この大型連休で遠近を問わず実家に帰るという方も少なくないだろう。傷みだした実家の敷居をまたぎ、また少し老けた親の姿を見るたびに、これから先のことはあえて考えないようにしようと思う。まだまだ、親は元気だから……。
だが、空き家は全国で820万戸、朽ちた家主のいない家が増えて周辺住民に迷惑をかけているなどのニュースを聞くと、明日は我が身の気分だ。この連休こそ帰省して、この先、実家をどうするか考えるきっかけにしてみてはいかがだろうか。
まずは親に「この先どうしたいか」と聞くことから
「お父さん、この家どうするの?」
親子とはいえ、離れ離れに住んでいる子どもからいきなりこんな言葉から切り出されたら、同居している親子でも「親の財産が欲しいのか!」と返されるのが関の山だ。実家をどうするか。ここはストレートに聞くのではなく、親にこれから先はどうしたいのかをたずねることから始めるのはいかがだろうか。親はいつまでも元気で過ごしてほしいと思うのは子どもの変わらぬ思い。その思いを伝えるためにも、自分から言いたいこともたくさんあるだろうが、まずは親の言葉を傾聴したい。
あまりコミュニケーションが上手ではない親子でも、親の言葉に耳を傾けていくうちに、会話がはずみ、話しているうちにあなたの思いは伝わるだろう。そこで初めて家のこと、もし、話が深くできるのなら、ほかの資産の把握を始める。家を中心とした親の資産を守ることは、いずれ相続をすることになる自分たちの資産を守ることでもあるからだ。
「名義」「境界線」「面積」など現状を把握することが重要
まずは家屋、田舎で農地、山林などがあれば、誰のものかを確認したい。
それは当然、親のものだろうと思われるかもしれない。確かに親の代で実家を購入しているなら、家屋敷の登記は親の名義になっているだろう。しかし、祖父の代、さらには代々続くような家では、「まさか!」ということがしばしばあるのだ。
そのまさかとは、未相続。つまり、実家の家屋敷が相続されていないということである。この先、相続が発生するときになって面倒なことになるので、真っ先に登記所に行き、確認しておきたい。もし、父親より前、祖父母やそれ以前の代で相続がされていないと、その代にさかのぼって子孫を全員探し出し、全員のハンコをついてもらわないと、あなたは実家を相続ができないのだ。このような問題が発覚した場合は、自分で動くより早々に司法書士に相談して任せたほうがいいであろう。
誰のものがわかったら、次は境界線の確認。田舎の場合、所有する土地の境界が曖昧なことがあるのだ。隣り合う家同士で、境界に石を置いたり木を植えたりして、それを境とすることがある。木が成長しすぎたり伐り倒してしまったり、うっかり石を動かしてしまったなど、境界をめぐるトラブルは絶えない。土地を売却しようとしたとき、売主には境界を明示する義務があり、境界線がクリアにならないと話が進まないのだ。
加えて、田舎の土地は登記簿と実際の土地の面積が大きく異なることがある。売却しようとしたとき、買い手から「きちんと測量してからにしてほしい」と言われるケースも考えられる。さほど土地が広くなくても、測量費用が100万円台になることも珍しくない。そのため公募面積売買といって登記簿と図面と境界線の確認だけで納得してもらうケースもある。面倒だが解決策がないわけではないので、この先のことを考え、現状把握はきちんとしておきたい。
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