先日ひょんなことから子供たちの嘘が発覚しました。嘘をつくのはダメ!といくら言い聞かせても、まあ嘘はつくものだよなぁという認識はわたしにもありましたが…でも、まさかこんな嘘をつかれているとは思わなかった。
自分たちだけの秘密だったはずなのに、なぜこの嘘がバレたかというと…
一緒に探検した仲間のひとりが、ついポロっと「◯◯っていうところまで行ってきたんだ!(あっ!)」と親に言ってしまい、しかもその数日後…ついポロっと話しちゃった子のお母さんが、わたしについポロっと「こないだはあんな遠くまでよく行けたよね〜(あっ!)」と言ってしまい(笑)
ドジな親子のおかげで子供たちの嘘がバレてしまったというわけです。
しかも、まさに発覚したその日も「森林公園で遊んでくる」と言って出かけていたので、「じゃあ今日も違うところに行ってるの?」と慌てて電話したら、なんと、
今…海!
と。
え?海?
えーーーーー?
海ぃーーーーー?
大人でもちょっと躊躇うくらいの距離にある海。しかも子供たちだけで海にいくなんて、あまりのことに開いた口がふさがらず。怒ることも忘れて、とりあえず「海には入るな」とだけ伝えて電話を切りました。
はぁ…。
わたしは嘘をつかれるのが大嫌いです。普段ならものすごく叱るところだったと思います。でも、不思議なことに、今回は怒りよりも驚きの方が大きかった。こんなことがバレれば叱られるということはわかっていたはずなのに、それでも遠くに行ってみたい、秘密をもちたい、やってみたいという気持ちを優先しちゃう、そういう熱いものがうちの子たちにもあったんだ!へぇ〜!という気持ちになっちゃって。
長男はとても優しくまじめでルールを重んじる優等生。次男は好奇心旺盛なわりに気が小さく、早く進みたいけど石橋を叩いてわたる慎重派。まじめなのも、慎重なのもいいことなんだけれど、裏を返せばその性格が足をひっぱるということもあります。でも親としては「ルール度外視してやっちゃえ!」というわけにもいかないし、「後先考えずにやってみなよ!」とも言えず。
さまざまな人に出会い、いろんなことを体験しつつ、いつか「ほどほどのところ」が見つかるといいなぁと思っていました。だからね、正直ちょっと嬉しかったんです。
とんはは:嘘をつかれるのは嫌いです。知ってるよね?
子供たち:うん。ごめんなさい。(しょぼん)
とんはは:どうすればよかったと思う?
子供たち:違うところに行くならちゃんと言えばよかった。
とんはは:そうだよねぇ。ちゃんと言えばよかったね。
子供たち:うん
とんはは:で?楽しかったの?
子供たち:うん♪(きらきら)
とんはは:でもね、子供たちだけで遠出をする、しかも自転車でってなると、事故がとても心配なんだよ。 これからも遠出したいならいくつか条件があります。
子供たち:(ごくり)
とんはは:1、ヘルメットをかぶること。2、携帯を必ずもっていくこと。3、きちんと計画を立てていくこと。
子供たち:(ぱぁーっ)うんっ♪
とんはは:ということで明日ヘルメットを買いに行きましょう。
子供たち:やった〜!!
とまあ、こんな感じで(笑)嘘をついたことについては、もう少し多めにお灸をすえましたが*1、子供たちは堂々と出かけられるとわかって大喜び。翌日、約束どおりヘルメットと、ついでに本屋に寄って県内のポケット地図を買ってあげました。
江ノ島へ行く計画
ヘルメットと地図を手にした子供たちは、早速仲間と集まって計画を立てました。そして決まった次の目的地は「江ノ島」。はっきり言って遠いです。しかも4年の次男がついていける距離なのかも不安…。でもまあ、とりあえずやってごらんという気持ちで見守ることにしました。
子供たちの計画の概要はこんな感じ。
- ◯時に学校集合
- 地図に赤ペンでルートを記入
- ◯時に帰宅予定*2
- 持ち物は1000円、水筒、おやつ(携帯と腕時計)
なかなかの計画だと思いました。特に、地図に赤ペンでルートを記入したところと、行きにかかった時間から江ノ島を出る時間を算出するところ。スマホに頼らない彼らはそうやって行動を決めるんだなぁと思って感心しました。
わたしが口を出したのは1つだけ。「絶対に海には入らないこと」これだけは絶対に守るようにと言いました。
江ノ島へ行ってきた
江ノ島へ行く日はとても暑かったので、子供たちが学校へ行っている間に冷やしておいたウィダーインゼリーをクーラーバックに入れてもたせました。わたしがしてあげたことはそのくらい。あとは全て自分たちで準備して出かけて行きました。
無事に着いたかな?
道に迷わなかったかな?
変な人にあわなかったかな?
実際に冒険の旅(おおげさですが)に出ているのは子供たちですが、家で待っているわたしにとっても冒険です。こちらから電話をするのだけは絶対にやめようと心に決め、じりじりじりじり待ちました。すると到着予定よりおおはばに遅れて
「ごめーん!電話するの忘れてた!だいぶ前に着いて外人の小さい子がずっと話しかけてきて何いってるか全然わからないからすげー困ってたらお母さんまできてまた何いってるかわからなくて、でさあ!…」
とハイテンションの電話が(笑)なんだかよくわからないけれど楽しそうでなにより。そして、十分に江ノ島を楽しんだあと、予定した時刻にきっちりあわせて無事帰ってきました。遅れるだろうなぁと思っていたので、これにはびっくり!
そしてもっとびっくりだったのがお土産でした。てっきり食べ物だと思っていたら全然違った。
思いっきり、金ぴかなお土産でした(笑)う、うれしかったです。
まとめ
実はこの話を担任の先生や、子供たちのことをよく知る大人に話すと、必ず「おもしろい!!」といわれます。
「あの長男くんがそんなことをするんだ!?」 「おもしろい!」
理由を聞いてみると、どちらかというと守りの意識が強いタイプだと思っていたから、そんな風に行動できると思わなかったと。さらに担任の先生には、「長男くんがそういう行動をとるということがおもしろいのであって、他の子が同じことをやっても同じ感想を持つわけじゃないです」と言われました。ギャップがすごかったんでしょうね。わかります。
わたしがいつも心に留めている禅の言葉に「啐啄同時(そったくどうじ)」というものがあります。これは、卵の中からヒナが殻をつつき、外から親鳥が殻をつつくタイミングが一致したときに、ヒナが生まれるという意味の言葉です。両者のタイミングがぴったり合ったときに変化がおき、新しいものが生まれる。
これはわたしの想像ですが、長男が「自分たちだけで遠くに行ってみたい」という気持ちを持っていたとしても、自分ひとりでそれを実行にうつそうとはしなかったんじゃないかなと思います。そこへ気の合う友達がやってきて「行こうよ、行ってみようよ」と外側からコンコンつつき、長男は長男で「行ってみたい、行ってみよう」と内側から自分の殻をコンコンつついた。そのタイミングがぴったりあって殻が破れたのが今だった、ということなんだろうなと。
とはいえ、まがりなりにも6年生なので普段はそんなに遠出できるほど暇はありません。次は夏休みかな?今度は小田原城や鶴岡八幡宮に行くそうです。子供たちの冒険の旅が今後どんな風に発展していくか、楽しみなような、心配なような、楽しみなような。いずれにせよ、わたしにとっての冒険もまだまだ続きそうです。
おしまい。
▽ 過去記事 gambaruko.hatenablog.com