・「花押は押印ではない」遺言書無効 最高裁が初の判断:朝日新聞デジタル
まあ今更「花押(かおう)」も無いだろ、というツッコミも禁じ得ないけどな(;゚д゚)
- 遺言書にも主に2パターンのものがありまして…。
- で、おそらく今回の件は「前者」ではないか、と。
- わからんのは「花押」がダメで「拇印」はOKってのが…。
- だったら拇印もアウトにしろよ(汗)
- ま、今後作られる方はぜひ実印のご用意を…。
- 地裁レベルだとトンデモ判決はたまに出るんだけどね…。
戦国武将などが使ってきた「花押(かおう)」が、遺言書に必要な「押印」の代わりになるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は3日、「花押は押印とは認められない」として、遺言書は無効とする初めての判断を示した。
裁判で争われたのは、琉球王国の名家の末裔(まつえい)に当たる沖縄県の男性が残した遺言書。不動産などの財産を「次男に継承させる」と書かれていたが、長男と三男が遺言書は無効だと主張。次男が有効であることの確認を求めて提訴していた。
民法968条は、本人自筆の遺言書には、自筆の署名と押印の両方が必要だと規定している。一、二審判決は、男性がこれまでも花押を使ってきたことや、花押が「認め印よりも偽造は困難」などとして遺言は有効と認めた。
一方、第二小法廷は花押が「書く」もので「押す」ものではないことを重視。「重要な文書は署名、押印して完結させる慣行が我が国にはある」と述べ、花押は民法の押印の要件を満たさないと結論づけた。
遺言書にも主に2パターンのものがありまして…。
一応遺言書もいろいろとありまして、例えば自筆で書いたのをどこか金庫の中にしまっておく「自筆証書遺言」、公証人(基本的に本人以外に2人を置くことになっています)とかを目の前に置いて真意をしっかり確認した上で遺言書を作る「公正証書遺言」…が主なものだと言われてます。更に「公正証書遺言」のような作り方をする方法でもっと厳格な方法で作成する「秘密証書遺言」というパターンの遺言書がありますね。とはいえ、「公正証書遺言」の方も秘密が漏えいすることはめったにないのですが…。
この中で、一番簡単に作れるのが前者の「自筆証書遺言」なんですね。ただ、これだといかんせん作る人が法律(特に民放の相続の部分)に疎く、書類に不備があることが多いので後々トラブルになったり、法的に不備があるとそれが無効になる可能性もあるので、本格的にトラブルを未然に防ぐ場合には、二番目の「公正証書遺言」を作る人が多いようです。もっともこちらは公証人にちゃんとした書類を作ってもらうので、それなりにお金はかかるんですが(一応調べたら、1000万円で17000円、1億円で約43000円ぐらいだそうです)。
で、おそらく今回の件は「前者」ではないか、と。
その上で一応考えるに、今回の「花押はダメ」で揉めた件はたぶん前者の「自筆証書遺言」ではないのかと思われます。というのは、「公正証書…」の場合は、遺言者の特定などで印鑑証明書を求められるので、現実的には印鑑証明書に登録されている印鑑=実印を使う為、そもそも花押が出てくる幕がないんですね。ま、最高裁が言ってる通り、「花押」って、判子みたいな奴じゃなくて自分で書くサインみたいなもんなんで、「押印して完結させる慣行が我が国にはある」って言い分はまあわかんなくはないんですけども…。
わからんのは「花押」がダメで「拇印」はOKってのが…。
一方、「自筆証書」の方は、というと、民法の規定では民法第968条に「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」という項目があるんですが、その「印」に関しては、実印でも認印(つまりは「シャチハタ」等)でも構わないという解釈がなされている上に、実は平成2年の最高裁で「そこの「印」は「拇印」、つまり親指でも構わんよ」という判決も出ているわけでして…。
個人的には「いやいや、それおかしくね?」って思うんすけどね。ぶっちゃけていえば「押印して完結させる慣行が我が国にはある」うえで「押印できれば正直誰が押したかわかんねえ指の指紋でもええんか」と。
おそらく、今回の判決は、「そんな花押なんて、本人が書いた証拠にゃならねーよ」って事なんでしょうが、だったら死んで火葬されちゃった本人の拇印の指紋なんかどう本人と証明するんだコラって話にもつながるわけで(爆)。
だったら拇印もアウトにしろよ(汗)
おそらく思うにこれ、最高裁は形式主義の観点から「今時花押なんか使ってんじゃねえよ。印鑑証明書でわかる実印使え実印を」って言いたかったんでしょうが、しかしながら過去に「拇印でもOKよ」という最高裁の判決が出てたからこそ、那覇地裁・福岡高裁が「拇印もOKなんだから花押を認めないわけにはいかねーよな」的な判決を出したと思われるので…。うーん、だったら拇印もアウトにしろよって感じ。
ま、今後作られる方はぜひ実印のご用意を…。
公正証書を作るのも結構手間暇はかかるので、私も含めて市井(しせい)の庶民にはあまり関係ない話かもしれませんが、死んで遺産が残ってそれで紙一枚で揉めるような、家族争議が起きるようなお宅は、お金はかかるでしょうけど、トラブルを未然に防ぐために「公正証書」の遺言書を作った方がいいでしょうね。または、お金かけたくねーってんで自筆証書遺言を作る場合でも、せめて、印鑑は市役所等に届けている実印をご用意くださいね、と。
たぶん時代が過ぎていくごとに、こういう花押をわざわざ使って遺言書を作る古風なおじいちゃん(?)は減っていくと思うんですけども…。
地裁レベルだとトンデモ判決はたまに出るんだけどね…。
いやあある意味で「お前その判決おかしくね?」的な「トンデモ判決」は地裁レベルではたまーに出るんですが(これはトンデモ系ではないんですが、昔、少年事件の被告人に、わざわざさだまさしの「償い」って歌を引用して反省を促した凄い裁判官もおりましたね、東京地裁に(苦笑))、まさかそういうトンデモ判決が最高裁でねー、と。
いやあDQN親が「ハンコなくしたし、探すのめんどいから俺の拇印でいいだろ」と遺言書に拇印を押して死んで家族争議になった際に、改めて「花押はいかんぞ」と言い切った最高裁がどういう判決を出すのかが物凄く楽しみだわ。
…ま、現代の常識的には花押もダメだったら拇印も、もうだめだろ。それこそ遺族間で分け前で裁判沙汰になるような千万単位・億単位の財産を残すような金持ちだったら揉めないように公正証書遺言ぐらい作れってんだ(苦笑)。