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修学旅行3万人超中止…長崎・鹿児島の判明分

普段は修学旅行生用の大型バスが並ぶ長崎原爆資料館の駐車場も閑散としている=長崎市平野町で2016年5月9日午後1時31分、大平明日香撮影

 熊本地震発生後、シーズンを迎えている修学旅行の宿泊のキャンセルや延期が九州各地で相次いでいる。「危険」とのイメージが広がっていることなどが原因とみられ、被害がほとんどなかった長崎、鹿児島で、判明分だけでも延べ約3万8500人分が取り消された。各県の担当者は余震が続き終息の見通しがつかない中、「安全性をアピールして呼び込みを図りたい」と苦心している。

 九州ではこのシーズン、平和教育や農業体験などを目当てにした関西や中国地方からの修学旅行が多い。しかし、4月14日の地震発生後、長崎県では県観光連盟に加盟する107の宿泊施設で5月2日現在、延べ約3万人分のキャンセルが出ている。県の観光担当者は「九州は危険というイメージが先行しているようだ」と話す。

 被爆者を派遣している長崎平和推進協会によると、地震以降、修学旅行生向けの講話のキャンセルや延期は6月分までで約140件(4月28日現在)に上る。

鹿児島県も知覧特攻平和会館(南九州市)や明治維新にちなんだ史跡で人気だが、関西の中学校など54校8451人分の宿泊が取り消された。

 福岡県の九州国立博物館(太宰府市)も地震以降、修学旅行の団体予約が10件1219人分キャンセルされている。

 大手旅行会社の団体旅行担当者は「親や学校から『九州は危ないのではないか』と声があり、延期や行き先の変更はやむを得ない」と話す。九州観光推進機構(福岡市)の村岡修治副本部長は「旅行会社への商談会などを通じて正確な情報を発信し、風評被害が広がらないようにしていきたい」と話している。【浅野翔太郎、大平明日香、田中韻】

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