先日、「星座の並びを元にマヤ文明の都市が発見された」というセンセーショナルな報道が世界中を驚かせた。ところが、この報道を目にした専門家からは疑問の声が続出している。

パリ第1大学で教鞭を執る人類学者のEric Taladoire教授は、「私たちはこの地域で20年間にわたって調査を行っており、スロヴェニアの研究者チームがジャングルをしらみつぶしに探しましたが、何も発見されていません」として、今回の発見に疑問を呈した。

現地で5年間に渡って調査を行ったスロヴェニアの考古学者のIvan Šprajc博士は、マヤ文明では天文学は発達していたことに言及しながらも、「マヤの星座はほとんど明らかになっていませんし、明らかになっているものについても、それがいくつなのか、それぞれの星座が正確に何個の星で構成されていたのかを知るすべはありません。ゆえに星とマヤ都市の位置とが対応しているかどうか確かめるのは不可能です。マヤの居住地に影響を与えた環境的要因はいくつか明らかになっていますが、それに星が関係していた可能性は極めて低いと言えます」とコメントした。

なお、当初マヤ文明の都市の配置に対応するとされていた星の配列には現在普及している西洋の星座も含まれており、また向きや縮尺も変えられていたことが明らかになっている。

古代マヤ文明を専門とする人類学者のThomas Garrison博士は、発見された都市の衛星写真とされた画像に対して、「特徴的な長方形とその内部の植生は「ミルパ」の痕跡であるサインです。おそらく10~15年間に渡って耕作が行われていないのではないでしょうか」として疑問を呈した。「ミルパ」とはメキシコの伝統的な農園のことだ。