自分の力だけで乗り越えられそうにない問題に直面しても、弛まず歩いていくことの大事さを教えてくれるのが本書です。強くお奨めしたい一冊です。
この『18歳のビッグバン』では、言葉の強さ弱さよりも、たどたどしさの中にある伝えるべきことの率直さ、文字の運びの美しさが光る感じですが、一方で、何らかのハンディキャップを抱えて生きる人が生きていくうえでの等身大であり続けることのむつかしさもまた、垣間見せるわけですね。
何かにもやもやしている人ほど、この本の訴えかけるものから感じ取れるエネルギーは大きいのではないでしょうか。
一口に「障害を抱えて生きる」といっても、人によって千差万別であるし、受け止め方もかなり異なる世界の話ですし、本書は必ずしも読者に共感してほしい、泣いてほしいという感じではなく、淡々と問題を受け止め、自分なりに解決していくさまを読ませる内容になっています。「どうにもならない問題を抱えたとき、人はどう立ち向かうのか」という、かなりストレートな著者の心情が記されていて、こちらも感情を揺さぶられます。
ただ、それ以上に、いま健康に暮らしていると思っている私たち自身の心の中にある滓(おり)のような漠然とした不安を剥き出しにするでしょう。人としての尊厳を保つ、直面した問題を解決する、行動をするために自分の心を奮い立たせる、すべては心の働きであり、必ずしも抱えた障害ではないことが分かります。
不安の正体とは、実は自分が持つ感情の歪みにあるものであって、18歳の著者を襲った問題は、必ずしも本質ではなくて、むしろ心を投影する客体に過ぎなかったとも言えます。また、私たちが生きていく中で感じる不安や、取り組むべき問題もまた、自分の内面の映し鏡に過ぎないことを悟らされるわけであります。
自分の外側で何かが起きて、失望することの恐ろしさ、心から沸き立つ不安に潰されて行動しないことの怖さといった、 億劫な自分の背中を自分で押すために、この本で描かれたまっすぐな著者の心を照らしてみると、いろんな気づきがあるのではと思える一冊です。
扱うテーマの割りに、著者の若き悩みに触れられるモゾモゾ感もまた、素敵です。はい。
この『18歳のビッグバン』では、言葉の強さ弱さよりも、たどたどしさの中にある伝えるべきことの率直さ、文字の運びの美しさが光る感じですが、一方で、何らかのハンディキャップを抱えて生きる人が生きていくうえでの等身大であり続けることのむつかしさもまた、垣間見せるわけですね。
何かにもやもやしている人ほど、この本の訴えかけるものから感じ取れるエネルギーは大きいのではないでしょうか。
18歳のビッグバン [ 小林春彦 ] |
ただ、それ以上に、いま健康に暮らしていると思っている私たち自身の心の中にある滓(おり)のような漠然とした不安を剥き出しにするでしょう。人としての尊厳を保つ、直面した問題を解決する、行動をするために自分の心を奮い立たせる、すべては心の働きであり、必ずしも抱えた障害ではないことが分かります。
不安の正体とは、実は自分が持つ感情の歪みにあるものであって、18歳の著者を襲った問題は、必ずしも本質ではなくて、むしろ心を投影する客体に過ぎなかったとも言えます。また、私たちが生きていく中で感じる不安や、取り組むべき問題もまた、自分の内面の映し鏡に過ぎないことを悟らされるわけであります。
自分の外側で何かが起きて、失望することの恐ろしさ、心から沸き立つ不安に潰されて行動しないことの怖さといった、 億劫な自分の背中を自分で押すために、この本で描かれたまっすぐな著者の心を照らしてみると、いろんな気づきがあるのではと思える一冊です。
扱うテーマの割りに、著者の若き悩みに触れられるモゾモゾ感もまた、素敵です。はい。
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