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「前夜に持ち掛けられた」 ATM不正、容疑者が供述

 全国のコンビニの現金自動預払機(ATM)で十数億円が不正に引き出された事件で、現金を引き出す「出し子」役とみられ、愛知県警に窃盗容疑で逮捕された男2人が「事件前夜、知人にアルバイトをしないかと持ち掛けられた」などと供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。指示役や背後組織が短時間で出し子を募り、犯行を一斉に指示した可能性があり、県警は経緯を調べる。

 捜査関係者によると、男らは共通の知人の男から5月14日夜に電話でアルバイト名目で誘われた、と説明。翌15日早朝、待ち合わせ場所で偽造カードを手渡され、暗証番号やコンビニのATMで引き出す手口を、指示されたという。

 その後、2人は愛知県小牧市や名古屋市北区などを車で移動しながら、7店舗で計380万円を引き出したとみられている。その日のうちに、指示役の知人に現金と偽造カードを手渡し、報酬として数万円を受け取ったと話している。

 犯行発覚を防ぐため、背後組織が出し子の確保から現金の引き出し・回収の計画を周到に準備して、一気に実行した疑いがある。

 事件は5月15日早朝、全国17都府県の「セブン−イレブン」に設置されたセブン銀行のATM約1400台で、キャッシング機能を使って14億円が一斉に引き出された。南アフリカの銀行から流出した顧客情報を基にした偽造カードが使われ、多数の出し子が関与したとみられている。

 捜査関係者によると、ファミリーマートのATMでも同様の被害が出ていたことが判明。被害は愛知県内だけで12店舗の880万円、全国では数億円規模に上り、セブン−イレブンと合わせた総額は20億円近くになるとの見方がある。

 愛知県警は31日、ATMで現金を不正に引き出した窃盗の疑いで、とび職中園竜男(28)と電気工事業佐橋克哉(28)の両容疑者を逮捕、1日に送検した。

(中日新聞)

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