前田基行
2016年6月7日05時46分
神奈川県横須賀市で2006年に起きた米兵による強盗殺人事件をめぐり、米政府が昨年から遺族に「見舞金」を提示し、示談を申し入れていることが分かった。ただ、民事裁判で元米兵に賠償を命じた額の4割ほどにとどまるうえ、元米兵の免責が条件だったため、遺族側は示談を拒否。防衛省を通じて交渉を続けている。
事件は06年1月に発生。パート社員の女性(当時56)が出勤途中、道を尋ねるふりをして近づいてきた公務外の米空母乗組員の男に襲われ、殺害された。内縁の夫の山崎正則さん(68)ら遺族は損害賠償を求めて提訴。元米兵に約6500万円の賠償を命じた09年の一審判決が確定した。
一方、元米兵は無期懲役刑で服役中。日米地位協定には米兵の公務外での事件・事故について、本人に支払い能力がない場合、米政府が補償する制度がある。この制度に基づき、米政府は昨年6月、防衛省を通じて「見舞金」を提示した。
だが、山崎さんの代理人によると、提示額は確定判決額の4割ほど。米政府や元米兵を「永久に免責する」ことが条件だった。山崎さんは「米兵の免責を求めるのなら全額を払うべきだ」と話している。
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朝日新聞社会部
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