バター不足解消へ 新たに6000トンの輸入決定

ここ数年、店頭での品薄が続いているバターについて、農林水産省はこの夏は気温が高く原料の生乳の生産量が減ることが予想されるとして、新たに6000トンの輸入を決めました。農林水産省では、これによって十分な供給量が確保できるとしています。
バターを巡っては、酪農家の担い手不足による生乳の生産量の減少が続いていることや、鮮度が求められる牛乳や生クリーム向けに生乳の使いみちが優先されることから、ここ数年、店頭での品薄が続いています。
このため、農林水産省はバターの供給量の不足が見込まれる場合は、輸入を増やす措置を取っていて、ことしはすでに7000トンの輸入を決めていました。
しかし、農林水産省によりますと、この夏は全国的に気温が高くなる見込みで、生乳の生産量が当初の予想よりも、さらに減少する可能性があるとして、31日、新たに6000トンの追加輸入を行うことを決めました。
農林水産省では、これによってクリスマスなどで需要が増える年末にかけても、十分な供給量が確保できるとしています。ただ、毎年のようにバターが不足していることから、政府は、その背景として指摘されている全国に10ある生産者団体が生乳の取り引きをほぼ独占する今の制度の抜本的な見直しについて、ことし秋までに結論をまとめることにしています。
一方、農林水産省は一連の熊本地震で、熊本市内にある乳業メーカーの工場の操業が一時、停止した影響で、加糖れん乳の供給量が不足する可能性があるとして、500トンを輸入することを決めました。