はじめに
タイトルのとおりですが、私が代表をつとめる『東京ピザ倶楽部合同会社』のロゴを決めました。
実際に決まったロゴがこちらになります。
\じゃーん/
(今後フォントの修正などが入る可能性はあります)
方法としては、外注で案を複数募りその中から1つ採用するというコンペ形式です。
その中で色々と気づいたことが多かったので、覚書として残しておこうと思います。
また、同じような境遇の方の参考になれば幸いです。
なお、"そもそもプロダクトならともかく、割と雑に作った会社の企業ロゴなんて必要なの?" という話もあるのですが、この際置いておいて下さい。
クラウドソーシングプラットフォームを活用する
依頼してみる
正直今回は、漠然と『ロゴがほしい』ぐらいの感じでした。
なので、とにかく色々なデザイナーが作った案を1つでも多く見てみたいし、その中で良さそうなやつを選ぼう ということで、『クラウドワークス』で募集してみることにしました。
コチラ(→ https://crowdworks.jp/public/jobs/607068) は実際の弊社ロゴの募集案件ページです。
条件の詳細はリンクをご覧頂くこととして、ポイントとなるのは以下の点です。
- 期間: 2週間
- 金額: 32,400円
- 採用確約: アリ (どれか1つ必ず採用する という約束)
- 用途: ホームページ、パンフレット、資料、広告や名刺にいたるまで、様々
金額は、ロゴだと大体2万〜5万円程度が相場のようでしたので、それも考慮して今回の金額に設定しました。
実績
最終決定したロゴは冒頭でも紹介していますが、その他にも沢山の提案を頂きました。
- 提案人数: 49人
- 提案件数: 76件 (締め切り後の修正依頼も含め、今は80件になっています)
実際は細かい修正なども依頼してその修正版の数も含まれておりますが、それでも数字の上では49人の方が76案出してくださったということで、予想よりも多くの方に興味を持って頂けました。
しかしながら、報酬は最終決定した人のみに全額支払われます。
よって、ロゴを提案する側からすると(数字上)これだけの競争率の中で勝ち抜いてやっと報酬を得られるという、まさに "結果が全て" な厳しい世界といった感じです。
ロゴ採用基準について
クラウドワークスを使って32,400円払ってロゴ作りました!だけでは流石にアレなので、76案のロゴから最後の1つを選んだその流れと理由についても書いておこうと思います。
前置き
まず、以下は私が考える "企業ロゴに求められるもの" です。なお、私は非デザイナー奴なので専門の方々の認識とはズレているかもしれません。
- ある程度の縮小に耐えられること(出来ればfaviconにした時に問題ないレベル)
- 白黒でも視認性に問題がないこと
- その企業のマインドを表現していること(抽象的でも良い)
- 時代に即したものであること
- ロゴの中に情報が多すぎないこと
選択肢を削る
先述の "企業ロゴに求められるもの" について考えるのは1つ後のフェーズになります。
ここではまず、直感的に "違う" と思うものを候補から外します。
ブラッシュアップして良くなりそうなものや、"アリかも" ぐらいに思えるものはこの段階では候補から外しません。
この時点で、76案から6案に絞りました。以下がその6案です。
| 19 |
29 |
45 |
60 |
61 |
65 |
(19番の案を修正したものが最終決定案となりました)
76案あって直感だけで6案まで絞れるというのは、個人的には "ミスマッチが多い" と感じました。
こうしたプラットフォームでは、(特にロゴコンペについては)ある程度ミスマッチが起こるのも自然ではあるとも思いますが、発注側としての反省点がいくつかありましたので後述します。
削った中から選ぶ
さて、ここからが本当に大変でした。どれも直感的には "アリ" なロゴですから、ここから先の取捨選択には明文化された理由が必要になってきます。
ここで初めて、前置きで述べた基準を適用して考えていきます。
先述の6案について、個々に 何故採用したか・何故不採用にしたか ということについては此処では触れないでおきますが、お時間のある方は考えてみてください。
余談ですが、初めは今回決定したロゴよりも別のロゴを採用しようとしていました。
ところが、試しに画像編集ソフトを使って他のIT企業(8社ぐらい)のロゴと並べてみたところ "違和感" に気づき、その原因を突き止め、それをクリア出来るものとして逆転採用されたものが今回のロゴです。
勿論、同業他社のロゴのテイストを合わせる必要もないのですが、あまりのめり込んで考えても視野が狭くなる一方で良いことはありません。一歩引いたところから俯瞰して見た時に気づくこともあると思いますので、お悩みの際は試してみてください。
ちなみに、これが企業のロゴではなく、サービスやアプリのロゴ、お店のロゴとなってくるとまた結果は違ったと思います。
ミスマッチの理由
先述の "ミスマッチ" についても少し触れておこうと思います。
理由
繰り返しますが、76案から6案まで直感で絞れたのは、それ以外の案が明らかに "違うな" と思ったからに他なりません。
言わずもがな、このミスマッチは可能な限り無くしたほうが双方にとって無駄がなく幸せなわけです。
今回、発注側目線での反省点がいくつもありました。以下、それぞれについて懺悔します
- 説明不足
- 自分が本当に欲しいものをわかっていない
- 要らない "ヒント" によるミスリード
説明不足
外注のデザイナーさん達は弊社について一切何も知らない状態から始まります。
それなりの有名企業であったり個人的なつながりでもあればともかく、まして弊社は現状Webサイトすらありませんのでまったくもって謎なわけです。
そんな中手がかりになるのは掲載されている依頼の文章と、クラウドワークスのシステムとして存在する "希望イメージ" のセクションです。
今回の弊社の依頼は、明確なイメージがなく「色々見てみたい」というふわっとした状態での依頼となったため、当然ながら目的とする成果物についての具体的なイメージを伝えることが出来ず、結果としてミスマッチが多くなったと考えています。
せめて、イメージが無いのであれば他の方法でヒントを与える必要がありました。難しいですけどね。
例えば、『◯◯会社やXX会社のロゴと並べた時に違和感がないように』とか、その程度でも無いよりはマシかなと思いました。
自分が本当に欲しいものをわかっていない
色んな現場である話だと思います。
発注側は "本当に必要なもの" を依頼すべきで、一見当たり前のことのようですが、なかなか出来ていないことが多いですね。
先述の "企業ロゴに求められるもの" なんていうのも、デザイナーさんたちの成果物を眺めている中で明確に見えてきたものであって、仕事依頼のところには一言も書いてありません。
これが先にわかっていれば、多少ミスマッチは減ったかなと思います。
要らない "ヒント" によるミスリード
これも大反省です。
今回、依頼文に自分で適当に作ったロゴ(仮)らしきものを参考までに載せました。
私としては、『これはあくまで参考程度に留めてもらって、基本的にはオリジナリティを発揮してもらおう』ぐらいの気持ちで載せてしまったところ、思ったよりこれに引きずられてしまった案が多かったのです。
前段の "自分が本当に欲しいものをわかっていない" とのコンボで、本当に欲しいものではないイメージを強く刷り込んでしまったがためにミスマッチを多く生んでしまったと思っています。
もし、"本当に必要なもの" をわかっている状態で仮ロゴを提示出来たらそれはプラスに働くと思いますが、それが分かっていない状況下ではなにもしないのが得策だったと思います。
"自分が分かっていないということを分かる" というのがいかに大切か思い知らされました。
おわり
長々と書いてしまいましたが、今回クラウドワークスでロゴの発注をしてよかったと思いました。
素敵なロゴを頂いたことに加え、仕事を依頼する際に大切なことをについて改めて考える良い機会となりました。
ご協力いただいたデザイナー様方、本当にありがとうございました。
早速名刺やステッカーやTシャツを作ろうと思います。