神戸山口組傘下の幹部撃たれ死亡 岡山
31日午前9時50分ごろ、岡山市南区豊成2のマンション駐車場で、男性が倒れているのを近くの住民が発見し、110番通報した。男性は病院に運ばれ、約1時間後に死亡が確認された。岡山県警によると、男性は指定暴力団・神戸山口組傘下組織の高木忠幹部(55)で、胸などに数発、拳銃で撃たれたとみられる痕がある。県警は山口組の分裂に絡んだ抗争事件の可能性があるとみて、殺人事件として捜査を始めた。
県警によると、東に向けてオートバイが走り去ったとの目撃情報があり、関連を調べている。周辺で拳銃は見つかっていないという。マンションには高木幹部の自宅があり、警戒の対象だったことから近くに防犯カメラを設置していたといい、映像の解析を進める。
現場はJR岡山駅から南約5キロの住宅や店舗などが密集する一角。近くに幼稚園の送迎バスの停留所もある。
近所に住む男性会社員(51)は「午前9時半過ぎ、『パパーン』という発砲音のような高く軽い音が聞こえた」と話した。近くの会社に勤務する30代男性は「『パン』という音を4回ほど聞いた」と証言した。発砲音を聞いた会社員の女性(48)は「白昼でまさか発砲ではないと思っていたら、パトカーが駆けつけた」と驚いた。
岡山市教委は市立の全小中学校計129校に一斉下校を指示。平常の授業終了後、中学校は部活動を中止、小学校は集団下校するよう伝えた。
国内最大の指定暴力団・山口組(総本部・神戸市灘区)は昨年8月末、直系組長が集団で離脱し、井上邦雄・山健組組長をトップとする神戸山口組(本部・兵庫県淡路市)を結成したことで分裂した。
その後、乱闘や小競り合い、事務所に銃弾が撃ち込まれるなどの対立事案が相次ぎ、警察庁は今年3月、両団体を対立抗争状態にあると認定した。兵庫県公安委員会は4月15日には神戸山口組を、暴力団対策法に基づいて22団体目の指定暴力団とした。
指定後は事件が激減していたが、警察幹部は「銃撃事件が起きた以上、(より規制の厳しい)特定抗争指定暴力団の指定も検討が必要になる」と話した。
警察庁によると、山口組の分裂に絡む抗争の可能性がある事件の死者は、抗争認定後初めて。