北朝鮮が2回目のミサイル発射も失敗 米国防総省
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アメリカ国防総省の当局者は、北朝鮮が28日に新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられるミサイルを、2回にわたって発射しましたが、いずれも直後に爆発して発射に失敗したことを明らかにしました。
アメリカ軍は28日、北朝鮮によるミサイルの発射を日本時間の28日午前6時43分と午後7時24分の2回にわたって探知したと発表しました。アメリカ国防総省の当局者によりますと、ミサイルはいずれも新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」で、北朝鮮の東海岸のウォンサン(元山)で、車両型の移動式の発射台から発射されたとみられますが、2回とも直後に爆発し発射に失敗したと分析しているということです。
「ムスダン」は2010年に初めて公開され、アメリカ国防総省によりますと、射程は3000キロ以上で、グアムのアメリカ軍基地に到達する能力があるとみられていますが、これまで実証されたことはありません。北朝鮮は初めてとみられる「ムスダン」の実射試験をキム・イルソン(金日成)主席の誕生日にあたる今月15日に実施していましたが、このときも数秒後に空中で爆発して失敗しています。このため相次ぐ発射には、アメリカに脅威を与える弾道ミサイル技術の確立を急いで、その能力を国内外に示すねらいもあるとみられ、アメリカ軍は引き続き警戒を強めています。
「ムスダン」は2010年に初めて公開され、アメリカ国防総省によりますと、射程は3000キロ以上で、グアムのアメリカ軍基地に到達する能力があるとみられていますが、これまで実証されたことはありません。北朝鮮は初めてとみられる「ムスダン」の実射試験をキム・イルソン(金日成)主席の誕生日にあたる今月15日に実施していましたが、このときも数秒後に空中で爆発して失敗しています。このため相次ぐ発射には、アメリカに脅威を与える弾道ミサイル技術の確立を急いで、その能力を国内外に示すねらいもあるとみられ、アメリカ軍は引き続き警戒を強めています。
「目にあまる国際的な義務の違反」
北朝鮮が28日に、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられるミサイルを2回にわたって発射したことについて、アメリカ国務省のカービー報道官は28日の記者会見で「朝鮮半島情勢をさらに不安定にする目にあまる国際的な義務の違反だ」と非難しました。
そのうえで、カービー報道官は「北朝鮮にこうした行為をやめるよう呼びかけるとともに、国連の場でも話し合いたい」と述べ、国連安全保障理事会の場で対応を協議する考えを示しました。
そのうえで、カービー報道官は「北朝鮮にこうした行為をやめるよう呼びかけるとともに、国連の場でも話し合いたい」と述べ、国連安全保障理事会の場で対応を協議する考えを示しました。
ムスダン相次ぐ発射 2つの理由
北朝鮮が、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」を相次いで発射した背景には、国内向けと対外向けの2つの理由が考えられます。
国内向けの理由としては、来月6日に開会する36年ぶりの朝鮮労働党大会を目前に控えて、「ムスダン」の発射を初めて成功させることで、国威発揚を図るとともに、キム・ジョンウン(金正恩)第1書記の新たな業績だとアピールし、求心力を高めるねらいがあるとみられます。
また、対外向けの理由としては、「ムスダン」の射程が4000キロで、アメリカ軍の基地があるグアムに達するとされることから、直接対話の糸口が見えないなかで、韓国と合同で軍事演習を行っているアメリカを強くけん制したいという思惑がうかがえます。
このため、北朝鮮指導部があくまで、「ムスダン」の発射成功にこだわる場合、党大会が始まる前に4度目の発射を試みる可能性が高く、関係国は、過去3度の発射が行われた北朝鮮東部のウォンサンを中心に警戒と監視を強めています。
国内向けの理由としては、来月6日に開会する36年ぶりの朝鮮労働党大会を目前に控えて、「ムスダン」の発射を初めて成功させることで、国威発揚を図るとともに、キム・ジョンウン(金正恩)第1書記の新たな業績だとアピールし、求心力を高めるねらいがあるとみられます。
また、対外向けの理由としては、「ムスダン」の射程が4000キロで、アメリカ軍の基地があるグアムに達するとされることから、直接対話の糸口が見えないなかで、韓国と合同で軍事演習を行っているアメリカを強くけん制したいという思惑がうかがえます。
このため、北朝鮮指導部があくまで、「ムスダン」の発射成功にこだわる場合、党大会が始まる前に4度目の発射を試みる可能性が高く、関係国は、過去3度の発射が行われた北朝鮮東部のウォンサンを中心に警戒と監視を強めています。