どうも、Toshiroです。いつもありがとうございます。今回は「関心と人間関係」というテーマで書いてみます。
関心
2人の画家が同じ場所に立っているとします。1人は北の風景を描き、もう1人は南の風景を描きました。言うまでもないことですが、2人の描いた絵は全く異なるものです。同じ場所に立ち、同じ風景の中に2人はいます。しかしどの方向を向くかで出来上がる作品は全く違うものになります。
これが関心です。全く同じ環境にいても関心事が異なれば見えてくるものが異なります。画家の例は少し抽象的なのでより具体的な例を挙げてみます。
求職中の2人
仕事を求める2人がいるとします。2人は現在アルバイトや派遣として働いており、正社員として働くことを目標としています。2人の悩み(関心)は不安定な環境、条件で働かざるを得ない事、そして正社員としての仕事を獲得出来ないことです。2人の関心事は一致しているので共感も出来、話も合います。
「アルバイトや派遣だと将来心配だよね」「なかなか就職先見つからないよね」「今度合同説明会あるみたいだから一緒に行ってみようよ」
しかし1人が正社員としての内定を獲得したらどうでしょうか。2人の関心事は変わってしまうでしょう。1人は依然として仕事がないので将来の不安や正社員の内定の獲得について関心があります。内定を獲得した方は、正社員としての安定を得たので将来の不安や、まして内定については関心がありません。中々仕事が覚えられないことや、給料の低さ、労働時間といったものに関心が移ります。
こうなると2人の話は合いません。共感も出来ません。もし仮に2人が飲み会でもすればこんなことになるでしょう。「なかなか仕事が見つからないよ」「でもお前いつも頑張っているから何とかなるよ、それよりさ、会社の上司がさぁー・・・」
社長と社員
社長と社員は同じ会社にいます。なので見ている景色も同じはずです。しかし実際は全く違います。社長は会社の存続(経営)を常に見ているのに対し、社員は常に給料、労働時間、福利厚生を見ているからです。
社長は社会にどのような価値を提供していくのか、そしてその価値でどのように会社を経営していくのか、ということを常に考えて会社に行きます。
一方社員はお金を貰うために会社に行きます。いくら貰えるのか、そのための労働時間はどれくらいか、その費用対効果はいかなるものか、お得?それとも損?転職もアリ?
社長の関心は経営、社員は給料(待遇)。関心が全く異なるのでお互いに理解が出来ません。社長は社員に対し「なぜもっと会社のことを考えないのだろう」と不満を漏らし、社員は社長に対し「どれだけ安い給料で働かせるつもりなんだ」と嫌悪感を募らせます。
夫婦
男女がお互いに愛し合い、家庭を築く。そのきっかけはある程度は共通していることと思います。
「もっと一緒にいたい」「結婚したい」「一緒に幸せになっていきたい」
この場合、男の関心は女であり、女の関心は男です。確かに対象は異なりますが、愛し合っているという点で関心は共通しています。なので関係は築きやすいです。
しかし子どもが生まれるとどうでしょうか。夫の関心は依然妻のままですが、妻の関心は子どもへと移ります。子どもは母親がいなければ生存出来ないので常に母親を必要とします。常に子どもを見ている必要があるので妻の関心は子どもへと移るのは必然です。
でも夫の関心は妻のままです。妻の関心は子ども、それに対し夫の関心は妻。関心が異なるので中々以前のようにはいきません。
妻は夫を気遣ってくれません。でも家庭を守るために働かないといけない。働いて疲れて帰ってきても妻は子どもに集中しています。仕事の愚痴を家庭に持ち込むと「こっちだって疲れてる!」と言われるでしょう。
反対に子どもの世話を頑張っているのにも関わらず夫は何も気遣ってくれず、子育ての大変さを語っても夫は共感してくれない。
(夫が子どもに全く関心がないと言うとそれは違うと思いますが、でも子どもが生まれた時に嫉妬を覚えることはよくあることです。以前探偵ナイトスクープという番組で子どもが生まれてから夫が全く話さなくなった、という依頼がありましたが、非常にいい例です。)
人間関係
少し極端な例を出したので異論も多いと思いますが、人間関係の悪化というのは、多くの場合、関心の相違から生じます。良い人間関係というのは共感がうまく行えている状態です。つまりお互いに理解が出来ている状態です。
お互いの関心が異なると、その関心についての理解が行えないので関係がぎくしゃくしがちです。元々関心が異なる人なら、そもそもくっつくことがないのですが(会社のような強制的なものでない限り)、ある程度お互いを理解出来ていたのが、環境の変化によって関心が変わり、理解出来なくなってしまった場合は、今の例のような人間関係の悪化として表れてきます。
では関心の相違による人間関係の悪化が起きた場合はどうすべきかというと、それは同じ関心を持つ人とくっつけばいいのです。
別に社長が悪いわけでもなければ社員が悪いわけでもありません。夫が悪いわけでもなければ妻が悪いわけでもないのです。関心が異なるのはある意味当然です。関心が違うからと言って相手の関心を無理やり自分の関心に変えるようなことをするから衝突が発生します。同じ場所であろうが関心が異なるのですから、その場に共感を持ち込んではいけません。
社員が言うことを聞かないなら同じ悩みを持った社長と愚痴を言い合えばいいし、会社の待遇が気に食わないなら同僚と飲めばいいし、妻が子どもばかり相手して寂しいなら同じ境遇の人を見つければいいし、子育ての悩みがあるなら旦那ではなく子育てをしている人と一緒にいればいいのです。
昔は同じ関心を持つ人を見つけるのが困難でしたが、今はネットがあります。いくらでも同じ関心を持つ人を見つけることが出来るし、交流も簡単に行えるので、本当にいい時代だと思います。共感できる人がいないなら見つければいいだけの話です。
物理的に距離の近い人は役割と割り切りましょう。会社を経営する役割、仕事をする役割、子育てをする役割。あらゆる役割があるから家族や会社、社会といったものを運営することが出来ています。
役割は役割、共感は共感というように明確に線引きをすることで、すこしは人間関係が楽になれるかもしれません。
本日もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それでは、また。