ウェールズの人々の祖先であるケルト系民族のブリトン人は紀元前数世紀から現在のイギリス(グレートブリテン島)に済むようになりその後、ローマ帝国、アングロサクソン人&ノルマン人(イングランド)等の侵略を受けてきました。
アングロサクソン人の侵略拡大により、彼らの言語である英語がグレートブリテン島では広く用いられるようになりウェールズにおいても公用語は英語とウェールズ語になっています。
これらの歴史を振り返ると、英語は先住民の言葉である古代のケルト語(古ウェールズ語)を多く取り入れているのでは?と考えられますが、実際は殆どケルト語は英語に取り入れられていないようです。
ケルト語やウェールズ語は、ウェールズ以外のイギリスには残されていないのか?
実は地名に古代のケルト語(古ウェールズ語)が残されていました。今回は、現在のケルト語が語源となっているイギリス各地の地名についてお話しいたします。
※ウェールズ人の先祖ブリトン人の言葉を、古代のケルト語や古ウェールズ語と書きましたが、ここでは統一してケルト語と標記いたします。
※ケルト語が英語に取り入れられていない理由はいくつか考えられ別の機会にご紹介いたします。
ロンドンの語源を探せ!
イギリスと言えばロンドン!まずロンドンの語源を見てみよう!ローマ帝国の支配下にあった121年に、Londinium(ロンディニウム)の表記があったんだ。
これは何語なんですか?
ケルト語で「沼地の砦」意味と言われているよ。紀元前1世紀にローマ軍のカエサルと戦った伝説のLud王が、占領した街につけられた名前という説もあるんだ。最初はKaerludと呼ばれ、Kearは恐らくCaerのことでケルト語は要塞という意味なんだよ。
ウェールズには多くのCaerと名の付く地名が多くあるんだ。たとえばカーディフはウェールズ語ではCaerdydd、カナーヴォンはウェールズ語でCaernarfonで何れもローマ時代から要塞城があるんだ。
なるほど面白いですね。それでLud王の要塞という意味なんですね。
他にもロンドンの由来はあるぞ。ケルト語のLowonidaが語源という説もあるんだ。
どんな意味ですか?
ワタルには幅が広すぎる川という意味だ。
テムズ川の事ですね!
テムズ川に沿って歩いていると、僕もワタルだけに気持ちよさが心に染みワタルよなあ~
ええっと、テムズはケルト語が語源で「暗い」という意味だそうですよ。
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ケルト語と古英語が混ざった街
ロンドンで盛り上がり話し過ぎたので、巻きで行こう。シェークスピアの生家がある街として有名なストラットフォード・アポン・エイヴォンについてだ。
(Stradford-Upon-Avon)
とってもきれいな所ですね~
この名前はある部分だけがケルト語なんだよ。どれか分かるかいう?
ん~アポンかな~
残念!答えはエイヴォンだよ。Stratは通り、fordは浅瀬という意味の古英語、Avonは川という意味のケルト語で、エイヴォン川の浅瀬を渡るローマの道という意味なんだ。
ええとっ、川というケルト語自体が、エイヴォンという川の名前になったのですね。
村といえばこう呼んだ(エジンバラ)
他にもケルト語と英語が混ざった地名は多くみられるんだ。例えばエジンバラ(Edinburgh)はエディン(Eidyn)というケルト語の地名と、burghの村という意味の古英語が組み合わさってできた地名なんだ。
じゃあエディン村という意味ですね。
そんな感じだ!ケルト語ではないけどburghはburyという形にもなっておりストーンヘンジがあるソールズベリー(Salisbury)やカンタベリー(Canterbury)などがあるよ。
そうそうカンタベリーはケント(Kent)にあってケントとベリーが組み合わさっているんだ家けど、ケントはケルト語で国境という意味なんだ。つまり、カンタベリーは国境村という訳だ。
その他ざっと
ケルト語ではないけれど地名を見ると街の様子が分かる名前がはいっている場合がおおいですね。
・-chester(○○チェスター)
これはラテン語で砦(castra)から来ていて砦がある街という意味になります。チェスター、マンチェスター、グロスター、などが挙げられます。
・-ham(〇〇ハム)
これは古英語で村という意味だ。先ほど出てきたburghやburyより狭い範囲を示します。バーミンガム、ノッティンガムなどが挙げられます。
もっといろんな地名の由来を知りたい方はこちらの外部ブログをご覧ください。
まとめ
ちなみにロンドンはウェールズ語で「Llundain」と言い、Lud王の要塞という意味のKaerludが変化してKaerlundeinとなりKaerが取れたLundeinにとても良く似ています。
地名の語源を知ると、その街がどんな環境であったのかどんな地理であったのかが良く分かりますし、自然環境を意識しながら共に暮らしていたことが伺えますね。地名から人々の様子を思い描くことはとて興味深く、自分の周りの地名にも目を向けてみたいと思います。
最後まで読んでくださり有難うございます。
<キャスト>
ワタル課長
部下のアサオ
ジェイムス先輩