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【中医協】高脂血症用剤など薬価収載了承-予測患者数に疑問の声も

医療介護CBニュース 4月13日(水)20時38分配信

 中央社会保険医療協議会の総会は13日、高脂血症用剤レパーサ皮下注140mgシリンジ、同ペン(一般名エボロクマブ【遺伝子組み換え】)など、7成分12品目の薬価収載(20日付)を了承した。同剤の算定薬価は、140mg1mL1筒と同1mL1キットが共に2万2948円。製造販売会社は、発売後のピーク時の投与患者数を約7万人、市場規模を約500億円と予測している。この予測患者数に対して、一部の委員が疑問を呈する場面もあった。【松村秀士、佐藤貴彦】

 同剤は、家族性高コレステロール血症と高コレステロール血症を効能・効果とする医薬品。ただし、心筋梗塞といった心血管イベントの発現リスクが高く、血液中のコレステロールを低下させる「HMG―CoA還元酵素阻害剤」で効果が不十分な場合に限って使用するとされている。通常、成人に対して140ミリグラムを2週間に1回、または420ミリグラムを4週間に1回皮下に投与する。

 同剤の薬価については、効能・効果などが同じ既収載品がなく、比較できないとして原価計算方式で決められた。算定に当たっては、同剤が既収載品と異なる作用機序を有し、既存の治療では効果が不十分な患者に対して有効性が示されていることから、営業利益率の加算は+10%が適用された。

 製造販売会社のアステラス・アムジェン・バイオファーマは、発売後のピーク時の投与患者数を6万9000人、市場規模を492億円と予測している。

 この日の総会では、同剤が生活習慣病で見られる高コレステロール血症の治療に効果があることから、一部の委員からは予測の患者数が少ないとして、その算出根拠を尋ねる意見が上がった。

 これに対して厚生労働省の担当者は、同剤を使用できるケースが限定されていることなどを加味して企業側が予測したものだと説明。その上で、今後は適切な使用を促していく方針も示した。

最終更新:4月13日(水)20時38分

医療介護CBニュース

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