News Up パソコン苦手?スマホ世代
幼いころからIT機器に慣れ親しみ「デジタルネイティブ」とも呼ばれる今の若い世代。しかし、ここ数年、スマートフォンの急速な普及でその姿が少し様変わりしてきているようです。文書の作成といった基本的なパソコンの操作が苦手な若者も目立つようになっていると言います。
先月、東京の大学の先生が発したあるつぶやきが、ネット上で広く拡散しました。
「大学新入生のみなさん。『スマホで足りているから、パソコンなど不要』と考えているひとは、社会から脱落するくらいの覚悟でいたほうがよいと思います」
東京工芸大学芸術学部で漫画を教える伊藤剛准教授のツイートです。
伊藤准教授によりますと、それまで全員がパソコンを使える感じだった担当の学生の中に、去年から手書きのレポートをスマートフォンで撮影して画像ファイルを提出するケースなど、パソコンを使えない学生が目立つようになったというのです。危機感を感じた伊藤准教授は昨年度からレポートの提出はワードなどのパソコンファイルに限定することにしました。
パソコンを使えない若者は果たしてどのくらいいるのか。ネット上でツイッターやブログの書き込みを探してみると、「帰り道、電車と歩きながらで必死にスマホで打ってたらレポート1個終わった」とか「キーボードで打つよりスマホで打つ方が速いってことで、最近はレポート全部スマホ。文字数も分かるし、こりゃ便利だ」などといった、達人のようなスマホの使い手の記述が確かに目につきます。
知り合いの大学生に聞いてみると、パソコンが苦手で授業のレポートの作成を主にスマートフォンで行っている友人がいるということで紹介してもらい話を聞きました。都内の有名私立大学に通う2年生で「キーボードのローマ字入力に慣れていないので、スマホのほうが文字入力は速いです。スマホなら電車で移動中もレポートを書けるので効率よく時間が使えます。本も動画もスマホで見ていて、パソコンは持っているけど、ほとんど使いませんね」と話していました。
「大学新入生のみなさん。『スマホで足りているから、パソコンなど不要』と考えているひとは、社会から脱落するくらいの覚悟でいたほうがよいと思います」
東京工芸大学芸術学部で漫画を教える伊藤剛准教授のツイートです。
伊藤准教授によりますと、それまで全員がパソコンを使える感じだった担当の学生の中に、去年から手書きのレポートをスマートフォンで撮影して画像ファイルを提出するケースなど、パソコンを使えない学生が目立つようになったというのです。危機感を感じた伊藤准教授は昨年度からレポートの提出はワードなどのパソコンファイルに限定することにしました。
パソコンを使えない若者は果たしてどのくらいいるのか。ネット上でツイッターやブログの書き込みを探してみると、「帰り道、電車と歩きながらで必死にスマホで打ってたらレポート1個終わった」とか「キーボードで打つよりスマホで打つ方が速いってことで、最近はレポート全部スマホ。文字数も分かるし、こりゃ便利だ」などといった、達人のようなスマホの使い手の記述が確かに目につきます。
知り合いの大学生に聞いてみると、パソコンが苦手で授業のレポートの作成を主にスマートフォンで行っている友人がいるということで紹介してもらい話を聞きました。都内の有名私立大学に通う2年生で「キーボードのローマ字入力に慣れていないので、スマホのほうが文字入力は速いです。スマホなら電車で移動中もレポートを書けるので効率よく時間が使えます。本も動画もスマホで見ていて、パソコンは持っているけど、ほとんど使いませんね」と話していました。
キーボード入力苦手 何事もスマホで簡単に
先月、東京の大学の先生が発したあるつぶやきが、ネット上で広く拡散しました。
「大学新入生のみなさん。『スマホで足りているから、パソコンなど不要』と考えているひとは、社会から脱落するくらいの覚悟でいたほうがよいと思います」
東京工芸大学芸術学部で漫画を教える伊藤剛准教授のツイートです。
伊藤准教授によりますと、それまで全員がパソコンを使える感じだった担当の学生の中に、去年から手書きのレポートをスマートフォンで撮影して画像ファイルを提出するケースなど、パソコンを使えない学生が目立つようになったというのです。危機感を感じた伊藤准教授は昨年度からレポートの提出はワードなどのパソコンファイルに限定することにしました。
パソコンを使えない若者は果たしてどのくらいいるのか。ネット上でツイッターやブログの書き込みを探してみると、「帰り道、電車と歩きながらで必死にスマホで打ってたらレポート1個終わった」とか「キーボードで打つよりスマホで打つ方が速いってことで、最近はレポート全部スマホ。文字数も分かるし、こりゃ便利だ」などといった、達人のようなスマホの使い手の記述が確かに目につきます。
知り合いの大学生に聞いてみると、パソコンが苦手で授業のレポートの作成を主にスマートフォンで行っている友人がいるということで紹介してもらい話を聞きました。都内の有名私立大学に通う2年生で「キーボードのローマ字入力に慣れていないので、スマホのほうが文字入力は速いです。スマホなら電車で移動中もレポートを書けるので効率よく時間が使えます。本も動画もスマホで見ていて、パソコンは持っているけど、ほとんど使いませんね」と話していました。
「大学新入生のみなさん。『スマホで足りているから、パソコンなど不要』と考えているひとは、社会から脱落するくらいの覚悟でいたほうがよいと思います」
東京工芸大学芸術学部で漫画を教える伊藤剛准教授のツイートです。
伊藤准教授によりますと、それまで全員がパソコンを使える感じだった担当の学生の中に、去年から手書きのレポートをスマートフォンで撮影して画像ファイルを提出するケースなど、パソコンを使えない学生が目立つようになったというのです。危機感を感じた伊藤准教授は昨年度からレポートの提出はワードなどのパソコンファイルに限定することにしました。
パソコンを使えない若者は果たしてどのくらいいるのか。ネット上でツイッターやブログの書き込みを探してみると、「帰り道、電車と歩きながらで必死にスマホで打ってたらレポート1個終わった」とか「キーボードで打つよりスマホで打つ方が速いってことで、最近はレポート全部スマホ。文字数も分かるし、こりゃ便利だ」などといった、達人のようなスマホの使い手の記述が確かに目につきます。
知り合いの大学生に聞いてみると、パソコンが苦手で授業のレポートの作成を主にスマートフォンで行っている友人がいるということで紹介してもらい話を聞きました。都内の有名私立大学に通う2年生で「キーボードのローマ字入力に慣れていないので、スマホのほうが文字入力は速いです。スマホなら電車で移動中もレポートを書けるので効率よく時間が使えます。本も動画もスマホで見ていて、パソコンは持っているけど、ほとんど使いませんね」と話していました。
“情報”必修化で基礎的スキルは習得?
学生がどの程度パソコンを使えるのかについて、龍谷大学経営学部の研究グループが2008年度から2013年度まで6年間にわたって、新入生を対象に行った調査があります。
それによりますと、「ドラッグ・ドロップ」「コピー・ペースト」「ファイルの保存」などの簡単なパソコン操作ができると答えた新入生は、いずれの年度でも8割以上に達しています。
また、ワードの操作について、簡単な文書の作成なら、いずれの年度でも7割ほどができると答え、高い割合を維持しています。
ブラインドタッチと呼ばれ、手元を見ずにキーボード入力を行う「タッチタイピング」は4割程度でしたが、割合は増加傾向にありました。
研究グループでは、2003年度から高校でパソコンの基本的な操作方法や、インターネットを利用する際のモラルなどを教える「情報」の授業が必修化されたため、基礎的なスキルは身につけているのではないかと、分析しています。
それによりますと、「ドラッグ・ドロップ」「コピー・ペースト」「ファイルの保存」などの簡単なパソコン操作ができると答えた新入生は、いずれの年度でも8割以上に達しています。
また、ワードの操作について、簡単な文書の作成なら、いずれの年度でも7割ほどができると答え、高い割合を維持しています。
ブラインドタッチと呼ばれ、手元を見ずにキーボード入力を行う「タッチタイピング」は4割程度でしたが、割合は増加傾向にありました。
研究グループでは、2003年度から高校でパソコンの基本的な操作方法や、インターネットを利用する際のモラルなどを教える「情報」の授業が必修化されたため、基礎的なスキルは身につけているのではないかと、分析しています。
スマホの普及で電子メール激減
この調査からは、大学の新入生のパソコンスキルは必ずしも下がっているわけではないと推測されますが、研究グループの調査結果で、とりわけ注目すべきデータがありました。
それは2012年度から2013年度にかけての大きな変化。電子メールの利用の激減です。
1日にパソコンや携帯で電子メールを送受信する本数は、2012年度までは5本以上とした新入生が70%以上を占めていましたが、2013年度には逆に、5本以下しかやり取りしない新入生が62%と過半数を超えていました。
背景にはスマートフォンの急激な普及があります。所有する「携帯端末」を尋ねたところ、2011年度は、79.8%が「従来型の携帯電話」で、「スマートフォン」は、22%でしたが、2012年度にその割合が逆転。2013年度には「スマートフォン」が、95.6%にまで増え、「従来型携帯電話」はわずか6%にまで減りました。
その結果、電子メールに代わって、スマホのアプリで使えるLINEやツイッターなどのSNSによるコミュニケーションが一般的になっていったと考えられます。
ことし大学に入った人たちが、高校一年生になったのが2013年。まさに高校入学と同時にスマホを手に入れたメールをあまり使わない「スマホネイティブ」の世代が、ことし大学に入学したことになり、若者のメール・パソコン離れの傾向は今後、どんどん強まっていく可能性があります。
それは2012年度から2013年度にかけての大きな変化。電子メールの利用の激減です。
1日にパソコンや携帯で電子メールを送受信する本数は、2012年度までは5本以上とした新入生が70%以上を占めていましたが、2013年度には逆に、5本以下しかやり取りしない新入生が62%と過半数を超えていました。
背景にはスマートフォンの急激な普及があります。所有する「携帯端末」を尋ねたところ、2011年度は、79.8%が「従来型の携帯電話」で、「スマートフォン」は、22%でしたが、2012年度にその割合が逆転。2013年度には「スマートフォン」が、95.6%にまで増え、「従来型携帯電話」はわずか6%にまで減りました。
その結果、電子メールに代わって、スマホのアプリで使えるLINEやツイッターなどのSNSによるコミュニケーションが一般的になっていったと考えられます。
ことし大学に入った人たちが、高校一年生になったのが2013年。まさに高校入学と同時にスマホを手に入れたメールをあまり使わない「スマホネイティブ」の世代が、ことし大学に入学したことになり、若者のメール・パソコン離れの傾向は今後、どんどん強まっていく可能性があります。
SNS普及でメールマナー低下も
こうしたなかで、指摘されているのが、新入社員や学生の電子メールのマナーの低下です。企業の社員や学生向けにパソコン研修などを行っている日本ビジネスメール協会の平野友朗代表理事のもとには、若者にメールの書き方を教えてほしいという依頼が数多く寄せられています。
LINEでは、友人どうしで短文のやり取りを小刻みに繰り返すため、名乗ることもなく、いきなり用件を切り出すのが一般的です。
大学の教員からは「学生がメールに件名を付けず、名乗りもせずに送ってくる」という相談、企業からは「新入社員のメールには用件しか書かれていないものが多く、必要な理由や背景が分からず、表現が直接的すぎて不快に感じることがある」といった声が寄せられるということです。
平野さんは、「LINEようにパーソナルなメッセージのやり取りばかりしている人はメールになぜ件名や背景の説明が必要なのか理解できません。パーソナルなメッセージと、公的なメッセージの境界線が分からない若者が増えていると感じます」と指摘しています。
LINEでは、友人どうしで短文のやり取りを小刻みに繰り返すため、名乗ることもなく、いきなり用件を切り出すのが一般的です。
大学の教員からは「学生がメールに件名を付けず、名乗りもせずに送ってくる」という相談、企業からは「新入社員のメールには用件しか書かれていないものが多く、必要な理由や背景が分からず、表現が直接的すぎて不快に感じることがある」といった声が寄せられるということです。
平野さんは、「LINEようにパーソナルなメッセージのやり取りばかりしている人はメールになぜ件名や背景の説明が必要なのか理解できません。パーソナルなメッセージと、公的なメッセージの境界線が分からない若者が増えていると感じます」と指摘しています。
コミュニケーションスキルは相手への想像力から
そのうえで、平野さんが大切だとしているのが相手への思いやりの気持ち、相手との関係性への想像力です。
「電話や対面と違ってメールは返信を受け取るまで相手の反応が分からない分、相手の立場や状況をふだん以上に思いやる気持ちが大切です。メールは時間がたってから返信されることもありますが、返信がなけれれば、電話をかけるなど別の手段でフォローするといった柔軟な対応が必要です。また、公的なビジネスメールは、たくさんの中から選んでもらうという意識を持つことも必要です」
スマホという極めてパーソナルなデバイス、メディアを駆使する「スマホネイティブ」の世代。IT技術によって、これからもさまざまな新しいコミュニケーションの手段が生み出されていくことが、予想されますが、本物のコミュニケーションスキルは、他人や社会に対する想像力によって培われることは、これからも変わりがないのではないでしょうか。
「電話や対面と違ってメールは返信を受け取るまで相手の反応が分からない分、相手の立場や状況をふだん以上に思いやる気持ちが大切です。メールは時間がたってから返信されることもありますが、返信がなけれれば、電話をかけるなど別の手段でフォローするといった柔軟な対応が必要です。また、公的なビジネスメールは、たくさんの中から選んでもらうという意識を持つことも必要です」
スマホという極めてパーソナルなデバイス、メディアを駆使する「スマホネイティブ」の世代。IT技術によって、これからもさまざまな新しいコミュニケーションの手段が生み出されていくことが、予想されますが、本物のコミュニケーションスキルは、他人や社会に対する想像力によって培われることは、これからも変わりがないのではないでしょうか。