外資系IT企業への転職を成功に導くために知るべきこと5選

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外資 転職 IT

「外資IT企業に興味はあるけど、外資IT企業って何が魅力なんだろうか?自分の今のキャリアで転職できるんだろうか?」と不安に思っていませんか。

現在、国内系のIT企業にお勤めで、外資系の企業に興味を持っている方は多いと思います。そこで、外資IT企業の実態についてお伝えしていきます。

  1. 外資IT企業のメリット2選
  2. 外資金IT企業のデメリット2選
  3. 外資ITの代表的な企業
  4. 外資ITに転職するための3つのポイント
  5. 外資ITへの転職にお勧めのエージェント

このページでは、自分が転職すべきかどうか悩んでいる方が読むことで、外資IT企業の実態を理解し、転職すべきかどうかを判断することができるでしょう。

1. 外資IT企業のメリット2選

まずは、外資IT企業のメリットについて見ていきましょう。

1-1. 最新のスキルを習得

IT業界は、技術の進歩が非常に早く、新しいテクノロジーがどんどん開発されています。最近では「IoT、ビッグデータ、AI(人工知能)、クラウド」など、皆さんよく聞く言葉ではないでしょうか。

この様な最新テクノロジーの殆どは、技術的に数年先をいく米国系の企業で多く生み出される傾向にあり、外資系IT企業へ転職することで、日系企業では触れることのできない世界最先端の技術に触れられる可能性が高まると言えるでしょう。

今後できるようになる注目のサービス

  • スマートグリッド・スマートホーム(スマートロック(家のカギをスマホで解錠)など)
  • 自動車の自動運転
  • 医療/ヘルスケア(自動データ収集・活用)

今後注目の2大スキル

  • データベース⇒企業が膨大に持っているデータを活用するスキル
  • セキュリティ⇒近年情報の流出問題が増加しており、改めてセキュリティの強化が課題となっている

1-2. 報酬が高い

ITはもはや社会と切っても切り離せないものです。当然、社会的に求められているため、IT業界は常に途切れることなく人材募集を行っています。その中でも、外資ITの報酬体系も高いものとなります。アメリカでは、新卒で年収1000万円を超える提示をする企業も多数存在します。

職種別の平均年収ランキング(全89職種)

順位 職種分類 職種 平均年収 生涯賃金
今回 前年比 今回 前年比
1 1 金融系専門職 投資銀行業務 779万円 -156万円 3億5767万円
2 3 営業系 MR 731万円 +28万円 3億1206万円
3 4 企画・管理系 経営企画/事業企画 695万円 +15万円 2億7227万円
4 2 金融系専門職 運用(ファンドマネジャー/ディーラー/アナリスト) 687万円 -22万円 2億9534万円
5 5 技術系(電気/電子/機械) セールスエンジニア/FAE 661万円 +21万円 2億5881万円
6 6 技術系(IT/通信) ITコンサルタント 630万円 -3万円 2億6844万円
7 10 技術系(電気/電子/機械) 先行開発/製品企画 626万円 +24万円 2億6743万円
8 15 企画・管理系 法務 623万円 +55万円 2億5301万円
9 18 企画・管理系 財務 622万円 +71万円 2億4381万円
10 8 技術系(電気/電子/機械) プロセスエンジニア 614万円 +8万円 2億5485万円

(出典:DODA 2015年)

こちらは、DODAの最新年収ランキングとなりますが、IT系の職種がTOP10に3つランクインしています。

セールス系の職種は、成果さえ出せばインセンティブの割合が高いため、高給を狙える職種になります。ITコンサルも顧客との折衝を通じて、実務と照らし合わせてどのITシステムを使っていけばいいかアドバイスをしているため、難易度の高い仕事になるので、給与は高めに設定されています。

セールス系の方は売上実績、エンジニアの方は開発スキル次第で、どんどん年収を上げていくことが可能です。

2. 外資IT企業のデメリット2選

では、次に外資IT企業のデメリット面をみていきましょう。

2-1. 安定性の欠如

まず、皆さんが気にされているのは、安定性ではないでしょうか。外資系に共通する成果主義があるのは確かです。特にセールス系の職種は、インセンティブと固定給の割合で、インセンティブが3~4割を占めているため、成果を出さないと給与も大きく下がってしまいます。

また、成果を出せないというだけの理由ではなく、企業の人の配置への考え方の違いも背景として存在します。

外資企業の配属に対する考え方

日系は、働いている人ベースでポジションを用意し、外資系は、あらかじめ用意したポジションにマッチした人を配属する、ということをしています。従って外資系では、人に仕事を割り当て、長期に渡って育成していくという意識は薄く、用意したポジションに必要な人を用意できれば良い、という発想なのです。このような考え方で組織が編成されるため、急遽ポジションが必要なくなったり減らすとになった場合、既にその仕事に着いている人は出ていかざるを得ない状況になります。外資系では、その従業員に仕事を割り当てる、という発想が無いのです。組織の戦略上にマッチするポジションを社内で見つける事が出来なければ、事実上の解雇となり、他社で仕事を見つけていく事になります。

 2-2. キャッチアップが大変

外資系も含めてIT業界のトレンドの移り変わりは非常に激しく、5年もすれば業界全体が大きく変わってしまいます。

例えば、ひと昔前はIBMやマイクロソフトが外資系IT業界でも圧倒的な人気を誇っていましたが、現在ではグーグルやアマゾンなどが人気企業となり、既にIT業界の新旧人気企業は大きく入れ替わっています。箱モノのITではなく、サービスとITをどう組み合わせて顧客に提供していくかという流れに変化していっている状況です。数年後にはまた現在の状況も大きく変わっているはずです。

エンジニアであれば、使用する言語もどんどん新しいものが登場してきており、昔売れっ子であったCobol(金融系の大型汎用機などに使用されている)などは、現在一部の企業しか募集は行っておりません。代わりにRudy、PHPなどのWEB系言語が最近では需要が高まっています。

そのため、短期的・表面的なトレンドに惑わされることなく、どのような技術・分野が今後より需要が期待でき、成長産業となりそうなのかをしっかりと見極め、そのうえで必要とされるスキル・技術を磨いていくことが重要となります。

失敗しないためのポイント:リスクヘッジをしておく

上記のようなリスクが存在するため、転職する際はそれなりの「覚悟」と、もしダメだった際他にも転職できるだけのスキルを持っているという「リスクヘッジ」を考えて決断してください。

スキルを見極めるポイント

・領域(アプリケーション、インフラ等)、スキル(PM力、IT戦略、製品知識等)、業界知識(金融、製造、通信等)の専門性を持つ。イメージとしては、20代で5年以上、30代で8年以上の経験をする。

・上記の領域でアピールできる実績を作っていること

3. 外資ITの代表的な企業

具体的にどの様な企業があるのか見ていきましょう。

3-1. 外資ベンダー

外資ベンダーは、自社製品・サービスを持っている企業群です。基本的に日本では開発機能は持たず、本国で開発した製品・サービスを日本市場に販売していく機能を持っています。

企業によっては、日本市場向けのカスタマイズを行っている企業もありますが、営業やマーケティング職が中心となりますので、営業力やマーケティング力を付けたい、もしくは製品知識を詳しく持ちたい方にオススメです。

  • 日本マイクロソフト
  • 日本ヒューレットパッカード
  • 日本IBM
  • SAPジャパン
  • SAS
  • EMCジャパン
  • シマンテック
  • 日本テラデータ
  • デル

3-2.外資WEB系

外資系IT業界の中でも、ここ数年特に人気が高いのがWeb系の企業です。皆さんが普段一番目にしているサービスかもしれません。

スマートフォンアプリの開発やクラウドサービスの提供など、IT業界でも最もトレンドの変化や技術の進歩が目覚ましい業種です。最新技術を身につけ、世の中に広く使われるサービスを創っていきたい方にオススメです。

  • Google
  • Amazon
  • Facebook
  • Twitter
  • Yahoo

3-3.外資コンサルティングファーム

ITコンサルティング企業とは、企業の経営課題や業務課題に対して最も適したITサービスを提供し、導入の支援・運用までをサポートする企業です。

ITに関する幅広く深い知見を持ち、課題を正確に把握し、打ち手を提案することができる領域となります。経営・業務とITの両方のスキルを身に着けていきたい方にオススメです。

  • アクセンチュア
  • デロイトトーマツコンサルティング
  • プライスウォーターハウスクーパース
  • KPMGコンサルティング
  • 日本IBM
  • アーンスト・アンド・ヤング・アドバイザリー

4.外資IT企業に転職するための3つのポイント

実際にどの様な人を外資IT企業は求めているのか3つにまとめました。

4-1. 年齢

採用と年齢はよく語られる内容ですが、外資IT企業と応募時の年齢は、年齢と経験にもよりますが、外資ベンダーは40歳、WEB系とITコンサルは35歳が目安になってきます。

その理由としては3つの背景があります。

  • ハードワークのため
  • 会社で働いている人が若いため
  • 能力の習得速度のため

理由1. ハードワークのため

外資IT企業は、基本的に労働時間が長い業界です。エンジニア・ITコンサルであれば、プロジェクトの期限が設定されているため、その期限内に質の高い内容が求められます。セールス職でも、顧客への提案書や調整等に時間がかかるため、働く時間は長くなりがちです。

その忙しい仕事に耐えられる体力が非常に重要になってくるのです。

理由2. そもそも会社で働いている人が若い業界のため

メーカーや金融など、役員クラスはほとんどが50代後半以上で構成されていると思いますが、WEB系

企業やITコンサル会社では40代で役員になることが多いです。必然的に30代で部課長クラスになる方もおります。実力主義の世界のため、早ければ30代で役員になられる方もおります。

ベンダー企業では、もう少し年齢層が高めになっているため、採用のハードルは経験さえマッチしていれば、40代でも採用の可能性はありますが、日系のメーカーなどと比べると、圧倒的に若い層が多い業界となります。

理由3. 能力の習得速度のため

先ほども記載しましたが、この業界は動きが早く、最新のテクノロジーやノウハウの習得が必須となります。

その手法やノウハウを習得するには、ある程度の時間と吸収力が必要になってきますが、30代中盤以降になってくると、習得する時間も限られてきますし、仕事の型もある程度身についてしまっています。

そのため、企業側としても採用にリスクを感じてしまい、避ける傾向にあります。

4-2. 職務経歴

次に、どの様な仕事をしてきたかという職務経歴になります。もっとも代表的なシステムエンジニアとセールスの職種について見ていきましょう。

システムエンジニアで見られるポイント

  • プロジェクト概要・規模(大規模、中~小規模)
  • 担当領域(役職および開発フェーズ)
  • 業務知識(金融・通信・製造などの業界知識、会計・人事・物流などの業務知識)

セールス職で見られるポイント

  • 「直接営業」or「間接営業」
  • 「新規営業」or「既存営業」
  • 顧客の業界
  • 予算と実績
  • 扱っている製品
  • 「ソリューション営業」or「箱モノ営業」

特にIT業界では専門性も見られるため、得意分野を持つことが重要です。全てを少しずつ知っていますというより、ある分野について深くまで理解している方が市場価値がたかくなります。上記の観点で、得意分野を作っていきましょう。

4-3. 語学力

英語力の必要性は年々高まっています。理由は大きく2点あります。

・グローバルでナレッジの共有を行っているため。

・社内に外国人が多数いるため、会議等は英語で行われるため。

それでは、外資系IT企業で働くための英語力を具体的に見ていきましょう。

1.初級(TOIEC750点以下)※TOIECの点数は目安です

このレベルの方は、まずは英語力を向上してから転職しましょう。もちろん求人内容によっては、入社することはできるかもしれませんが、入社後に苦労することになるでしょう。まずは1年間、語学学校に通うなどして英語力を高めることをお勧めします。

2.中級(TOIEC750〜850点)

このレベルの方は、ビジネスレベルの語学力を求められる求人でなければ、入社してから英語力をのばした方が効率的です。ある程度の基礎はできているので、普段の業務内で英語力をのばしていきましょう。

3.上級(TOIEC850点以上)

このレベルの方は、基本的な内容のやり取りはできる人が多いでしょう。あとは契約や交渉、業務上の専門用語など、活きた英語をのばしていくだけです。

5. IT人材におすすめの目的別転職エージェント5選

基本的には、大手の方が「求人数」「エージェントの質」において優れているので登録しておけばいい求人が見つかることが多いのですが、IT人材の転職に特化した転職エージェントも多く、「エンジニア経験のあるキャリアコンサルタントが多い」などサービスの質などが高い場合もあります。

外資ということでは『JACリクルートメント』『アデコ』や総合的にハイキャリアに特化している『ビズリーチ』も合わせて登録するとよいでしょう。

5-1. リクルートエージェント|IT人材にも断然強いので登録必須

リクルートエージェント

『リクルートエージェント』は、「求人件数・決定人数業界No.1」の最大手転職エージェントです。

IT業界に特化しているわけではありませんが、今まで培ってきた企業とのパイプの数と登録者数で、IT業界に関しても圧倒的な求人数を誇っています。

リクルートエージェント求人数(SE、ITエンジニア)

具体的には、SEとITエンジニアだけでも3万件求人があります。これは、転職業界大手の「マイナビ」全体の求人と同程度であることを考えると、そのすごさがわかるかと思います。

絶対に外せない転職エージェントですので、必ず登録しておきましょう。

さらに詳しく『リクルートエージェント』について知りたい方は、「リクルートエージェントを誰でも最大限活用するための全知識」をご覧ください。

5-2.  JACリクルートメント|1000万円超えの案件も多数

JACリクルートメント

『JACリクルートメント』は、発祥がイギリスの外資発の日系転職エージェントで、グローバルのハイキャリア案件に強いという背景があり、基本的にキャリアに自信のある人向けのサービスです。

案件としては、外資系の高年収・ハイキャリア案件が多いので、自分のさらなるレベルアップを目指そうという人にも最適です。

特定のスキルでずば抜けたスキルや実績がある人は、1000万越えの案件が豊富にあるため、力試しに受けてみると良いでしょう。

対象:エンジニア、クリエイター、営業・コンサル、Webマーケター
※キャリアに自信があること前提

さらに詳しく『JACリクルートメント』について知りたい方は、「JACリクルートメントに登録すべき人と効果的に使う全手順」をご覧ください。

5-3.『アデコ』/売上グローバルNo.1

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アデコ』は、スイスに本社を置くグローバル企業で、人材サービスにおいて世界一の実績を持ち、売上は国内最大手人材サービスのリクルートの約3倍の2兆5000億円です。

規模が大きく、世界中いたるところに拠点があるため、世界規模での案件数は圧倒的です。

こちらも『リクルートエージェント』と同じく、今どのような案件が存在しているのかを知るためには非常に有用な転職エージェントです。

5-4. ビズリーチ|年収750万以上のハイキャリア人材は登録必須

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ビズリーチ』は、IT人材の中でも年収750万以上のハイクラス人材に特化した国内最大級の会員制転職サイトです。

上流のSEやプロジェクトマネージャー、技術に精通した営業にとっては、自分にぴったりの案件が見つかるはずです。

対象:エンジニア、クリエイター、営業・コンサル、Webマーケター
※キャリアに自信があること前提

5-5. マイケルペイジジャパン|外資系エージェント独自の求人多数

マイケルペイジジャパン』は、外資エージェントの中でも特にIT領域に強みを持っています。

外資IT系企業の中には、同じ外資エージェントにしか依頼していない求人も多数あるため、1社は登録しておくといいでしょう。

ただ、外資エージェントは、登録者が転職できるかできないかを厳しく判断しているため、場合によっては満足できるサポートが得られない場合がありますので、大手に登録しつつ併用して使うのがいいでしょう。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?

同じIT業界でも、国内系と外資系では大きな違いがあります。

どちらへ行くのが正解ということはありません。自分のキャリアの方向や仕事に対する考え方に合った方へ進むと満足した仕事生活が送れると思います。

ぜひこの記事を参考に、転職がうまくいくことを願っています。

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