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運動会は家族でテントを張る時代に。まるで“野外フェス”に様変わりする学校行事

週刊SPA! 5月22日(日)12時21分配信

 小中学校は運動会シーズンを迎えている。そして最近では、家族でテントを張って場所取りし、その日陰で昼食をとることが当たり前となりつつある。その光景は“野外フェス”のようだ。なぜ、運動会で「家族テント」を張るのだろうか?

 もちろん、こう言われてもピンとこない人が多いだろう。まずはその光景を見てほしい。お笑いコンビ、ザ・ギースの尾関高文氏は21日、運動会の様子を撮影し「最近の小学校の運動会はフェス化してきてびびる」とツイート。その尾関氏のツイートは2000リツイートを超えるなど、大きな反響を呼んだ。

 そして、海外でも人気の女性アイドルユニット・BABYMETALのサポートギタリストを担当する藤岡幹大氏も、長女の運動会に対して同様のコメント。父親世代には、その光景がフジロックなどの“野外フェス”に見えたようだ。

 こうした「家族テント」の背景には、家族あたりの子供の数が少なくなったことや、年々の気温上昇による熱中症対策などが挙げられる。北海道では、今年の5月に2日連続の真夏日となり、運動会に向けて練習をしていた中学生の男女2人が、熱中症の疑いで病院に搬送されるなど、屋外に長時間いることを余儀なくされる運動会での熱中症を防ぐため、テントを張る家族が増えているわけだ。

 また、日中にお弁当を放置しておくと食中毒になる危険性もある。小学校の運動会でテントを張る母親のひとりは「今ではテントは必需品。子供が運動会で暑いなか頑張っているのに、お昼の休憩でも日差しにさらされるのはかわいそう。せめて日陰で休ませてあげさせられたら」とその理由を語ってくれた。

 一方で、学校行事であることをわきまえない迷惑な家族もいるという。通常、設営が簡単で張り綱をとらなくても自立する「ワンタッチタープ」が推奨されるが、人が多く行き来する場所で張り綱を長く取らなくてはいけない「ウイングタープ」を組み立てて、周囲に迷惑をかけてしまう家族もいるようだ。

 都内のある中学校では、200cm×150cmまでとテントの大きさと幅が守るべきルールとして決められており、当然、テントの使用を禁止している学校もある。運動会でテントを張る際には、学校側がテントやタープを張ることを許可しているのか確認することが大切だ。

 関西圏で小学校の教員を務める40代の女性は「組み立てた骨組みが外れてその梁が子供に当たってしまい、頬が切れて出血してしまう恐れもあるので、そういった配慮はなるべく怠らないでほしい」と注意を呼びかけつつ、「テントを張るのはグラウンドの周りではなく、少し離れた場所にスペースを確保して休憩しているので、テント張り自体は迷惑行為ではありません」と補足する。

 これからは子供だけでなく大人も、熱中症や食中毒が急増する季節。時代は変わっていくが、運動会では各々がルールを守って、誰もが気持ちよく過ごせるよう心がけることが大切だ。 <取材・文/北村篤裕>

日刊SPA!

最終更新:5月22日(日)12時47分

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