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 南海トラフ巨大地震で被災が想定されている地域の災害拠点病院のうち、4分の1で停電時にCT(コンピューター断層撮影)装置が使えなくなることが朝日新聞の調査でわかった。CTは重症患者の救命に欠かせず、専門家は「診療レベルが大きく低下しかねない」と指摘する。

 災害拠点病院は全国に約700ある。南海トラフ地震の対策推進地域に立地する茨城から沖縄までの28府県317病院に、被災時の備えを尋ね、218病院(69%)が答えた。

 各病院は自家発電機の発電能力に応じて、事前に供給する設備を決めている。配電先にCTが含まれていない病院は26%。CTは脳や内臓、血管などの損傷状態の把握に必要だ。重篤な患者の診療方針が立てられず、治療ができなくなる恐れがある。