どうもこんにちは。メシ通レポーターのmamitaです。
冬はジビエの季節。今回紹介するのは猪肉料理専門店です。猪肉といえば、ボタン鍋をまず思い浮かべますが、京都・聖護院にある「ボタン」は、珍しい「イノシシ料理専門のフランスバル」なんです。
ボタンの最寄り駅は京阪の神宮丸太町。京大病院のすぐそばになります。「ボタン」と大きな提灯が目印。
テープで二重線がしてある看板はご愛嬌。2階席はもうすぐオープン予定だそうですが、予定は未定とのこと。
お店の扉には大きなボタンマークが。
イノシシが隠れるカジュアルな店内
店内は入り口側がカウンター、奥はテーブル席になっています。グループでも、カップルでも、お一人様でも入りやすい雰囲気。バル使いで、軽く呑んでいかれる方も多いそう。
ところどころにイノシシがいます。
イノシシのかぶりものを見つけて喜ぶ同行の友人attsumi。
イノシシの既成概念が崩れた
まずはオススメのメニュー「盛り合わせ」を注文。前菜にピッタリのシャルキュトリーです。写真の手前の上からロース、もも肉、パテ、サラミ、肉味噌、ピクルス、リエット。全てお店の自家製なんです。
盛り合わせ1,900円
ひょ〜! フォトジェニック! InstagramにUPして「mamitaはこんなにシャレオツなエブリデイを送ってる」と思われたい〜!
イノシシというとクセやにおいの強いイメージだったのですが、既成概念を打ち砕かれました。どれもすごく上品な味わいです。
あまりにフォトジェニックなので逆方向からも撮影。ひとつひとつ、半端なく手が込んでいます。
変顔にトライする店長望月さん。
店長の望月さんは笑いながら「仕込み大変なんですよー」とおっしゃいます。サラミはなんと2ヶ月も熟成させているとか。
特に私と同行のattsumiが気に入ったのが、薄いパンに乗せられたふわふわのリエット。ふたりで奪い合いになったくらいです。口の中ですっと溶けていく食感、美味すぎる!
ちなみに、盛り合わせの内容は日によって変わるそう。
素晴らしい飲み物「酵素仏手柑(ぶっしゅかん)ジュース」
「すみません、お酒が飲めないんですが、ソフトドリンク何かありますか?」とリクエストしたところ、奥からこちらのビンを出してきてくださいました。
ん? ピクルス?
望月さん「ブッシュカンの酵素漬けです」
mamita「アメリカの元大統領ですか?」
attsumi「絶対違う」
望月さん「仏手柑。ミカンなんかと同じ柑橘類の一種です。酵素で漬けてます。飲んでみますか?」
ほほう。仏手柑とははじめてです。しかも酵素漬け。ソーダ割りにしていただきました。
写真手前:酵素仏手柑ジュース500円/写真奥:グラスワイン白500円
柑橘系の爽やかな香りが鼻に抜ける、ヘルシーな甘みが特徴のソーダ。美味しい! これだけを飲みにでも通いたいくらい。苦みやクセも全くなく、飲むたびに身体に染み渡ります。なんと素晴らしい飲み物なんだ! おいしすぎて撮った写真が全部ぶれてる。
最近、曇り空の続く寒い京都の気候にやられて、かなり気分が落ち込んでいたのですが、そんな気分を吹き飛ばしてくれるくらいに美味しい飲み物でした。
仏手柑は、まるでお釈迦様の手のひらのような形が特徴の柑橘類。その見た目から、園芸などにも使われているそうです!
8時間かけたオニオングラタンスープ
こちらはアッツアツで出てきたオニオングラタンスープ。ふーふーしながらいただきます。
オニオングラタンスープ900円
mamita「甘んまっっっっ!」
attsumi「なにこれ!!!!」
mamita「玉ねぎってこんなに甘いのか!」
あまりのおいしさにふたりして阿鼻叫喚。身体をじわーーっと芯から温めてくれます。うますぎる。
mamita「これ、家でも食べたい。どうやって作るんですか?」
望月さん「まず玉ねぎを8時間炒めます」
attsumi「前言撤回。すみませんでした」
望月さん「炒めたあとは鶏の出汁を加えてます。あとはチーズとパンを乗せてオーブンで焼きました」
甘みは玉ねぎ本来の風味オンリー。コク深いスープをパンが吸って、とってもジューシーです! こんな美味しいスープが飲めるだなんて、生きていてよかったレベルの美味しさ。ああ幸せ。
追いチーズでテンションMAXの手打ちパスタ
こちらはイノシシベーコンのアマトリチャーナ。アマトリチャーナとは、豚の塩漬けをつかったトマトソースのパスタのこと。もちろんお店では、豚ではなくイノシシベーコンを使用しています。
イノシシベーコンのアマトリチャーナ1,400円
食べる直前にペコリーノチーズをすりおろしてくださいます。
目の前で熱々のパスタにチーズがとろけていく! チーズの良い香りにテンションが上がる!
平麺は自家製で、市販品の乾麺とは一線を画したモチモチ感。
しっかりと食べごたえのあるイノシシベーコンとあっさりとしたトマトソースが麺によく絡んで至極のお味。
手打ちパスタを仕込んでおられる様子です。奥の望月さん良い表情。
和のテイストを盛り込んだフランス料理
イノシシは和の毛色が強い食材。そのためフランス料理のなかにも、どこかしら和の要素を盛り込んでいるそうです。
たとえば料理酒に白ワインではなく日本酒を使ったり、グリーンペッパーの代わりに山椒を使用するなど。
望月さん「やはり日本人は和の調味料や食材に馴染みがあるので、すっと身体に入りやすいというか、自然に食べやすくなるかなと」
そうおっしゃる望月さんの言葉どおり、どの料理も個性が強いのに、とっても食べやすいんです。
ゆえにお酒のラインナップはワインだけでなく、日本酒も。
「玉ねぎにイノシシミンチつめてチーズいっぱいかけてオーブンでやいたもの」。口に出して読みたいメニュー。
別腹デザートと食後酒で〆!
お腹がいっぱいだったんですが、別腹でデザートも注文。甘さ控えめで、ふわりとした食感が特徴のチーズケーキです。
チーズケーキ500円
こちらは、スペイン産いちじくとナッツのアイスみたいなもの。「みたいなもの」とは何ぞや……。
スペイン産いちじくとナッツのアイスみたいなもの500円
これがそのままのメニュー名です。「アイスみたいなもの」は実際はアイスではなく、メレンゲと生クリームを混ぜて冷やし固めたものだそう。
口の中で軽くほどけていく食感が楽しい! そのなかでいちじくとナッツの食感がほどよいアクセントになっています。
さらに食後酒として、レモンチェッロをいただきました。聞き慣れないお酒ですが、アルコール度数40度(!)の甘いレモンのお酒。キンキンに冷やして、ストレートで飲むのだそう。
写真手前:レモンチェッロ300円
「この値段で出してるところは無いですよ」と望月さんがおっしゃるので、これはトライせねば、と同行した友人attsumiがグイッといきました。
クー!!
40度なので、さすがにこの表情。
私もひとくち舐めさせてもらいました。これはキツイ! けど、こっくり甘いなかに、爽やかなレモンの風味が飲みやすい! あまりに飲み過ぎると確実に酔いが回りますが、このキツさは悪くないぞ。むしろ幸せ。
なぜイノシシ専門店を?
mamita「イノシシ専門店という珍しいお店ですが、どういう経緯でオープンされたのですか?」
望月さん「うちの社長の弟さんが飛騨高山にお住まいなんですが、山にはたくさんイノシシがいまして。以前、遊びに行った際に猟師やマタギの方を紹介していただき、イノシシを食材とした専門店をやってみてはどうか、という話になりました」
mamita「実際に猟をされてる方との出会いがきっかけだったんですね」
望月さん「ボタン鍋は他のお店でも食べられるので、何か違ったことをしたいな、と。僕は元々フランス料理をやっていたので、豚の代わりにイノシシを使ったフランス料理にしてみようと。レストランではなくバルにしたのは、お客様に気軽に楽しんでいただきたいという想いがあったからです」
シロクマまでイノシシになっていました。イノシシづくし、最高。
イノシシ肉の新しい境地を発見した夜。おいしいおいしいと、どんどん語彙が足りなくなっていってしまいました。気軽に創作ジビエを楽しみたいなら、ぜひ今夜、ボタンへどうぞ!
※この記事は、2016年2月時点での情報です。
お店情報
ボタン
住所:京都府京都市左京区聖護院山王町41
営業時間:[火~金] 11:30~14:00(LO)/17:00~22:00(LO)
[土・月] 17:00~22:00(LO)
※月曜・土曜のランチは休み
定休日:月曜
ウェブサイト:https://www.facebook.com/botan.syougoinbar
書いた人:
mamita
ひとり結婚式をした人として恋愛コラムからベンチャー企業取材までネット上に文章を書いています。ライター兼アマチュアボクサー。犬2匹+人間3人+夫と共に京都の町家シェアハウスで暮らしています。
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