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Kindle本 売上ランキングで上位にいる見知らぬ作家の謎

Kindle WEB ブログ

Amazonの電子書籍売上ランキングを観ていると毎回見たことも聞いたこともない著者名のKDP(キンドルダイレクトパブリッシング)本がランクインしていることが多い。
どれも絶賛レビューの嵐。
きっとすごい革新的な内容なんでしょうね(棒

今回は身近にあるアマゾンランキング常連作家と危ない”業界”のお話を少し。



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秒速で億を稼ぐ

ニューカルマ (集英社文芸単行本)

かつて自己啓発・情報商材界隈がカモを探すには、週刊誌の広告欄やポスティングやトンデモ系のマイナー出版社などを使うのが主だった。

ところがインターネットが発達し、カモへのリーチが圧倒的に伸びた。
”繋がらない者同士を繋ぐ”網の目は、繋がらないはずの業者とカモを結び付ける効果もある。

スパムメール、メールマガジン、有料オンラインサロン、SNSへのスパム。
オンライン塾や人材プロデュース。

最も有名なのがヨザーこと”秒速で億を稼ぐ”与沢翼氏を筆頭にしたネオヒルズ族。
しかしネオヒルズ族は与沢の凋落と共に姿を消した。
matome.naver.jp

ヨザーに憧れた村田隆氏のブログから引用。
2012年5月。

この間、累積で何とか、3万円です。

5年もかけて3万では、全くお話になりません。

ですから、肩書きの

「成功哲学研究所所長」も、

看板を降ろそうかと思います。

事実、私にコンサルを有料で申し込んでくださる方は、

この5年で
一人もいませんでした。

やはり、私は、ネットで稼げないのか?

この5年間は、私にとって一体何だったのか?

そう思うと悲しくてたまりません。
私が成功できない理由|村田 隆 公式ブログ

それから4年、2016年
未だに「愛と感謝」なんて本をKDPで売ってるところを見ると足抜けは難しい……。
 
 

いとも簡単なトップランカー

KDP クイック スタート ガイド

そして情報商材界隈は、大手市場となったアマゾンの利用法を見つけた。
KDPによる宣伝と権威化、チートを確立してる。

やり口は、簡単。
こんな感じだろうと予測される(私見)。

まず1ターン目。
・会社を作る(当然、格安資本金で)
・マイナーなジャンルを狙いKDPで一冊書く
・プロフィール欄を充実させる
・値段を安く設定する
・発売と同時に買いまくることで上位にランクインさせる
・その実績でプロフィール欄に「○○ジャンルで○位を獲得」と追記

次2ターン目。
・ブログ記事並みのKDPを書く(受け売りの自己啓発でもオッケー)
・表紙の写真はフリー素材を加工
・タイトルは強めの言葉で長め、煽り系、逆張り
・値段を安く設定する
・発売と同時に買いまくることで上位にランクインさせる
・クラウドソーシングなどを使いサクラレビューで★★★★★をつける

そして2ターン目を頻繁に行う。
なにせ「ブログ記事並みのKDP」だから量産が可能。
これで「いつもアマゾンランキング上位作家」のできあがり。
誰も知らないのにレビューで絶賛され、出す本が毎回上位にランクインする。
(時間が経てば当然★レビューが増え始めるので初速が大事)

プロフィールは、個人よりも株式会社の方がいい。
何かで実績があればそれも権威になる。
プロフィールはたっぷりと書く。
動画を作る輩もいる。
 
いやー、ろくでもない。

  

情報商材界隈

アマゾンの仕組みは、情報商材の業界人らにとっては非常に使いやすい宣伝材料。
サクラレビューに溢れるアマゾンはいたちごっこ状態。
ランキングは、まともに機能せずスパムでいっぱい。

アマゾンで捏造した評価を掲げて自分の価値を権威化。
そしてカモがひっかかる。
安価なKDPやメルマガで捕まえ、高額なセミナーや情報商材へ勧誘の流れ。
KDPだけで儲ける気がないから値段設定は安い。


今やネットで稼ぐ虚業が、まるで素晴らしいことのように語られてしまう始末。
本来、稼ぎというのは価値を創造してそれに見合った対価を得ること。
虚構の価値で稼ごうとして、サブプライムローンみたいな醜悪な仕組みが生み出されたのにね。
土地ころがしやバブルは、実際価値よりも稼ぎを得ようとした結果ですがな。

汗して働いた稼ぎと、アクセス稼ぎのブログでの稼ぎを比べ、ブログの方がすごくて素晴らしいとされるのはなぜだろうか。
そんなことすら疑問に思わず「会社に縛られずにフリーランスで生きるんだ!」と歪んでしまうのが評価されることが気持ち悪くてしかたない。
情報商材で食っていくことのどこが「新しい生き方」なんだかよ。
過去を見て何も学ばない。


虚業、情報商材や啓発による稼ぎに対するリテラシーが低い。
ブロガーに夢を見て、実績もないフリーランスに憧れる。
TWITTERで名言を見つけたらシェアし、ポエム系botをフォロー。
copy_writingやサザエbotがSNS内で権威化してしまうのを見ればよくわかる。

老若男女がネットを使うになったけれど、リテラシーがまったく追い付いていない。

今の流行りは「月間○○万PVでサラリーマンを辞めフリーランスとして生きる方法」
大した実績がないのに看板としてそれを掲げ自分を大きく見せる。
そして有料ブログ塾だのセミナーを開けばお小遣いを欲しい人々が引っ掛かる。

見よう見まねで情報商材のマネごとをやって「PVが―」で小遣い稼いでるうちは可愛いが、欲に目がくらんで怪しい情報商材系ASPに手を出しはじめたらあとはドップリ。
キャンピングカーで暮らすだの、高知に引っ越すだの、インターネッ党から出馬するだの取り込まれやすそうなカモはなんぼでもいる。
実に夢に溢れたクソな稼ぎですね。


ネットで自分を守るのは自分だけ。
危ないモノがそこらじゅうに転がってる。

気をつけなはれや!(©チャンカワイ)