カスクという自転車アイテムがあります。
ウイスキーのカスクでも無ければ、ロード用ヘルメットメーカーのKASKのことでもありません。
つづりは「Casque」です。
しかし恐らく自転車に興味ない人でも、ああ確かに一度くらいは見たことあるかも〜ってなるアイテムなんですよね。
こんなやつです。
往年の名選手、ローラン・フィニョンが頭に着用しているものが「カスク」です。
今回は「カスクのすすめ」と題して、実用的な自転車生活において、なぜ「カスク」なのかとくと綴りたいと思います。
カスクの歴史
Wikipediaによると、1970年以前から自転車競技においてヘルメットと言えばカスクであり、現在主流のポリスチレン製のヘルメットが広まるのは、1990年代に入ってからのことです。
↑現在主流のヘルメット。ちなみにこれがKASKというメーカーのものです。ややこしいぜ。
それでも、1991年にUCIがレース中のヘルメット着用義務化をルールづけると、選手から猛反発があったそうです。今では考えられないことですね。
結局、現在のようにヘルメット着用が義務付けられたのは2003年5月とつい最近のことです。
レース外では、日本の道路交通法によると13歳児未満の子供については、ヘルメット着用の努力義務が規定されるのみで、大人はヘルメット着用義務はありません。
あくまで自衛の手段の一つとなっています。
なので、レースにおいては90年代に姿を消したカスクであり、通常利用として使う人がほとんどいなかったものが「カスク」なのです。
カスクのメリットは何か?
1990年代にレース界からカスクが姿を消したのは、シンプルにポリスチレン製ヘルメットの方が安全度が高かったからです。
プロロードレースにおいては、下り坂では120km/hに達し、通常の平坦路でも40〜50km/hは普通に出ているので、落車が日常茶飯事のロードレースにおいて、時速40kmで地面に頭をぶつけることが起きうるので、安全なヘルメットが好まれるのは当然のことです。
90年代以前は、軽量で安全なヘルメットをつくる技術が未発達だったことでカスクが主流だったのです。
では、カスクは危険か?というと、ノーヘルメットにするくらいなら装着していた方がはるかに安全だろうということです。
わたし自身も、ノーヘルで自転車運転することもありますが、やはり何となく心がざわつくような不安を感じるものがあり、何かしら着用しておきたいなという気持ちが強いです。
またロード用ヘルメットは形状の都合上、非常にかさばりますが、カスクは小さくたためるのでコンパクトであることが大きなメリットと言えましょう。
↑手袋も一緒に収まるくらい小さくなります。
(自転車ウェア、バッグ、カスクのリンプロジェクト 直営ウェブショップより)
ポタリング時に、ヘルメットを持っていくとかさばるし、かと言って自転車にくくりつけておいたらパクられる心配もあるし問題を解決するのが「カスク」なのです!
にわかにカスクのファッション面にも注目が集まりつつある?
NHKで放送中の「にっぽん縦断 こころ旅」という番組で、火野正平さんがカスクを被っているためか、昨今にわかに注目が集まりつつあるようです。
http://www.nhk.or.jp/kokorotabi/:embed:cite:w350
バンダナにカスクという着こなしも渋くてカッコいいですよね〜。
安全性に加えて、ファッション面という観点で見ると、カスク案外いいかも!と、わたしは思ったのでした。
その理由がサイクルキャップと、通常のハットやニット帽等の帽子ファッションの存在です。
タイトルにも「実用的な自転車生活」と書きましたが、自転車に乗ってそのままの格好で降りていろいろ出来て、また自転車に乗って帰ることが理想です。
ここにロード用ヘルメットが介在すると、そのまま降りて何かするということが結構面倒になります。
- 持ち運びしにくい
- ヘルメットを被ることで髪型が崩れる(髪型に関しては、そもそもノーヘルでも汗と風圧で崩れやすい)
この2点が解消されれば、路上での安全度が増し、自転車降りた後の面倒も軽減され、自転車に乗ってどこかに行きやすくなります。
カスク+サイクルキャップ+折りたためる帽子が最強!
↑【X'mas】女子だってカスク!!|Y'sRoad PORTALより
こんな風に、サイクルキャップの上にカスクを被るスタイルがおすすめです。
カスクだけだと、髪の毛が間からはみ出たりして、見た目的にあまり美しくないからです。
カスクの色をコロコロ変えるのは難しい(カスクがまあまあ高価なため)ですが、サイクルキャップなら安いものは1000円切るので服装に合わせて色を変えて楽しむなんてことも可能です。
通常のキャップでなくサイクルキャップであるメリットは、つばが狭くなっているので前傾姿勢時の前方視認性が高いことです。
カスク+キャップを被ることで、髪の毛がぺしゃんこになるので、そのまま外を歩くのは結構ダサいです。
そこで、自転車を降りたらカスクとキャップはカバンにしまい込み、帽子を被って歩けばいいのです。
キャップでもニット帽でもいいですし、最近は折りたたみ可能なハットも出てきています。
わたしはハットが好きなので、コチラの折りたたみハットを購入して愛用中です。
ぶっちゃけ安物なので、折りたたんで展開する時の型崩れ感は否めませんが、十分実使用に耐えられます。
何より自転車に乗って出先でハットを被れる幸せの方が大きいです笑
こんな形のハットもいいですね。
探せば折リたためるハットは意外と世に出回っています。
ハットはわたしの趣味でして、もちろんニット帽でもキャップでもハンチングでもベレー帽でも何でもいいです。
自分に似合った帽子と一緒におでかけするのは、結構楽しいものです。
まとめ
今回の記事は、ロードでガンガン乗る人にとっては無用な記事です。
車に例えるとロードバイクはF1で、シティサイクルやクロスやミニベロは、普通車の部類です。
F1に私服で乗る人がいないように、普通車にレーサー服で乗る人もいません。
あくまで私服で自転車を楽しむ際、ポタリング時のちょっとしたアイデアだと思ってもらえれば幸いです。
とはいえ、ロードでポタリングも十分可能なので用途に合わせてヘルメットを使い分けることもアリですね!
自転車で移動して、そのまま何か出来る上に安全性が高まるという点で極めて実用的だと思います。
ともにハッピーな自転車ライフを送りましょう!