クリントン氏4州制す トランプ氏は全勝
【ワシントン会川晴之】米大統領選に向けた民主、共和両党の候補指名争いは26日、東部5州で予備選が実施された。米CNNテレビによると、民主党は、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が大票田のペンシルベニアとメリーランドを含む4州で勝利。獲得代議員数をさらに上積みし、米史上初の女性大統領候補指名に大きく近づいた。共和党は、首位を走る実業家ドナルド・トランプ氏(69)が全5州で圧勝し、党大会前の指名争いの決着に望みをつないだ。
クリントン氏は26日夜、ペンシルベニア州フィラデルフィアで演説し「最も多くの代議員を獲得し党大会に戻ってくる」と指名獲得に自信を示した。民主党党大会は7月にフィラデルフィアで開催される。
候補指名には、総代議員数の過半数獲得が必要となる。民主党の代議員数は、予備選・党員集会の結果に左右されない特別代議員を含めて4765人。得票率に応じて比例配分され、CNNの推計では26日の予備選の結果、クリントン氏の獲得代議員数は2000人を突破し、過半数の2383人に迫った。
クリントン氏は次回5月3日以降の予備選・党員集会で大敗し続けない限り、指名獲得が堅い情勢となってきた。ただ、バーニー・サンダース上院議員(74)は26日夜、選挙戦を続けると表明した。
予備選が開催された5州は、ペンシルベニア▽メリーランド▽コネティカット▽ロードアイランド▽デラウェア。
クリントン氏は3月下旬以後の予備選・党員集会で、サンダース氏に7連敗したが、今月19日の地元ニューヨークで勝ち、勢いを取り戻した。
共和党は、7月の党大会前に、トランプ氏の代議員獲得数が指名に必要な過半数(1237人)に達するかが焦点となっている。トランプ氏は26日の圧勝で、2位のテッド・クルーズ上院議員(45)との差をさらに広げた。トランプ氏は同日、ニューヨークで演説し、「私は(11月の本選で)ヒラリーには簡単に勝利できる」と主張した。