欠陥エアバッグ問題に揺れるタカタが米当局と大規模な追加リコール(回収・無償修理)で合意した。実施済みの2880万個と合わせ、対象数は最大6880万個になる。日本を含む各国は米当局の判断に倣うとみられ、リコール範囲の拡大には終わりが見えてきた。今後の焦点はリコール費用の負担交渉に移る。
同社は「(リコールの)滞りない実施に向け、最大限の努力と協力をする」とのコメントを6日発表。ただ「規模の大きさから交換部品の準備が非常に厳しく、車メーカーなどを交えた協議の場で調整を図る」という。
同社は外部の弁護士らで組織する第三者委員会を通じ、車メーカーや金融機関と費用負担の交渉を始めている。米当局が当面のリコール範囲を示したことで、これまで見通せなかった全世界でのリコール費用の総額が計算できるようになった。
米ジェフリーズ証券によると2月までに国内外の車メーカーが引き当てたリコール費用の総額は約6080億円。今回の米当局の基準に沿って各国当局が追加リコールを実施した場合、総額で1兆円を上回る見通し。
3メガバンクなど金融機関によるタカタへの融資残高は昨年9月末時点で560億円とされ「大部分は引き当て済み」(ある大手銀行幹部)。タカタの第三者委は今年8月をメドに負担交渉を決着させたい考えだ。