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工夫を重ね国内3位「ゆかり」 食べ方も多様に

三島食品のゆかり

しその紫、古今集に「縁(ゆかり)」

 食卓や弁当を彩る赤しそのふりかけ「ゆかり」。全国的に根強い人気で、三島食品(広島市)の売り上げの3分の1を占める。

     ふりかけの歴史は諸説あるが、大正時代に熊本県で乾燥させた小魚に調味料を加えたものが始まりとの説が有力。三島食品創業者の三島哲男氏は戦後、故郷の広島でかつおなどのふりかけの行商人として身を起こし、1949年に前身の三島商店を設立した。

     60年代、社員の一人が、漬物店でしそ漬けがよく売れているのに目をつけ社内で商品化を提案した。だが、当時はしそをふりかけとして食べる習慣もなく製法は手探り。水分の多いしその風味を落とさず乾燥させることが難題だったが、熱風の使い方などに工夫を重ねて克服し、70年に発売にこぎ着けた。

     赤しその紫色が、古今和歌集で縁(ゆかり)を表す色として詠まれており、商品名はこれにちなんだ。

     「紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る」。紫の草が一本あるだけで武蔵野の草はすべていとしく見えるという意味で人の縁の素晴らしさを表現している。「お客様とのご縁を大切にとの思いが込められています」(広報担当者)

     発売後まもなく給食に採用され、子どもを中心に人気を集めた。2000年代以降も売り上げを約4割伸ばし、昨年は国内ふりかけ販売で丸美屋の「のりたま」などに次ぐ3位。パスタに合わせるなど食べ方も多様になっている。【宮川裕章】

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