なぜ、一番人気のあるコンテンツを有料にしてはいけないのか?どの業界でも、<無料>との競争が待っている。それは可能性の問題ではなく、時間の問題だ。創造的にも破壊的にもなり得るこのフリーという過激な価格を味方につけるための一冊。
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
- 購入: 133人 クリック: 3,796回
- この商品を含むブログ (537件) を見る
スポンサーリンク
1. 「無料」で稼ぐ
無料のパラドックスがある。料金をとらないことで、大金を稼いでいる人々がいるのだ。すべてとは言わなくても、多くのものがタダになっていて、無料か無料同然のものから一国規模の経済ができているのだ。それはどのようにして起こり、どこへ行こうとしているのだろうか。これが本書の中心となる疑問だ(P.10)。
ウッドワードが理解していたのは、「無料」という言葉が特別な力を持つことだった。その言葉は、消費者の心理を変え、新しい市場をつくり、古い市場を壊し、ほぼどんな商品でも魅力的に見せることができる。ウッドワードはまた、「無料イコール儲からない」ことではないこともわかっていた。商品から利益を得る道がたんに間接的になるだけだ(P.19)。
↓
スポンサーリンク
2. 「フリー」のビジネスモデル
「フリー」という言葉は多くの意味を持つし、その意味は時間とともに変わってきた。その言葉は私たちに疑いを抱かせると同時に、何よりも強く私たちの注意を引きつける。もっとも自然な取引の形態だが、見た目ほど単純なことはほとんどない。現在、フリーのまわりに経済がつくられているのならば、フリーとは何で、どのように作用するのかを理解することから始めるべきだろう(P.26)。
↓
↓
↓
↓
「この世にタダのランチはない」(転じて「この世にタダのものなどない」)という言葉の本質にあるのが、この内部相互補助だ。実際にランチを食べた者がお金を払わないとすれば、それは結局、その人にタダでランチを提供しようとする誰かが払っているにすぎないのだ(P.31)。
著者紹介
クリス・アンダーソン (Chris Anderson、1961年 - ) は、3D Robotics社のCEO。2012年までアメリカ合衆国の雑誌Wiredの編集長を約12年間務めた。同誌の中でロングテールという概念を提唱し、後にその考えを発展させて著作『ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』で発表した。現在、カリフォルニア州バークレーに妻と5人の子供と在住している。
スポンサーリンク