新年度になって1ヶ月が経過。
新緑とともに新規開拓営業の季節になりました。
毎年恒例、新入社員の名刺獲得合戦なるもの
この時期になると
「つい最近まで大学生だった若者が名刺獲得合戦している」、
「ビルの上から下まで飛び込みで訪問して、どれだけ新規開拓できるか競っている」、
そんな話がソーシャルメディアを通じて入ってきます。
今日は、そういう“新規開拓”について、ぼくの昔の上司、人生最初の上司から聞いて、目から鱗が落ちた話を思い出したので、その話を紹介させてもらいましょ。
新規開拓を新人がやっていいの?
「新規開拓は新人がやるもんじゃない」
結論から言いましょう。
その上司は、「新規開拓は新人がやるもんじゃないぜ」。
こう言ったんです。
この、一見、単なる“逃げ”のように思える発言ですが、発言者はぼくの人生最初の上司。別に新人でも何でもない、1人の管理監督者です。
そんな人が、「新規開拓は新人がやるもんじゃない」と言う。
新規開拓を通じてキャリアアップするんじゃなかったの?
ぼくはびっくりしました。
だって、社会に出たての新人は、新規開拓の営業をやるもんだと思っていたから。
新規開拓の営業を通じて「自分もスキルや経験を身につけて、新規開拓⇒中小企業担当⇒大手の担当とレベルアップしたい」と思っていたから。
漫画とかドラマの影響なんでしょうかね?
大手企業を担当していると「格好いい」とか「自分、仕事が出来るんじゃないか」とか、そういう自惚れだけど、気持ちいい感情を得られるんじゃないかって思ってたんです。
でも、その昔の上司はこう言い放ったんです。
「新規開拓するより、大手の担当の方が簡単じゃん」
これにはハッとしました。
ホワイトボードに上司は書いたんです。
上司)「スキルはこういうふうにラベリング出来るよなー」
- 新人:スキル低い
- 中堅:スキル高い
- ベテラン:スキル高い
上司)「で、業務としては・・・こうだろ?」
- 新規開拓(中小):難易度高い
- 新規開拓(大手):難易度超高い
- 既存取引先:難易度低い
上司)「ってことは、スキル高いやつが難易度超高いことすればよくて、スキル低いやつが難易度低いことすればいいから・・・、こうなるだろ?」
#やべぇ、絵が下手くそすぎる・・・
ぼく)「はい、、おおぉ、そうですね、、そうですよね!既に取引のある大手を担当するよりも、取引のない企業との取引を始められるよう営業する方が難しいです、はい!」
そして新人はふと気付いた
とはいえ、最初は新規開拓ぐらいしか任せてくれる仕事がないのもまた事実。
新人であるぼくは何も考えないまま新規開拓という名のテレアポに勤しんでいました。
でも、当時は何も感じなかった。
だって、こう思ってましたからね。
新規開拓の営業を通じて「自分もスキルや経験を身につけて、新規開拓⇒中小企業担当⇒大手の担当とレベルアップしたい」
しかも、新規開拓って地道に続けていくと、1つ2つと取引開始が始まって、実績があがったりしてそれは普通に楽しいもんなんです。
そうやって、新規開拓100%が、新規開拓80%、既存20%とかになっていく。
そんなある日、ふと気付いたんです。
ぼく)「あれ、なんかあの先輩のやっていることって単なる”運用”じゃん?動くお金の金額は大きいだけで、俺でも出来るんじゃない?」
そして、自分にとっての初めての上司の言葉を思い出しながら、自分でも実感したんですよ。
ぼく)「俺のやってる新規開拓の方が難易度高くねぇか?」
新規開拓の価値
冷静に考えればそりゃそうですよね。
お取引のないところがスタートラインなわけだから。
顧客の創造という、とても大事な価値を生み出しているわけですからね。
そりゃいろいろありますよ。
- マンションの一室で事業を営んでいる小さな会社に対し、本当にこの会社に営業して意味があるのかと思ったり。
- 競合他社とべったりな企業に対して、自分たちとの取引の土俵に乗せるために泥臭いことを積み重ねたり。
だって、お取引ないという状態がスタートなんだから。難易度高いんだから。
再び脳裏に上司登場w
上司)「そういう、難易度高く、付加価値のある新規開拓の仕事を、新人がやっていいの?」
新規よりも既存からの方が学びも大きい
そんな上司はこうも言っていました。
上司)「既に取引のある大手は、携わる案件の量、それによって動くお金、社内で他に一緒に仕事する人/相手先で出会う人、いろんなところで学びの機会があるぜ。
新人だからこそ、こういった機会に多く触れるべきだろーよ。」
ぼく)「なるほど、既に取引のある大手ほど、最初の新人の勉強にもってこいだと。」
上司)「確かにな、最初からいきなりポーンと大手の担当を任せるのは難しいよ。でも、既に担当している中堅やベテランのアシスタントのような感じで、一緒にくっ付いて2名体制で担当すれば、案件に触れる機会も多く学びにもなる。成長する。それは会社にとっても戦力になるというプラスの効果があるんだよ。」
ぼく)「はい。」
上司)「しばらくして、そのアシスタント君が慣れてきたら、緩やかに引き継いだらいい。大手だから新人が担当すべきではない”なんていう意味不明な迷信は消し去ってしまえばいいよ。」
さらに話は続きます。
上司)「そうやってったら、担当を引き継いだ中堅あベテランのキャパシティが空くだろう。そこで、難易度の高い顧客=取引のない顧客。ここを彼らに担ってもらうんだ。」
この話を聞いて、強く共感したぼくは仕事に邁進するわけですが笑、
一方、こうも思いました。
ぼく)(世の中の多くの会社は逆なんだけどな・・・)
会社が新入社員に新規開拓をさせる理由
世の中の新卒新入社員の立場の方々自身が、自分たちが新規開拓をやることについて疑問も持っているのかどうかは知りません。
が、しかし、普通に考えてどうして難しいはずの業務を新人がやらなきゃいけないのか。
ちゃんちゃら可笑しい話ですが、なぜそれでも新人がやっているのかを考えてみました。
- 新規開拓をしてから最初にお金を頂戴するまでは大変なんだということを身を以て分からせる根性論
- 「自分たちも新規開拓から始めて、いろいろ下積みがあってようやく大手を担当してるんだ。何で、いきなり新人にその機会を奪われなきゃいけないんだ」という既得権益層の保持意識
- 「新規開拓は難しい。成功するかどうかも分からない。そんな生産性の低い(と会社が思っている)仕事に経験ある中堅/ベテランのパワーを割く訳にはいかない。」という生産性への誤った認識
ざっくりこういったものが背景なんでしょう。
世の中全てが合理的ではまったくないっていう事象の1つでなかなか面白いですね。
まとめ:下から突き上げよ!
さて、そろそろまとめます(疲ry
もし、このブログを読んでいる方が新入社員で、「自分の会社も新規開拓は新人の仕事だと思われている」という状況にいる場合。
ぼくのお勧めは、まず、その新規開拓を一定取り組みましょう。
そして、会社という場で普通に居場所が出来たならば。
先輩に対して、飛びきりの笑顔でプレッシャーかけておきましょ。
「その仕事、俺でも出来そうですよ笑 先輩、経験あるんだから、俺が攻略出来てないこの企業、開拓してくださいよ。その間、先輩の大手企業、僕が担当しますから笑」
下からの突き上げですよ。
下克上だぜぃ、うぉおりゃー笑
以上、新規開拓から思い出したせいぽんの昔の上司の話でした。
ほんだらのー!