人が死ななくても、ミステリー小説は面白い。
加納朋子さん
推理小説の加納朋子さん。
日常の謎を解くストーリーが特徴的で、ファンタジー感のある作品が多い。後味は柔らかくほっこりする。短編集での伏線が回収され大きな謎につながるものの多いので、構築感のある印象のミステリー。
旦那さんも推理作家の貫井徳郎さんで、お子さんもいます。映画化されたトワイライトを聞いたことがある方もいるのでは?
加納朋子さんのオススメ【月曜日の水玉模様】
主人公はごく普通のOL。血なまぐさい作品とは無縁の、日常の謎を解いていく穏やかな作品。
いつもと同じ時間、同じ電車、同じ車両の、同じつり革につかまって、一週間が始まる・・・なんて思っている人に、ぜひ。
恩田陸さん
http://renote.jp/articles/4299
「ノスタルジアの魔術師」と別名を持つ恩田陸さん。その名の通り、郷愁的な情景を描くのが巧みです。ファンタジー、ミステリー、ホラー、SF、青春小説など幅広いジャンルの作品を生んでいますが、ミステリーとノスタルジアの組み合わせは癖になります。
恩田陸さんのオススメ【六番目の小夜子】
著者のデビュー作。もはや伝説と呼ばれている。超美少女の転校生「津村沙世子」が、卑猥なヤンキーやイヤミな秀才君を成敗する学園ロマンス。
映画化されてますが、幼き日の栗山千秋さんや山田孝之さんにキュンキュンします。
何度 見ても面白い『#六番目の小夜子』
— (ㅁㅏ ・ω・ ㅁㅣ) ʚ♡ɞ (@100per_hiiragi) November 14, 2015
しかも、皆さん若い😂👏👏 pic.twitter.com/1ITQejIFrw
#六番目の小夜子
— みお@米領 (@commni) December 20, 2015
あ、あれ、この頃の山田孝之可愛い過ぎない ? 今見るとこのドラマキャスト豪華 pic.twitter.com/qjkWnEBfP1
米澤穂信さん
http://mainichi.jp/graph/2014/12/10/20141210ddm008070065000c/001.html
インシテミルのイメージが強い人が多いんじゃないかと思う。わたしも米澤穂信さんを知ったのはインシテミルで、今でもすごく好きな作品。
でも他にも多くの著書を書き、受賞歴も持っている米澤穂信さん。地味っていう声もあったみたいだけれど、あえてシンプルな日常の謎を扱っているからこそ、キレイな文章と緻密なキャラクター設定が光っている。初期の作品はそんな色が強い。
米澤穂信さんのオススメ【春期限定いちごタルト事件】
氷菓をあげるべきか迷ったんですけど・・・、あえて小市民シリーズをオススメします。(氷菓はアニメもよかったですよね)
春期限定いちごタルト事件は推理好きで苦い経験をした男子高校生と、同じ経験をもつ女子高校生の探偵コンビによって進められる。ふたりは小市民として過ごすことを誓うが、彼らの高校生活は謎に溢れその希望は儚く散る・・・?甘いものと復習が大好きなヒロインと、テンポのイイ会話が楽しい青春ミステリー。
この後はトロピカルパフェ事件、栗きんとん事件と続きますから、お腹いっぱいになりますね☆
北村薫さん
http://www.asahi.com/topics/word/%E5%8C%97%E6%9D%91%E8%96%AB.html
鷺と雪で、第141回直木賞を受賞した北村薫さん。心が温まるミステリーを書く作家さんです。
エッセイとして書かれているミステリ論がすてきなことと、前職は春日部高校の国語教師ということで、わたしが世界一国語の授業を受けたい方です!
北村薫さんのオススメ【空を飛ぶ馬・円紫さんシリーズ】
主人公は、大学で日本文学を学ぶ《私》。ひょんなことから落語家・春桜亭円紫と知り合い、彼の合理的な説明を受けるところから話が始まる。その後も《私》の身の回りで起こる日常の謎を春桜亭円紫が解いていくんですが、とにかく登場人物が皆いい人なんです。謎を解くことは疑うことと表裏一体で、名探偵っていう強烈な善は悪がいてなりたつ・・・そんなわたしの価値観を翻してくれた作品。
その人物像が生き生きとしているからこそストーリーが鮮明で、作中で時間の流れや季節の移り変わりを感じる。時間の経過を描けるのは、本当に巧みな作家さんだけだと思う。
まとめ。
ミステリー小説が好き。
でも、1日1冊読んでいると1日1~4人は死んでしまうし、好きな登場人物がいなくなったときはえも言われぬ喪失感を味わう。(それが良い時もある。マゾヒスト的な?)
人が死ななくてもミステリー小説は面白いし、名探偵は近くにいてほしい。