時折無性にダンジョンに潜りたくなることがあります。
そういう時はスーファミのダンジョンマスターを引っ張りだして、ワームやジャイアントラットと死闘を繰り広げたりしてました。
「イー・フル・イル!」とか「モン・フル・イル!」とか叫びながら。
(フル・イルとはダンジョンマスターでファイアーボールが撃てるようになる魔法の言葉です。頭についているイーやモンという言葉は威力を変化させます)
あとやはりダンジョンといえばWizardry(ウィザードリィ)ですかね。
城の地下にあるダンジョンに潜って敵と戦い、お宝を入手し、無事に町に帰って宿屋で寝る。
かつて、こんな繰り返しがとても楽しかった日々がありました。
ウィザードリィとの出会い
私が今までプレイしてきたウィザードリィ作品は、1、2、3、5、6、外伝4、BUSINといったところですね。
1、2、3は主にファミコン版でやりましたので、2がリルガミンの遺産、3がダイヤモンドの騎士を指しています。
一番熱中してプレイしたのはシリーズで初めて遊ぶことになったファミコンの1ですね。
私のウィザードリィ1、いわゆる狂王の試練場との出会いは、兄がプレイするのを後ろから見ていたことなのですが、子供心に「なんなんだこのゲームは……」と戸惑ったのを覚えています。
戦闘シーンはメッセージが読めなくて気が付いたら終わってるし(Aボタン連打でメッセージが飛ばされるのでw)、なぜか戦闘中の敵グラフィックが途中で別の画像に変わるし、戦闘シーンが終わったら宝箱が表示がされて選択肢を選ぶと金貨の画面が出てくるし、迷宮はどんどんスクロールして壁に当たったら「いてっ!」って表示されるし、階段は四角だし、何かあったらリセットボタンが押されるし。
私が後ろで見ている前で、上記のことがすべて高速で行われるんですよね。
キャラクターを何度も作り直してお気に入りのパラメーターになるまでやり直せるとか、街の情報が全て文字で表示されているとか、なぜか馬小屋で寝るとか、善と悪の概念があってたまに友好的な敵が出てくるとか、何もかも新鮮でしたね。
他にも疑問だらけだったことを覚えています。
鑑定って何よ?
とか、
何でアイテムを使ったらガラクタになるの?
とか、
そもそもAC(アーマークラス)ってなんだよ。なんで低い方がいいんだよ。
とか、
死んだ仲間を迷宮に置いてきたら探しにいかなきゃいけないってどういうこと?
とか。
枚挙にいとまがありません。
正直言って「何が面白いんだろうこのゲームは」と思いながら見ていました。
そしてある日、キャラクターを作れる枠が空いているという理由で、私も初めてやってみたのですね。
最初は本当に意味不明なゲームという認識でしかなかったのですが、実際にプレイするといつしかドハマリしてしまったのです。
さあ出発だ
キャラを6人作成し、ボルタック商店で一通りのアイテムを買ってから地下に潜ります。
最初はよく分からず、普通に戦ってたらあっという間に死んでましたw
やがてすぐに、カティノという魔法使いの呪文で敵を寝かさないと酷い目にあう、ということを理解します。
とにかくカティノで寝かし、そこを殴って倒す! というのが序盤の必勝法でしたね。
それでも慣れない内は難易度にひいひい言ってましたけどね。
前衛で敵の攻撃にさらされる戦士ですら最初は最大HPが8くらいですし、メイジや盗賊なんて下手したら3くらいしかありません。
運が悪いと戦士が二発くらい殴られてあっという間に死にますし、序盤は生き返らせるお金もないんですよ。
仮にお金があってもカント寺院で生き返らそうとした際、『ささやき いのり えいしょう ねんじろ!』で生き返らずに灰になることもよくありました。
地下1階は幸い特殊な能力を使ってくる敵はいないのですが、敵よりもさらに輪をかけてやっかいなのが宝箱です。
様々な罠が仕掛けられており、罠の解除に失敗すると酷い目にあいます。
毒にかかる『どくばり』とか、どこか別の地点にワープさせられる『テレポーター』とか、パーティー全員がダメージを受ける『ばくだん』とか、各種取り揃えられております。
序盤で罠にひっかかると比較的弱い罠の『いしゆみのや』ですら大抵誰かが死ぬため、罠の発動を見てとった瞬間にリセットボタンを押します。
(ウィザードリィは状態がオートセーブされるゲームです。戦闘と宝箱のシーンが終わって移動画面に切り替わった時にセーブタイミングがありますが、切り替わる前にリセットボタンを押すことで罠を食らう前の状態まで戻れるのです。ただし、この場合その戦闘前の時間に戻りますので、戦闘も無かったことになります。慣れてくると敵と出会って不意打ちされた時点で即リセットするようになります)
やたらと高い毒消しアイテム
そうそう、初めて毒をくらったときも衝撃でした。
ウィザードリィは序盤に毒をくらうとほぼ終わりますからね。
宝箱で毒針に引っかかって『おおっと! どくばり』が表示された時にリセットを押さずに間違ってAボタンを押してしまうと「あ、死んだわ」ってなるんですよ。
毒にかかると歩くだけでHPが1減りますからね。
上で述べたように、戦士ですら序盤は最大HPが一桁しかないのにです。
さらに、初期の回復呪文ディオスは1~8しか回復できず、レベルが低いうちは3回くらいしか唱えられないんですよね。町に戻れる階段まであと一歩……というところで力尽きて死んだこともよくありますw
毒はもちろん自然回復しませんし、持ち歩ける毒消しアイテムの『どくけし』は高くて序盤は買うこともできません。
『どくけし』って300Gもするんですよ。
もちろん『どくけし』は1回つかうとガラクタになり、二度と使えません。
ちなみに鎧のカテゴリーである『くさりかたびら』は90Gで『むねあて』は200Gです。
鎖帷子や胸当てよりも高い毒消しwww
どくけしそうが安値で売られているドラクエとかに慣れていると「どういうこと?」ってなりますよね。
いわゆる傷薬である『ちりょう』にいたってはさらに高くて500Gもしますが。
効果は上で述べているディオスと全く同じで1~8しか回復してくれないんですけどねw
もちろん1回つかうとガラクタになります。
このようにいろいろとウィザードリィの洗礼を受けましたが次第に慣れていき、メンバーが3~4レベルになると、さすがに町から離れた領域まで足を伸ばせるようになります。
いよいよ地下2階へと
やがてマーフィーズゴースト狩りなどもしてさらにレベルが上がると、ついに地下2階へと進むのです。
歩きなれた地下1階ではどの通路を歩けば町に戻れるのか、ということを熟知していますが、地下2階はもちろん未知の世界です。
私は攻略本を持っていたのですが、確かマップの情報が不完全だったんですよねw
(今思うと良い攻略本だったのではないかと思います)
それでドキドキしながら階段を降りるのですよ。
上に戻る階段の場所を忘れないように、探索を進めていくのです。
ギリシア神話でダイダロスの迷宮を攻略したテセウスが、体に糸か何かを巻いて入り口への経路を確保していたというお話がありますが、気分はまさにそれです。
出てくる敵もまるっきり変わるので、驚きの連続なんですよ。
こっちの首をはねてくるウサギが出てきますし、麻痺とか毒を使ってくる敵も登場するようになりますし、地下1階よりもさらに酷い目にあうんですよね。
まあリセットするんですけど。
少しずつ成長していくのが嬉しい
地下2階の階段近くをうろうろしながら少しずつ探索を行い、レベルをアップさせながらお金とアイテムを入手します。
僧侶がディオスの上位版である回復呪文ディアルを覚えると、かなり楽になります。
ディアルって回復量が2~16もあるんですよ。
「たったそれだけ!?」と思われるかもしれませんが、これがあるのと無いのとでは雲泥の差です。
なにしろディアルを覚えるまでディオスでちまちま回復させるしかなかったわけですからね。
運が悪いとディオスを3回使って合計4しか回復しないとか良くありました。
しかしディアルだとかなりの確率で二桁も回復できるのですよ!
これは大きい!
問題はディアルと同じ4レベルの僧侶呪文に毒を治す呪文のラツモフィスがあり、これで毒を治すとディアルを使う回数が減ってしまうことですが……。
ウィザードリィは1レベルから7レベルまでの強さをもつ呪文を覚えることが出来るのですが、レベルごとに呪文の使用回数が決まっており、最大9回までしか同じレベルの呪文は使うことができません。
そのため、ディアルを使えば使うほどラツモフィスが使えなくなり、ラツモフィスを使えば使うほど逆にディアルが使えなくなるのです。
ちなみにこのあたりになると、状態異常を治せる呪文に余裕が出てくるため、毒や麻痺くらいではリセットしなくなります。
麻痺を治す僧侶の呪文ディアルコは3レベルにあるのですが、3レベルの僧侶呪文はディアルコ以外あまり使わないので、麻痺は食らってもそこまで問題のない状態異常になります。
もちろん僧侶が麻痺を食らうとリセットですw
麻痺も自然回復しませんから。
序盤はあまり宝箱から良いアイテムが出なかったので、店売り品を買って戦士の装備品一式を少しずつ揃えていきました。
特にやたらと高い『どうのこて』を買ってあげられた時は、かなりの達成感があったことを覚えています。
『どうのこて』って6000Gくらいするんですよね。ACは1しか下がらないのにですよ。『よろい』なんてACが5も下がって750Gで買えるのに。
行動範囲が広がる
やがて地下4階あたりでイベント敵を倒すことにより、『ブルーリボン』という地下9階までのエレベーターが使えるようになるアイテムを入手でき、一気に行動範囲が広がります。
後半はほぼイベントとかがないので、もう最下層である地下10階まで行くことも可能です。
(9階から落とし穴ですぐに10階に行ける)
といっても私は1階ずつ降りて探険をしていましたが。
こちらもかなりパワーアップしているのですが、下層になるとこちらのレベルを下げるエナジードレイン使いや、強烈なブレスを吐いて全体ダメージを与える敵がガンガン出てくるようになり、先制攻撃をくらったりすると「あ、終わったわ」ってなるんですよね。
まあリセットするんですけど。
ファミコンは気楽にリセットできるのがありがたいです。
一度プレステで出てたウィザードリィをやってリセットしまくってたら明らかに本体の調子が悪くなりましたからね。
やはりウィザードリィシリーズはファミコン版がベストかなと思うわけですよ。
リセットボタンの押しやすさ的に。
とうとう最下層に到達する
不慣れだった私もいつしか最下層である地下10階でずっとレベル上げとアイテム集めをやるようになりました。
地下10階まで来てもやることは全く変わっていませんねw
私はグレーターデーモン増殖による経験値稼ぎはしなかったので、基本的にウィルオーウィスプとかフロストジャイアントとかポイゾンジャイアントとかの経験値をたくさん貰える敵と戦っていました。
こいつらが現れるまで扉を何度も何度も出入りするんですよ。
そして宝箱が出てくる地点を一通り周って呪文の残り回数が尽きたら街に帰る。
それの繰り返しでした。
このころ、メンバーのレベルは10台後半から20くらいまでになっていました。
パラメーターが高くなったキャラはいよいよ、あこがれのロードやニンジャにクラスチェンジするのです。
(私はキャラ作成時のパラメータリセットをあまり念入りにやらなかったので、初期のクラスは良くてサムライどまりでした)
そうそう、ある日、地下10階でマイルフィックと出会ったんですよね。
攻略本で存在だけは知っていたのですよ。
「こ、こいつが噂のマイルフィック……」
と戦慄が走り、ドキドキしながらも戦闘を開始し……。
たしか初手でいきなりティルトウェイトかなにかをくらってほぼ壊滅させられましたw
もちろんリセットです。
マイルフィックにはそれ以来会っていません。
彼は元気にやっているのでしょうか。
ついにあのアイテムをゲットする
そんなトラブルに見舞われながらも、宝箱の中から『カシナートのつるぎ』とかの強いアイテムをゲットするとそれはもう嬉しくて、さらにアイテム集めに精を出すんですよね。
ラスボスとかそっちのけでw
そしてついにある日、変なアイテムを拾ったのです。
未鑑定名が『ぶき』だったかな。
少なくとも今まで見たこともない名前だったのは確かです。
未鑑定の武器は大抵『けん』とか『つえ』とかなので『ぶき』は初めてだったんですね。
こ、これは……とドキドキしながら鑑定すると『しゅりけん』でした!
ニンジャが装備できる強力な武器です。
喜びもひとしおでしたね。
私の中では『むらまさ』と『せいなるよろい』と『しゅりけん』は超レアアイテムでしたから。
なお、手に入れた『しゅりけん』はある日間違ってスペシャルパワーを解放してしまい、ガラクタになってしまいました……。
そして最後の日を迎えた
来る日も来る日もレベル上げとアイテム集めを繰り返していましたが、ある日、「そろそろいいかな」と思いました。
そう思った日にすぐさまラスボスのワードナのところまで行って、倒して『ワードナのまよけ』を持ち帰ってクリアしました。
(そろそろいいかな。で倒されるラスボスって一体……といっても結構苦戦はしましたが)
こうして、私のウィザードリィで遊ぶ日々はひとまず終わりを告げたのでした。
ちなみに、目的を果たした後もダンジョンには普通に潜れます。そもそもウィザードリィ1はクリアという概念すら有って無いようなものですし。
心残りはいくつかのアイテムを手に入れることができなかったことですかね。
結局、『むらまさ』と『せいなるよろい』はゲットできなかったんですよ。
『むらまさ』はリルガミンの遺産で手に入れてリベンジを果たしたのですが、『せいなるよろい』はたぶんこれまでの人生で入手したことが無いんじゃないかなと思います。
長くなってしまいましたが、以上が私のウィザードリィ1の思い出です。
私の人生の中で、一番はまった3Dダンジョンゲームは、やっぱりウィザードリィ1かなと思います。
(実は1以外はあまりクリアしていなかったりします。BUSINに至っては序盤でやめてしまいましたし)
冒頭で述べたようにダンジョンマスターも好きですけどね。
ダンジョンとはなんなのか
漫画でもダンジョン飯とかが最近流行っているようです。
小説家になろうとかのWeb小説でも、ダンジョン物は人気のあるカテゴリーですよね。
私はリアルでダンジョンに潜る度胸はありませんが、子供時代はよく家の押入れに篭ってました。
なんか暗くて狭くて静かなところが落ち着く時期があったんですよね。
押入れの戸を閉めて(真っ暗は嫌なのでちょっとだけ開けておくのですが)、ふとんや毛布の中でぼーっとするのが楽しかった頃があったのです。今はもうそんなこともしていませんが。
しかし、大人になった今でもゲームでダンジョンに潜るのはなんともいえない喜びがあるのです。
ダンジョンには生と死が同時に横たわっており、モンスターと罠と、そしてお宝が待ち受けています。
ダンジョン内で危険な目に会えば会うほど、町に戻った時に生を実感できるのです。
そして持ち帰った宝は勲章となります。
現実を生きる私達は、冒険に出かけるのは難しい。
ですが、ゲームの世界でならいつだって冒険の世界に飛び出すことができます。
昔の人が未知の大海に出て行ったように、ダンジョンとは飽くなき冒険心を満たせる場所なのではないでしょうか。