2016/03/01
最近、よくキュレーションメディアで「ダイエットにはランニングがいい。そして、痩せるためには“かかと着地”が理想です」という内容の記事が載っていて、「安易にかかと着地を勧めたらあかんで!」と、心の中で警鐘を鳴らしていた筆者です。
ただ、心の中だと皆様に伝わるものも伝わらない。
決して、“かかと着地”がダメなわけではありません。
ただ、“あえてかかと着地を意識して走ること”は、ランニングフォームでは非効率なことだというのが私見なんです。
また、“フォアフット”だろうが、“ミッドフット”だろうが、“ヒールストライク”だろうが、着地の箇所はどうでもいいというのも持論。
ただし繰り返すようですが、“かかと着地の推奨”には違和感を覚えざるをえませんので、今回はそちらについて触れさせていただきます。
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◆「かかと着地」が非効率なワケ!動画でまずはヒールストライクをチェック
ランナーとは程遠い“肉付きの良い体型”を使用しての解説となり恐縮ですが、上記の動画は“あえてかかと着地で走った時のフォーム”です。
ややオーバーにはなりましたが、このかかと着地でのフォームは走る効率が悪くなります。
元のフォームが良いとはいえないのですが、そちらはご容赦くださいね。
上記がかかと着地で走った際のフォームです。矢印の肩の部分は力が入ってしまい、腰まわりの回転もできていなく、骨盤が後傾しやすくなってしまいます。
骨盤が後傾すると、走る上で上半身をうまく使えません。なので、ひざ上の筋肉に負担がいき、膝痛の大きな原因になる可能性すらあるんです。
あくまで“筆者がかかと着地をした際の感じ方”なので、全ての人に当てはまるわけではありませんが、少なくとも筆者は“かかと着地”で走りに精彩をかくことが多いと感じました。
メリットといえば、スピードが上がらないので、ゆっくりジョグをするのにはいいのかな?といった点です。
ただしこれはフォームを崩す元だとも考えていて、ゆっくりのジョグでもピッチやストライドのリズムは、本来の走りと同じであるべきだというのも持論です。
これは、膝の溜めなどでうまく調整することができるんですが、個人個人の体感によって説明の仕方が変わってきますので、“膝の溜め”については別の機会でご説明しようと思っています。
◆かかと着地をやめて「骨盤前傾」で走った時のランニングフォームはこちら
こちらも、「猫背やんけ!」とか、「腕のふりおかしくね?」というツッコミはお控えいただきたく……。
ただ、先に挙げた動画よりもスムーズに前へ推進できているように見えませんでしょうか?
かかと着地だと、どうしても“カクカクカク”といった上下のエネルギー運動で、前へ進むエネルギーが殺されがちです。
ただ、骨盤を前傾させて、上半身のリズムを重視した走りだと、“スイーッと”前に進む感じです。
丸をつけた部分を見ていただきたいのですが、お腹周りをドローインする感覚だと、骨盤が自然と前傾して着地がミッドフット気味になります。
着地に関してましては、あまり接地の箇所を意識することはありません。結果的にミッドフットからフォアフットになり、こちらの方が脚へのダメージも少なく、前へ自然とエネルギー運動が起こることができますよ。
また、骨盤を前傾させて走ると、肘が自然と引けて、肩甲骨もしっかりと動きます。
なので、上半身主導で走ることができ、全身を使った着地になるので、脚への負担も減るんですね。
上下のムダな動きもなくなるので、膝周辺の筋肉へのダメージも軽減します。
まとめ
いかがでしょうか。
実業団の方を例に出すと(恐れ多いですが)、佐川急便の山本亮選手のように、ヒールストライクでもとてつもなく速い選手も多いです。
ただ、これは結果的に骨格がヒールストライクの方が速く走れるようになっているわけであって、決して意識して“かかと着地をする”というのは、筆者個人の意見としては「ちゃうやろ?」と思うわけなんですね。
ランニングフォームというのは、100人のランナーがいれば100通りあるともいわれます。しかしながら、「答え」はないものの、「共通点」はあるんじゃないでしょうか?
筆者は今でも非効率なランニングフォームですが、過去はもっと悲惨なものでした。
練習量も大事ですが、ランニングフォームを改善するといったアプローチも記録向上への近道なはずですよ。
日々のジョギングで自分との体と対話を繰り返して、日々ランニングフォームを改善していく楽しみ。
みなさまも、ぜひ。
【画像出典】