世界一おしゃれな「サプール」に、2016年のファッショントレンドについて聞いてきた

2016/5/9 17:00 ネタりかコンテンツ部

世界一ファッションにお金をかける紳士「サプール」に、ファッションについて聞いてきました! 世界一ファッションにお金をかける紳士「サプール」に、ファッションについて聞いてきました!

みなさんはサプールをご存じだろうか?

 

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コンゴ共和国で、平日は普通に働き、貧しい収入のほとんどを洋服に費やし、週末になるとハイブランドのスーツを着こなして町を闊歩する集団。それがサプールである。

彼らは地元で羨望と尊敬を集めるだけでなく、近年は他国のテレビや出版物などでも取り上げられている。かの有名なファッションブランド「ポール・スミス」にも影響を与えるほど、ワールドワイドに知られるようになったのだ。

 

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2016年3月に発売された写真集「THE SAPEUR コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン」(オークラ出版)。Yahoo!ショッピングからも購入できる。

 

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そんなサプールの一人、ムイエンゴ・ダニエルさん(通称:セヴラン)が4月、サプールをテーマにした写真展に参加するため初来日。東京・青山の靴磨き専門店「Brift H」にやって来たところを取材することができた。

 

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「Brift H」代表・長谷川裕也さん

 

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持ち時間15分という限られた時間だが、ファッションについてあれこれ聞いてみることになった。

 

宇内
「ライターの宇内と申します。セヴランさん、日本へようこそいらっしゃいました。滞在は何日目ですか?」

セヴラン
「今日でちょうど1週間くらいですね」

宇内
「東京の街を歩いてみて、何か感じたことはありますか?」

セヴラン
「日本人はオシャレですね。みんなセンスが良くてビックリしました」

 

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宇内
「渋谷にも足を運ばれていましたよね。渋谷の若者のファッションはいかがでしたか?」

セヴラン
「若者のファッションを見てすぐにわかりました。『ここがファッションの先端の地なんだ』と」

宇内
「渋谷はオシャレな若者が集まる場所なんですよ」

セヴラン
「でも、日本人はヴィヴィットな色合いの服を着ないんですね。黒とかグレーとか、暗い色が多いと感じました。あと、アクセサリーが足りないですね」

宇内
「たとえば、どういうアクセサリーを取り入れるといいですか?」

 

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セヴラン
「ピンブローチとか、ハンカチとか、こういう遊び心を取り入れたほうがいいと思います」

宇内
「なるほど。たしかにそういうワンポイントがあると、オシャレの上級者って感じがしますよね」

セヴラン
「サプールにとっては、パイプや杖といった小物も大切なファッションの一部です。こういう小物は料理における調味料みたいなものだから、それがないと味気ないファッションになってしまいます」

 

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宇内
「なるほど。じゃあ今日の僕のファッションは、ほぼ無味ですね」

セヴラン
「失礼ですが、あなたのその格好では家に閉じこもるしかないですね(笑)」

宇内
「確かにこの格好は地味すぎますよね……。今後は自分のファッションを見直します! ちなみに、セヴランさんの今日のファッションのポイントは?」

セヴラン
「黒のスーツに赤のストライプが入っているでしょう。これは、地元サッカーチームのカラーを意識しています」

宇内
「ちゃんとテーマがあるんですね。母国への愛も感じられて素晴らしいと思います」

 

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宇内
「サプールには、ファッショントレンドはありますか?」

セヴラン
「トレンドは特にありません。いつの時代でも着られる服を選んでいますから。サプールのファッションのコンセプトは『循環』。今日着た服は、明日は着ない。でも、明後日は着られる。そういう循環を大事にしています」

宇内
「モノを大事にすることにも繋って、とてもいいですね。ちなみに日本では、今年のファッショントレンドの1つとして『タッキー』(=悪趣味)というのがあって、『ちょいダサ』なものをあえて遊び心として取り入れるのが流行っているらしいです」

セヴラン
「今年は流行で悪趣味な服を着られても、来年はきっとおかしくなるでしょう。それはサプールの『循環』のコンセプトには合いません。どのくらい悪趣味なのか見てみたいですね」

宇内
「実は、今日このシャツの下に悪趣味な服を着ているのですが、ファッションチェックしていただけますか?」

セヴラン
「もちろんです。それを見れば、2016年のトレンドがわかるってことですね?」

宇内
「はい。ぜひセヴランさんに見ていただきたいんです。悪趣味なものを着るというトレンドを聞いた時に『そのトレンド、大丈夫なのか?』と不安になりまして……。だって、悪趣味とおしゃれって対極にある気がするじゃないですか」

 

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宇内
「世界一オシャレに真剣なサプールの一人であるセヴランさんに、率直な意見を聞かせていただきたいんです。自宅の押し入れに眠っていた、いちばん悪趣味な服です!」

 

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セヴラン
「タイガー?」

宇内
「Yes」

 

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宇内
「ファッションチェックをお願いします」

 

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セヴラン
「カジュアルですね。家で着るのにちょうどいい!」

宇内
「それは遠回しに『外には出るのはやめておけ』って言ってますよね?」

セヴラン
「(笑)。今年のトレンドがよくわかりました。ありがとうございます」

 

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宇内
「持ち時間が迫ってまいりましたので、最後の質問です。日本には20歳を祝う成人式という文化があります。近年、その成人式で奇抜なファッションをする若者がいて、ニュースで度々取り上げられています。パソコンでお見せしますね」

 

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宇内
「こういうド派手で奇抜な格好で成人式に現れるんです。これを見てどう思いますか?」

セヴラン
感動しました。これが日本の伝統的な服装なんですね? 実は和服にはとても興味があるんです。値段も気になりますね」

宇内
「感動しましたか!? これは伝統的というよりは個性的な部類に入るんですが……。ちなみに、成人式でよく見られる女性の服装はきらびやかで良いですよ。こんな感じ」

 

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セヴラン
「ビビッドでとてもいいですね。日本にいる間に、実際に和服を見てみたかったです」

宇内
「また日本にいらした際は、ぜひ和服姿の若者をご覧になってください。さて、もっと聞きたいことがたくさんあったのですが、お別れの時間が来てしまいました」

セヴラン
「惜しいですね。他にもいろんな話がしたかったです」

 

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インタビューを終えてみて、短い時間ではあったがサプールのファッションへのこだわりや愛を肌で感じることができた。とにかく、セヴランさんのスタイルや動作すべてがカッコよすぎる!

「30過ぎた男は、白かネイビーで落ち着いた男を演出すべし」みたいなコピーを真に受けて、白かネイビーの服しか着ない僕としては、とても刺激的で、ファッションについて考えさせられる時間だった。

今後はセヴランさんを見習って、ヴィヴィットな色合いと小物を取り入れて、オシャレ上級者に近づいてみたい。

 

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ちなみに、下にも牛柄のパンツを仕込んでいたのだが、緊張のあまりセヴランさんに見せるのをすっかり忘れていた。

見せなくて正解だったのかもしれない。

 

<取材協力>
Brift H
住所:東京都港区南青山6-3-11 PAN南青山204
電話:03-3797-0373
営業時間:12:00〜20:00
定休日:火曜日
ホームページ:http://brift-h.com/

<撮影>
藤原葉子

 

宇内

宇内 一童(Twitter:@EinsWappa)

コンテンツメーカー「ノオト」(外部サイト)所属のライター・編集者。平日毎日更新のお馬鹿サイト「オモコロ」(外部サイト)で活動中。気さくな人柄。

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