「ほんとうはそれほど牛乳飲んでないんでしょ?」
「そんなことはない、今は仕事が忙しいだけだよ」
冷蔵庫のドアを開けると、2つの紙パックが倒れていた。
500mlと1,000mlの「明治おいしい牛乳」が親子のように並んでいる。
…言われてみれば、最近はカフェラテを作る時にしか牛乳を使っていない。
冷蔵庫に入った2つのパックをもう一度、ぼんやりと見つめ直した。
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仕事帰りに寄ったコンビニを出たところで、あたたかい春の、青白いそよ風が口元に流れ込む。
常温で楽しむ牛乳の季節がやってくる。
つづく