ペグさしは、ヨーロッパの幼児教育現場において、知育効果を期待して積極的に取り入れられているおもちゃです。
日本においては、モンテッソーリ教育(メソッド)の教具として有名になり、現在では広く赤ちゃんや幼児用のおもちゃとして販売されるようになっています。
この記事では、ペグさしの概要と対象年齢、月齢・年齢ごとの遊び方と知育効果、選び方について紹介します。
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ペグさしとは
ペグさしとは、カラフルなペグ(棒)を穴にはめこんで模様を描くおもちゃです。
一つひとつのペグが大きい乳児期用の物から、ペグが小さく本数の多い幼児期用の物まで、たくさんの商品が販売されています。
発想力や想像力次第で無限の遊び方があることや、手先の器用さが求められることから、知育玩具としても活用されています。
ヨーロッパ諸国では、多くの幼稚園で遊具として採用されています。
対象月齢
1歳~3歳頃を対象とする商品が多くなっています。
ただし、乳児期後期の赤ちゃんもペグさしに興味を示すので、誤飲の心配がない大きさのペグさしを渡してみても良いでしょう。
ペグさしの月齢・年齢ごとの遊び方と知育効果
ペグさしを使った遊び方や得られる知育効果は、子供(赤ちゃん)の月齢・年齢によって刻々と変化していきます。
生後1歳前後~2歳頃
ペグを穴にはめるには、目と手をうまく連動させ、手の力加減を調節して、①ペグを指でつまむ、②ちょうど良いサイズの穴を探す、③ペグと穴の位置を把握する、④はめこむという動作を行う必要があります。
生後1歳前後になると、大きめのペグなら穴にはめられるようになる赤ちゃんがちらほら出てきます。
ペグさしを繰り返すことで、目と手の連動性や手先の器用さは向上しますが、大きさや高さを意識したり、並べて模様を作ったりするのはまだ難しいものです。
赤ちゃんがペグをうまく穴にはめられない場合は、パパママがお手本を見せてあげても良いでしょう。
なお、積み木で遊び始めるのもちょうどこの時期からで、ペグを積み木のように積み上げて遊ぶこともあります。
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生後2歳頃~
ペグの色や形を意識しながらはめられるようになっていき、色、形、数、量を認識する力や、物事に持続して取り組むための集中力が身についていきます。
また、大きさや長さの違うペグを使えば、長さや高さを認識する力もつきます。
生後3歳頃~
ペグの色、形、数、量をしっかり認識し、ペグを並べて模様を作ることができるようになる時期です。
子供は、商品付属のパターンカードの模様にとらわれず、自由な発想でペグを並べて模様を作り、様々な物に見立てるうちに、発想力や想像力がついていきます。
また、この時期に使用するペグは小さいので、目と手の連動性や手先の器用さがより鍛えられます。
ペグさしの選び方
ペグさしの選び方のポイントは、次のとおりです。
- 1歳前後の赤ちゃんには、大きさの異なるペグが入った商品を選ぶ
- 年齢に応じた大きさやピース数の商品を選ぶ
- 無塗装の商品を選ぶ
- STマーク、CEマークが付いた商品を選ぶ
大きさの異なるペグが入った商品を選ぶ
1歳前後の赤ちゃんは、ペグで模様を作るのはまだ難しいので、大きさの異なるペグを穴にはめるタイプのペグさしがおすすめです。
また、カラフルなペグの商品を選んでおくと、色を覚えさせるのにも効果的です。
年齢に応じた大きさやピース数の商品を選ぶ
年齢ごとに目安となるペグの大きさ、ペグの数、晩の大きさは、次のとおりです。
・1歳前後~2歳
ペグの大きさ:直径3~4cm、長さ5~7cm(手で掴みやすく、誤飲しない大きさ)
ペグの数:15~20本前後
盤のサイズ:20cm×20cm
・2歳~
ペグの大きさ:直径2cm、長さ4.5cm
ペグの数:100本前後
盤のサイズ:20cm×20cm
・3歳~
ペグの大きさ:直径1.5cm、長さ2.5cm
ペグの数:200本前後
盤のサイズ:25cm×25cm
無塗装の商品を選ぶ
ペグさしは、赤ちゃんが掴んで口に入れるのにちょうど良いサイズです。
誤飲しないサイズの商品を選ぶことは大前提ですが、そうした商品を選んでも、口に入れたり舐めたりするのを100%防ぐことはできません。
そのため、塗装がはがれる恐れのある商品は避けることをおすすめします。
STマーク、CEマークが付いた商品を選ぶ
STマークとは、日本玩具協会が定めたST基準(安全基準)に基づく適合検査に合格したおもちゃに付けられる認証マークです。
ST基準は、おもちゃ業界の自主基準ですが、日本の主なおもちゃメーカーは全てSTマークを採用しており、おもちゃの安全性の目安として有効なものです。
なお、日本ではヨーロッパ製のペグさしがたくさん出回っており、STマークではなくCEマークが付いたものをよく見かけます。
CEマークとは、EU加盟国の基準を満たす商品に付けられる認証マークです。
日本製の場合はSTマーク、海外製の場合はCEマークが付いた商品を選びましょう。
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