この本はもう色んなところで紹介されている名書だろう。
でも、本当に実践的でオススメできる良書なので改めて紹介してみる。
世界中の英語を学ぶ人達に圧倒的に支持されているの参考書がある。それがこの本だ。
English grammer in use
- 作者: Raymond Murphy
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 2012/03
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 6人 クリック: 32回
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「なんだ文法書か、それも洋書!」
もうこの地点でダメだと思った人もいるかもしれない。でも、ちょっと待ってほしい。なぜこの本が英語習得に必要なのかを説明するので、とりあえず読んでみて欲しい。
世界での評判
この参考書は本当に世界中の語学学校で使われている。英語を学ぶ人にとってのバイブルと言える。ホテルの引き出しを開ければ、この本が入っているかもしれない。。。
オーストラリア&ニュージーランド
僕自身は、オーストラリア滞在中にこの本で勉強した。そしてニュージーランドで永住権を取るための英語試験の勉強に使った。海外に出て10年、この本でしか勉強していないことになる。
現地の学生や友人の間でもこの本は有名で、多くの学校で本書が使用されている。どの学校でもこの本を勧めていた。今でもそうだろう。実体験にもとづいていえる、質と知名度においてベストだ。
その評価の高さも、オセアニア2国の話かと当初は思っていたが、そうではない。どうやら全世界的にベストセラーなのだと、あとで知った。以降はネット上の評価。
イギリス
本書は、英国の名門ケンブリッジ大学の出版だ。ちなみにケンブリッジ英語検定という試験があるくらいで、日本では馴染みはないが、TOEICやIELTSと並ぶ世界でも認知度の高い英語検定試験だ。それくらい著名な教育機関から出版されている参考書だ。
もちろん、本国でも評価は高いようだ。
アメリカ
有名な「バイリンガール英会話」でも紹介されている。下の動画の中で紹介しているのは、英字新聞社ジャパンタイムスの編集長だそうで、この人も本書を「ベストセラー」と言っている。本書のアメリカ英語版まで出ているくらいだから、米語圏内でもそうとう有名ということだ。
TOEIC満点の国産バイリンガルが語る英語学習法!「まずは何からすればいいの?!」〔#412〕
その他
上で挙げた主要な英語圏で十分かと思うが、その他の国でも同様に評価は高い。キリがないので興味のある人は個人的にググってほしい。安い語学留学先で今有名なフィリピンの英語学校などでも使用されているようだ。
本書の内容とその支持される理由
日本の文法教育との違い
日本の学校で習う文法は受験のためのもので、実際外国人と話すためのものではない。要するに、習っても実際の会話で使えない。それは、どういうニュアンスで使えばいいのか、この場面で適切な表現は何か、などといった「使い方」の部分を習わないからだ。
一方、English Grammar in Useは実践を目的としているので、「この文法を使うときはネイティブはこういうニュアンスで使う」とか「こういう場面ではこの表現の方が適している」という詳しい説明があるので、習ったものを自信を持って使えるのだ。
この本で学習していると、「なるほどネイティブはこういう感覚でコレを使うのか」と納得しきりになる。本当に実用的だ。
実例1. couldの使い方
実例をあげよう。簡単だがcouldの説明を見てみよう。 couldはcanの過去形、そう学校で習った。
(本文)
We use "could" to say that something is possible now or in the future. The meaning is similar to "might" or "may"
- The story could be true, but I don't think it is.
- I don't know what time Liz is coming. She could get here at any time.
(和訳)
"could"は、過去または現在において何かが可能であることをいう時に使われる。その意味は、"might"や"may"と同じである。
~以下用例略~
本書の中でも、ここで引用した箇所の上でcouldはcanの過去形と書かれている。しかし、その続きがある。訳に示した通り「couldは過去または現在の可能性を表現する場合にも使える」と書かれている。
実際、普段の会話でも、用例のようにcouldは現在形の文でも使われる。
Yeah, that could be true.
は、よく日常で使われる表現。意味は「そうかもねー」くらいの意味だ。確信度としては50%程度なので、よくわからないけど多分という文脈だ。だから、「maybeやmightと同程度の意味」なのだ。
日本で習ったcouldは、こういう場面で使えるとは習わない。だから、日本人は「多分~」という場面でmaybeを連発する。couldを使えればレベルが1つあがる。
実例2. had betterとshouldの違い
もう一例取り上げよう。had betterとshouldの違い。どちらも似たような意だが、ニュアンスが違う。使える場面も違う。それを説明してくれている。
(本文)
"had better" is similar to "should" but not exactly the same. We use "had better" only for a specific situation ( not for things in general ). You can use "should" in all types of situations for give an opinion or give advise.
Also, with "had better", there is always a danger or a problem if you don't follow the advice. "should" only means 'it is a good thing to do'.
- It's a great film. You should go and see it. ( but no problem if you don't )
- The film starts at 8:30. You'd better go now or you'll be late.
(対訳)
"had better"は"should"と似ているが全く同じではない。"had better"は特定の場面でしか使えないが、"should"は意見やアドバイスをするようないかなる場面でも使用できる。
また、"had better"は常に「アドバイスに従わないと、危険または問題が発生する」ような状況で使用する。"should"は単に「こうすればいいよ」という意味となる。
-いい映画だったよ、見に行ったほうがいいよ。(でも、行かなくても問題はない)
-映画8:30からだよ。すぐに出かけないと遅れちゃう。
説明が詳しい。
要するに、"had better"は何かその人にとって、嫌なこと、悪いことが起こりそうなときに助言する場面でしか使えないのだ。「そうしないと、~(嫌なこと)が起こる」と言いたい時に使う表現だ。
ここまで理解していれば、現実でも"should"と"had better"は使い分けられる。
実物を見てもっと中身を知りたい人はサンプルが見れる。
*上の引用は、手元にある10年前に購入した版の内容を記したものである。
エッセンスが一冊にまとまっている
上で述べたような、細かい文法のニュアンスを説明した情報は、1つ1つネットを調べればすぐに見つかる。ただそれらは断片的だ。English Grammar in Useでは、それら全てが1冊に詰まっていて、学ぶ人は全てのエッセンスを網羅的かつ体系的に習得できる。つまりこれ1冊あればいいのだ。
文法じゃなくて、とりあえず喋れるようになりたいという人も
どうだろう。ここまでで本書の良さは伝わっただろうか?
ただいくら良書とはいえ文法書、英語は喋れてなんぼ、使えてなんぼだ。とりあえず喋れるようになりたくて英会話を習っている人もいるだろう。今は、家でスカイプ英会話を使えばネイティブと話せる。スピーキングを優先するのも大事だ。
そういう人に1つ提案する。
本書でインプットを蓄え、英会話レッスンでアウトプットしてほしい。
英会話レッスンも、しばらくすると相手にも慣れ、自分が使える楽な表現ばかりで話して、マンネリになることもある。
スピーキングとの併用で最強の英語習得術
もしあなたが、スカイプ英会話や英会話レッスンに通うほど英語に熱心なら、English Grammar in Useは大きな助けになる。本書で習ったことをネイティブ相手に実践していけば、それはまさに最強の英語習得術かもしれない。
例えば、上で説明したcouldの使い方をネイティブの講師に聞いてみよう。
「本当にこういう使い方する?どういう場合で?」と聞けば答えてくれるだろう。それだけで、あなたはcouldの使い方をマスターできる。使える英語がもう身についている。
あとはもう海外に行っても同じだ。そのまま使える。
最後に
本当の英語力を身に付けるのなら文法は必須だ。
あなたがほんとに使える英語を身につけたいなら、文法の勉強は避けれない。
きっと、この本はその期待に答えてくれる。
- 作者: Raymond Murphy
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 2012/03
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「青」は中級なので、初級レベルから学びたい人は「赤」。
Essential Grammar in Use Edition with Answers and CD-ROM PB Pack (Grammar in Use)
- 作者: Raymond Murphy,Helen Naylor
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 2007/01/25
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上級の「緑」まで到達すれば完璧。
Advanced Grammar in Use With CD ROM
- 作者: Martin Hewings
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 2005/04/28
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