ニュース
» 2016年05月17日 07時22分 UPDATE

「まさか寺までブラック化」元料理長349日連続勤務 (1/4)

世界遺産・仁和寺(京都市)で、現代社会の“暗部”を象徴する騒動が起こった。それは……。

[産経新聞]
産経新聞

 世界遺産・仁和寺(にんなじ、京都市右京区)で、現代社会の“暗部”を象徴する騒動が起こった。仁和寺が運営する食堂の元料理長の男性(58)が、長時間労働を強いられ「抑うつ神経症」を発症したとして、寺に慰謝料などを求めた訴訟の判決が4月、京都地裁で言い渡された。訴訟で明らかになったのは、349日連続勤務や1カ月の時間外労働が最長約240時間といった過酷を極める労働環境だった。地裁は「尋常でない過酷業務」と批判し、寺に約4200万円の支払いを命じた。労働環境が劣悪で労働者を使い捨てにする「ブラック企業」をめぐる問題は、政府も近年、対策に乗り出すなど社会的な関心が高まっている。今回の判決が報じられると、インターネット上では「まさか寺までブラック化するとは……」などと驚きの声が上がった。

抑うつ神経症を発症

 男性は平成16(2004)年2月に仁和寺に雇用され、寺が運営する宿泊施設「御室(おむろ)会館」で、レストランや宿泊客用に提供する料理の調理などを担当。17年4月に料理長を任されたが、24年8月に抑うつ神経症と診断され休職した。

 25年7月には労災認定され、現在も後遺症が出るという。

 御室会館は寺の宿泊・研修施設。宿坊機能のほか、食事、宴会、展示会、合宿、会議など多目的に利用できる。ホームページによると、1泊2食で9800円で宿泊できる。

 ここで調理を担当していた男性を、ここまで追い込んだ激務とはどんなものだったのか。抑うつ神経症と診断される直前の勤務状況を、判決で認定された事実でたどると――。

世界遺産に登録されている仁和寺。吉田兼好が「徒然草」で仁和寺のエピソードを紹介したことでも知られる。宿泊施設元料理長の?過酷業務?をめぐる裁判がクローズアップされ、インターネット上では批判の声が上がった
       1|2|3|4 次のページへ

copyright (c) 2016 Sankei Digital All rights reserved.

Loading

注目のテーマ