父の勝久氏側が勝訴 社債償還めぐる訴訟
東京地裁、長女が役員の管理会社に15億円支払い命じる
大塚家具創業者の大塚勝久前会長(72)が、親族の資産管理会社から引き受けた15億円分の社債の償還を求めた訴訟の判決で、東京地裁(小野瀬厚裁判長)は11日、管理会社に請求通り15億円の支払いを命じた。管理会社は大塚家具社長の長女久美子氏(48)が役員で父娘対立再燃の火種となる可能性がある。
久美子氏側は勝久氏と償還期限の延長で合意していたと主張したが、判決は「親子の信頼関係に基づくもので書面もなく法的拘束力を持たない。既に父娘の信頼関係は失われている」と指摘した。
訴えなどによると、勝久氏は2008年4月、保有する大塚家具株130万株を社債と交換する形で管理会社に譲渡し、社債償還期限の13年4月になっても弁済されず提訴した。久美子氏側は「株の譲渡は相続対策と事業承継が目的。父は5年間の償還期限延長に合意していた」と反論していた。
判決後、管理会社の弁護士は「主張が認められず遺憾だが、保有する130万株の帰属に影響を与えるものではない」と、経営には影響しないとの見方を示した。【伊藤直孝】