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考えたこと、感じたこと

「言葉の配置」と「テンの打ち方」がわかればすっきり!わかりやすい!文章が書ける 高橋俊一 感想

ブロガーになってから私は、日本語表記を気にするようになりました。もう少し簡潔に、もう少しわかりやすく。大学で表記は嫌という程チェックしましたが、文章という点では一緒でも学術論文の体裁とブログの体裁とは大きく違いますから。
口語と文語の違いだけではなくて、多くの人にわかりやすいであろう日本語を書きたい。しかし書けない。そんな時にブックオフで見つけたのがこの本です。200円でした(笑)

 

「言葉の配置と「テンの打ち方」がわかればすっきり!わかりやすい!文章が書ける
高橋俊一 すばる舎 2011年12月

www.amazon.co.jp

 

例えば、

パリーグの野球は、日本ハムダルビッシュ楽天の田中両選手の活躍で、プロ野球最盛期の活気を取り戻したことにより、全国の野球ファン、とりわけ全国の青少年に大きな夢を与えた。

主語がパリーグで、述語が与えた。主述が離れていることで、歯切れの悪い文章になっていると指摘。その上で、

パリーグの野球は、全国の野球ファンとりわけ全国の青少年に大きな夢を与えた。日本ハムダルビッシュ楽天の田中両選手の活躍で、プロ野球最盛期の活気を取り戻したからだ。

主述を一致させるために2文に分ける。文章を短く、簡潔にし、更正しています。

これらは基本的なことですが、独力で直すのは難しい。かといって、他人からの採点や更正を受ける機会はほとんどない。そんな人は、本著の訂正例を見た方が、簡単です。わかりやすい文例がたくさん載っています。

ただし、著者は元新聞記者ですので、分野を超えてまで全てを間に受けてはいけません。本文に、主張は「◯◯だ」とすると説得力が高いとあります。私もかつてそのように習いました。

が、例えば、科学的な知見では◯◯だ!なんて言い切れることはほとんどありません。特に最新の理論に基づく知見でも、多義的に解釈できることが多々あります。それを無視して、◯◯だ!と言い切る形にしたら、逆に論文や執筆者の正確性が疑われるからです。これを踏まえて書かないと、筆者の資質を疑われます。
よく新聞記者やテレビのレポーターが、科学者に断言させる言質を取りたがる、それに科学者が抵抗するのもそのためでしょう。

もっとも、わかりやすい文章の基本は、共通するところがあるはずです。そうした部分に関しては非常に有効だと思います。目次をコピーしてチェックリストのように貼って普段から目を通しておくといいかもしれません。

 

どんな人にオススメか

自分の書く文章を洗練させたい方にオススメです。ブロガー、ビジネスパーソン、小中学生等。薄い本なのでさくっと読めますから、すぐに技術を身に着けたい、時間のない方にもオススメできます。

一方で、独自の専門分野や企業文化をもつような人は、その種の専門家の本を読むか、併読した方がいいでしょう。

この本自体は、フォント、分量、文章共に読みやすくとても良いと思います。ですが、それ故に、定価1300円はちと高い。ベストセラーになっているような作文関連の書籍と比較すると、情報量が少ない。となると、教材に指定されている等の必要に迫られている人しか買わないでしょう。文庫版にして、文例を増やし大幅加筆したり、どなたかの書いた作文や記事を全面的に直したりしてあるようなところが見たかったですね。

私はブックオフで買ったので大満足でした。