストゲームにそもそも興味自体持っていない。
こんなところね。
この4人が主軸となってお話が進んで行くわ。
感想
ストーリー・キャラクター・絵
って人のためにこちらの画像を引用させて頂こう。
ちょっと見づらいかな・・・。
拡大して確認してちょ。
カーストゲームはこういったシステムでこういったヒエラルキーの形成が成される。
面白いのが例えばスポーツ万能な子でもトランプの5のカードを手に入れるとギークという役割を負わなければならず、それを超えた権利行使が許されないの。
スポーツで目立ってはいけないという制約とかね。
こういうのもよく考え付いたわね・・・。
つまりこのゲーム下において本来自分自身が持っている長所短所を活かすことは許されず、そもそも自分自身である事を否定しカードの数字によって決定付けられた役割を演じなければならないと言う事ね。
このコンセプトが徹底的に活かされて物語が進んで行くわ。
この1巻において描かれるBLの描写ですら役割によって行われているんじゃないか?
と思わせるような真摯な愛というよりも歪んだ暴力のような形で描かれていくわね。
この歪みこそがこの漫画のテーマなのよ。
その偽りの仮面に潜む、本当の歪みのある人間性を描写していくの。
サスペンスちっくでもあるから展開が読めず先が本当に気になるんだけど、アタシの評価が名作ではなくオススメに留まったのはそういった人の持つおぞましさを描く事に重きを置いているから、人によっては拒絶反応を示すんじゃないかと思ったからよ。
アタシは個人的に大満足。サスペンス超好きだし。
ただ以下の部分を除いてね・・・。
短所
まずこのカーストゲームのルールにおける「ゲームに参加しない・違反する者は強制的にターゲットになる」という部分が全く生きていない。
もう、本当に息をしていないわ。
めっちゃ違反してるやん・・・。とツッコミを入れざるを得ない。
でもペナルティなし。
これから描かれていくのかもしれないけど。
そしてそもそも何故このカーストゲームの存在自体に疑問を持たずして従っているのか?
ぶっちゃけどう考えてもおかしいでしょ。
転校しなさいよ!こんな学校!!
この学校を卒業すれば約束された未来が待ってるとかなら分かるけど・・・。
ちょっと描きたい物が多すぎて、外枠を埋めたりていない点が目立ったわね。
あとは絵に安定感がちょっとないかな~・・・。
ドロっとした部分をしっかり描いている部分は賞賛に値するけど、キレイな部分と汚い部分の差が結構あるわね・・・。
え・・お前誰だよ・・・お前だったのかよ!!
ってなるシーンが見受けられたわ。
まとめ
例の如く、シナモンロール並みに甘々なBL漫画を好む人は読んじゃダメよ。
卒倒するかもしれないww
でもサスペンスが好きな人は絶対に面白いと思うはずよ。
設定も特異だし展開が読めないし。
これからこの設定の風呂敷をどう広げていくのか楽しみね!