自分の小学生の頃は、コロコロコミック派とコミックボンボン派の2つの派閥があって、コロコロコミックとコミックボンボンの、どっちの雑誌が優れているかを語り合ったりした。
そして、結局、どっちが面白いかで喧嘩になる。
中学生になると、週刊少年ジャンプでどの漫画が面白いかを語り合ったりした。
ONE PIECEはみんな読んでいたけども、コミックで読む派とジャンプで毎週読む派で喧嘩になったりする。
だって、コミック派はジャンプ派と話していると、うっかりネタバレを聞かされることがあるのだから。
自分もみんなの話題についていこうと思って、漫画雑誌を読んだ。
漫画が嫌いなわけではなかったけども、実はあまり話題についていけなかった。
自分はお小遣いが少なくて、漫画をそれほど買うことができなかったからだ。
立ち読みも、お店の人に迷惑じゃないかなと心配になってしまって、長時間読めなかったので、斜め読みして、なんとなく話の流れを理解するといった形。
友達はONE PIECEやナルトのキャラクターについての話をしたり、技の話をしていても、実は理解していなかった。
なんとなくで話を合わせていた。
正直、漫画の話じゃなくて、他の話をしたいなと思っていた。
でも、そんな自分が、どんな友達や同級生とも一緒に語り合える話題があった。
それは、国語の教科書についてだ。
国語の教科書には、印象的な話や、面白い話がたくさんあった。
それは、授業の時間だけでなく、休み時間にもその話をすることもあった。
教科書に載っていた、赤い実はじけたという話。
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思春期の女の子が恋をした時の感情を、赤い実はじけたと表現している、内容も甘酸っぱい、少女漫画のような話。
赤い実はじけたというフレーズが印象的で、友達が女の子と仲良さそうにしてたり、話していたりすると、「お前ら赤い実はじけてんのかw」とか言ってからかったりしていた。
それと、宮沢賢治のやまなしとよだかの星。
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やまなしについては、授業中にクラムボンは何なのかというディスカッションをした記憶がある。
生き物なのか、生き物じゃないのか?
不思議な内容の話で、いくらディスカッションしても結論が出なかった。
そのディスカッションは休み時間や放課後も友達と行った記憶がある。
それと、よだかの星は切ない話で、印象に残っている。
でも、話の内容以上に印象的だったのは、授業で読み合わせをしている時に、いつも怖い50代の女の先生が泣き出したこと。
話に感動したんだってさ。
あとは、大造じいさんとガン。
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これは、タイトルで勝手に大造じいさんが病気のガンになる話だと勘違いしていた。
この話で、ガンという鳥を知った。
これは小学校低学年の頃の教科書だったと思う。
ちいちゃんのかげおくりという話。
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授業でこの話をしてから、休み時間にみんなでかげおくりをするブームが起きた。
でもね、かげおくりをしても、誰もちゃかしたり、ふざけたりはしなかったんだよね。
話の内容が重かったこともあるけど、こどもながらに、これは茶化してはいけないと、みんな感じたんだと思う。
自分にとっての青春はどんな時のことだったかと思い浮かべると、学校での出来事が圧倒的に多いように感じる。
部活とか、文化祭とか、体育祭とかもそうだけれど、みんなで一緒に授業を受けたことも、大人になった今では、体験できないこと。
教室という空間で、30人前後の同年代と過ごして、学んだという経験は、とても貴重なことだったんだなと感じる。
自分は地元から離れた場所に住んでいるし、連絡の取れなくなってしまった友人もいる。
でも、もし同窓会があって、出席できたら、「今何してるの?」ていう現状の話をするよりも、国語の教科書の話をしてみたいなと思ったりする。
学生時代を思い出して、センチメンタルな気分に浸れて悪くないんじゃないかな。
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