甲鉄城のカバネリ 第4話 「流る血潮」の感想です。
甲鉄城は夜明けのトンネルを抜け。
生駒と無名はカバネ群らがる前方へと猛ダッシュ。
エールの叫びをあげる逞生に感動しました。
「生駒ぁっ! 頑張れぇっ!」
心臓がブルブルっとくるような、GW明けドン底のテンションを吹き飛ばすストレ―トな逞生の叫びでした。
猛ダッシュに劇判がスタートし、来栖は武士の刀をとり、無名は宙を舞い、菖蒲(あやめ)は己の血を分け与え、生駒はワザトリにトドメを ―
「甲鉄城のカバネリ」の第4話、とっても良かったです。
いやぁ朝から泣いたわ。熱い回でしたねー
申し訳ないですけど明日も仕事であまり時間が取れない。
以下、ざっとつくった記事になります。
大谷吉継と石田三成の友情を連想した
仕事が昼休みになり。
逞生の叫びに感動した理由は何だろう?と考えていました。これと似たような雰囲気に以前感動したことがあるような?
頭にパッと浮かんだのは、戦国時代末期の武将「大谷吉継」(おおたによしつぐ)でした。
逞生が変わらずに持つ生駒に対する友情は、大谷吉継と石田三成の友情にどこか似ているかなと。両者はともに関ヶ原の合戦(1600年)において命を落とす武将で、大谷吉継はハンセン病を患っていた武将でした。
ハンセン病患者の画像はこんな感じです ↓
wiki-ハンセン病より
大谷吉継が石田三成に友情を感じ始める有名なエピソードをwikiから引用すると。
天正15年(1587年)、大坂城で開かれた茶会において、招かれた豊臣諸将は茶碗に入った茶を1口ずつ飲んで次の者へ回していった。この時、吉継が口をつけた茶碗は誰もが嫌い、後の者達は病気の感染を恐れて飲むふりをするだけであったが、三成だけ普段と変わりなくその茶を飲み気軽に話しかけてきた。その事に感激した吉継は、関ヶ原において共に決起する決意をしたとされる*1。
(wiki-大谷吉継より)
どこかふた組が似てると思った理由について考えてみると。
- 感染(ハンセン病、カバネ化)に対する恐怖心の克服
- 周囲の空気(生駒や無名に対する仕打ち、三成に対する反感)に流されず自分の友情を貫徹
そのあたりが似ているのかなと思いました。
感染への恐怖を抑え、カバネという敵があふれ周囲もカバネリ排斥に動くなか、逞生は「がんばれ!」と生駒の背中に声を荒げる。
感動の理由はそのあたりになるのかなと。
2話の逞生も何とか生駒を助けようと動いてましたよね。
多少こじつけかもしれませんが、昨夜は大河ドラマ「真田丸」の録画を見ていました。
さらに菖蒲の血、大谷吉継の膿と、“体液”の絡むあたりも彼を連想させた理由かもしれないです(膿については出典不明なので注釈で記事末尾に引用)
あれっ
そうすると逞生は石田三成になっちゃうのか?
まぁ細かい事は気にするな
最後は菖蒲と来栖を筆頭に。
血の提供に挙手をした鰍(かじか)、侑那(ゆきな)、巣刈(すかり)、吉備土(きびと)など。
彼らは逞生(たくみ)と合わせて、空気読まない人たち。いい意味でそう言えるんじゃないかって気がします。またその空気感(生駒や無名に対する排斥運動)をつくり出してきたのが脚本的にうまかったなと。
穴とジャンプによる縦の描写
第4話で次の印象点はこれかなぁ。
自決袋の使用により、側面にも天井面にも大きな穴が開いた甲鉄城。その穴には背景が流れ、天井の無名はカバネを踏み台に大ジャンプ。おかげで、バトルシーンは背景にも見ごたえがありました。
以下、画像を連続で貼ってみます。空がきれいでしたね。
一回目の視聴時は、甲鉄城側面にまで大穴を空ける自決袋の威力がすげぇ!と思ったのですが。もう一度見ると、自決する武士が陣取った背後の樽には、ちゃんと「火薬」って書いてあったんですね。火薬を置いた意図はもちろん、壁に大きな穴を開けさせるためでしょう。おかげで大穴から見える背景にも視聴の楽しみがありました。
第4話は “横” 方向に進行する列車でのバトルでしたが、無名の大ジャンプ、ナメてとらえる菖蒲と生駒、ワザトリバトルに上から登場する生駒と、横方向だけでなく。
“縦” 方向構図の空が目に新鮮
そんな事を感じるバトルシーンでした。
その他のこと3点
上記以外から3点ほどあげてみます。
「人血」によってパワーアップしたカバネリの生駒。
カバネリ歴が生駒より長い無名は、栄養補給用に携帯用人血みたいなのを所持してこれまで戦ってきたのでは?と思っていたのですが…… 人血は保存がきかず、その場その場で供給してもらうのが必須、となりそうですね。
カバネ化進行を食い止めるには、気合も大事のようで。
元ツイートを張れず恐縮ですが、荒木監督の絵コンテに「カバネウイスルがこりゃたまらんと生駒から退散するように描写」のような指示が書いてあるツイートを先日見ました。第1話で生駒がカバネ化を阻止した理由には、気合や気概の要素も大きかったようです。
専用作画スタッフによってメイクアップされてる無名ちゃん(彼女だけではないのですが)。第4話で気に入った場面の画像を4枚ほどはってみます。
さらに無名ちゃんに負けじと。菖蒲も体を張ってきました。
キワドかったですね。ドキッとしました。
最後に
ということで甲鉄城のカバネリの第4話。
個人的にはこれまでの中で一番感情を揺り動かされるエピソードでした。
おかげで寝不足な連休明けでも、仕事を乗り切ることが出来たです。
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用語とキャラクター
「甲鉄城のカバネリ」に登場するおもな用語とキャラクターについて手短かにまとめたものです。
用語
- 「日ノ本」(ひのもと)
作品舞台の島国の名前。関ヶ原合戦に西軍が勝利し、西国大名が幕府を開いたようなもの。 - 「駅」(えき)
西欧でのカバネ発生を知り、将軍が要塞化させた各地の重要拠点のこと。 - 「駿城」(はやじろ)
「駅」を行き来する装甲機関車のこと。 - 「甲鉄城」(こうてつじょう)
駿城のひとつ。 - 「顕金駅」(あらがねえき)
主人公、生駒(いこま)たちが最初に暮らしていた駅。重工業をなりわいとし、駿城の多くはこの顕金駅で生産、整備される。 - 「金剛閣」(こんごうかく)
幕府最大の要害でカバネ研究の最先端。 - 「カバネ」
生者の生き血をすすり同じ化物と為す屍(しかばね)のこと。登場後「カバネ」と呼称されるようになった。 - 「心臓皮膜」(しんぞうひまく)
カバネの心臓を覆う鋼鉄の皮膜。一般の武士が持つ蒸気銃では破壊が困難。 - 「カバネリ」
人でもカバネでもない存在。容姿は人間とほぼ変わらないが、カバネと同様に心臓被膜が出来ている。 - 「自決袋」
幕府から一人一人に支給されている、自決用の携帯用指向性爆弾のこと。
キャラクター
- 生駒(いこま)、cv:畠中 祐
顕金駅に住む蒸気鍛冶(かじ)の少年。 - 無名(むめい)、cv:千本木彩花
甲鉄城に搭乗して現れた少女。生駒と同様にカバネリ。 - 菖蒲(あやめ)、cv:内田真礼
顕金駅を治める四方川(よもがわ)家の長女。 - 来栖(くるす)、cv:増田俊樹
四方川家に使える武士で、菖蒲(あやめ)の身辺警護を担当。 - 逞生(たくみ)、cv:梶裕貴
顕金駅に住む蒸気鍛冶の少年で生駒の友人。 - 鰍(かじか)、cv:沖佳苗
顕金駅に住む蒸気鍛冶の少女。家庭的な性格。 - 侑那(ゆきな)、cv:伊瀬茉莉也
日ノ本各地に物資を運んで回る駿城「甲鉄城」の乗務員。駿城の操縦は見習い段階。 - 巣刈(すかり)、cv:逢坂良太
顕金駅に住む蒸気鍛冶の少年。皮肉屋だが冷静。 - 吉備土(きびと)、cv:佐藤健輔
四方川家に使える武士。物分りが良いタイプ。
(画像、文章はおもに「甲鉄城のカバネリ」公式H.Pより)
「甲鉄城のカバネリ」
(スタッフ)
監督:荒木哲郎
シリーズ構成/脚本:大河内一楼
キャラクター原案:美樹本晴彦
キャラクターデザイン/総作画監督:江原康之
音楽:澤野弘之
脚本:瀬古浩司
仮想世界調整:三輪清宗
美術監督:吉原俊一郎
アニメーション制作:WIT STUDIO「進撃の巨人」劇場アニメ「屍者の帝国」
(キャスト)
生駒(いこま):畠中 祐
無名(むめい):千本木彩花
菖蒲(あやめ):内田真礼
来栖(くるす):増田俊樹
逞生(たくみ):梶 裕貴
鰍(かじか):沖 佳苗
侑那(ゆきな):伊瀬茉莉也
巣刈(すかり):逢坂良太
吉備土(きびと):佐藤健輔
ワザトリ:大隅健太
オープニング・テーマ
EGOIST「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」
エンディング・テーマ
Aimer with chelly (EGOIST)「ninelie」
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*1:一説には吉継が飲む際に顔から膿が茶碗に落ち、周りの者達はさらにその茶を飲むのをためらったが、三成はその膿ごと茶を飲み干し、おいしいので全部飲んでしまったからもう一杯茶を注いでほしいと気を利かせたとされているが、逸話の典拠は不明らしい