高城剛について、彼の専門でない「医療」分野を取り上げて批判的な目線を昨日の記事で浴びせたが、誤解を与えないようにこの記事を書く。
高城さんは発想が一つ時代の先をいっている尊敬に足る人だ。こういう人に対して「ぶっとんでいる」という表現があるが、それは「時代を超えている」ということだろう。彼の本が面白いと教えてくれたSTAYMINIMAL (id:kei_ta1211)さんに感謝する。視点の拡張をありがとう。
《目次》
周りに流されない
周りの情報に左右されずに、いかにして、自分と徹底的に向き合うか?深く向き合えば向き合えるほど、目的地へと向かう人生の地図は、より明確なものになる。その時間を、毎日10分持っているかどうかが、とても大事だと思う。
この時代にフリーランスにもかかわらずSNSをやっていない高城さん。この事実だけに焦点をあてると、時代を超えているどころか今の時代も生きられていないように一見みえる。
しかし周りからの情報を極力断って自分の体験しか信じず、内省から考えとモノを創り出す姿は、実はこれから本格的に到来する「個の時代」を先取りしている。こうしてブログに記事を書いたりと発信ツールは増えているが、結局まだ企業の一員として働くゴリゴリの資本主義的なメインストリームから社会は脱していない。彼は脱している例外の1人だ。
農業はクリエイティブ
時代の潮の目を見ることが、クリエイターとしてもっとも大事だからです。どちらかというと、あたらしい農法でおいしい野菜を作ってる人などのほうが、今後の21世紀のクリエイター像に近いのではないでしょうか。
広告はクリエイティブじゃないという流れで、農業の方がクリエイティブだと言っている箇所。そもそも「クリエイティブ」という言葉は「創り出す」ということ。いつから商品の印象操作や、実態の分からない情報分野でイケてる風に仕事をすることがクリエイティブと呼ばれるのようになったのか、不思議でならない。
高城さんはクリエイティブとは感性を信じてアーティスティックに仕事をすることではなく、生活や考え方を常に変化させ続けることだと書いている。こちらが本質ではないだろうか。
自ら体験することが第一
移動距離と真実を見る目は比例するのです。
「移動距離と真実を見る目は比例する」という哲学のもと、今の彼は観光業に本業をシフトしている。具体的には、商業的な旅行会社のパンフレットとは違う、自分が訪れた島の情報誌をつくったりしている。
彼は続けて、嘘を言う必要がなくなるから移動距離と誠実さも比例すると持論を展開する。これは、現場に足を運ぶメーカーの経営者が「現場主義が大事だ」とよく発言する真の理由ともいえるだろう。
他人からの情報を活かさないのはもったいない。しかし、真偽の分からない情報にまみれて真実がいつまでも分からず、知らぬ間に嘘をつき続けている人になったのではつまらない。そんな人に溢れた社会はつまらない。
自分探しとか不安定な理由ではなく、自ら体験することが個の時代を生きる本質だという考え方で、早速どこか行ったことのない場所を訪れてみようと思う。僕は30歳を超えているが、年は関係ない。高城さんも年など関係なく動いている。