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ホーサクっ

41歳サラリーマンが思うあれこれ

41歳の買取業者「梅雨入り前の消費増税延期とスーパーマーズ」

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5月末はいつも気が滅入る。ぼくは個人のリサイクルショップを経営しているのだが梅雨入り前は客足が途絶える。自然とため息が出る。

軽トラックで住宅街をまわる。皆さんも聞いたことがあるだろう。「ご不要になったテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、オートバイ、本、雑誌など無料でお引き取りいたします」あれをやってるのだ。

梅雨入り前のじめっとした風が開け放した窓から入って来る。どこからか、どくだみの匂いがする。乾かしてお茶にするといいと新聞の朝刊に書いてあった。

脱サラしてリサイクルショップを始めたのは本気でブログ飯をする為だったのだが、甘くなかった。Google先生が厳しくてGoogleアドセンスの審査に落ちたのだ。どうやらブログの内容が問題らしい。

世界禁煙デーなのだがタバコが止められない。アイコスを使えば煙が出ないので妻に嫌な顔をされなくなったのだ。いつもなら8本ある手足で首を絞められ、ビリビリと電流を流されるのだが。

「消費増税延期だって、阿部首相は公約よりも参議院選が大事なのね。私の星では考えられない」と、妻がGoogleニュースをiPadで見ながら目を光らせて言った。

「そんなことより今日、スーパーマーズだってよ」僕は助手席の妻に言った。「へー、そうなんだ」関心がないようだ。今度は舛添都知事のニュースを見ている。

「スーパーマーズだよ。覚えてないの?」

「2005年11月20日でしょ。覚えてるわよ、あたしたちの結婚記念日じゃない」

なんだ覚えてるじゃないか…。

「うまいものでも食べようか?それとも、プレゼントの方がいいかな?」

妻がiPadから目を移して僕の方を見た。

「そんな余裕があるの?赤字なのに」

「スーパーマーズは10年に1回なんだからいいじゃないか」

「そうね…。なら久しぶりに実家に帰りたいな」

「今なら7528万光年だもんな。こんな機会は10年に一度だし…。よし分かった」

10年前のスーパーマーズで火星人の彼女と結婚した僕は、妻の実家に初めてお邪魔することになる。「本当にこの冷蔵庫で大丈夫なのね」妻が心配そうに言う。

「大丈夫だろ。真空チルドは最新機だし」さっき引き取ったばかりの冷蔵庫。

「増税延期で助かったわね」

「そうだな。ご両親にお土産買わないとな。何がいいだろう?」

「あなたが一生懸命集めたガラクタ」

「ガラクタはひどいなぁ」

僕たちはスーパーマーズに向けて冷蔵庫型ロケットを打ち上げた。真空チルドの冷気に包まれ眠りにつく中で、火星人のご両親がリサイクルショップ経営者をお婿さんとして認めてくれるように願った。

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